ていねいな暮らし 〜ニンジンを炒める〜
今年に入って引っ越しをして以降、掃除をする頻度が飛躍的に上がった。
少なくとも2日に1回は掃除機をかけるようになったし、クイックルワイパーも導入。お風呂からあがるときも水滴をササっと拭き取るし、コンロの上も定期的に綺麗にしている。
結果、毛や汚れに神経質になったという弊害はありつつ、掃除をしたという達成感と、きれいな部屋(当社比)にいられるという気持ち良さを日々獲得できている。
30歳手前にして、掃除って大事だなって思ったよ(気づいてよかったね)。
今までがテキトーすぎたため、掃除をしている時点で”ていねいな暮らし”度がアップしているのだが、そういうことではないということも薄々気づいている。
しかし、ニンジンをじっくり炒めるのは、さすがに”ていねいな暮らし”でしょう。
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『最後の晩ごはん 後輩とあんかけ焼きそば』(椹野道流・著、角川文庫)に「ニンジンのくたくた炒め」という料理が登場する。
そしてご丁寧に、巻末にレシピが書かれているのだ。
余談だが、工程の説明が登場人物の柔らかい関西弁で、それがすごくいい(語彙力)。隣で優しく教えてくれている感じがするのだ。
本書を見て以来、いつか作ってみたいと思っていた。
しかし、2本を千切りしないといけないこと、最低でも10分炒めるという工程が大きなハードルとなって立ちはだかっていたのである。
それで少なくとも半年は寝かせたままにしていた。その間、にんじんは何度も買っていたのに。
ガス代をかけたくないという節約心は料理全般に対して思っているものの、これに関しては千切りへの苦手意識が最大要因。キャベツみたいにざく切りで逃げられないからねこれは。
とはいえ、スライサー買えば済む話である。
なので百均に行ってきた。が、なかった。ゆで卵カッターみたいなトリッキーなのはあるのに(技術的に無理なのかな)。
でもここで作らないと一生作らないので、気合で千切りした。私、実は頑張り屋さんなんですよ……。
千切り&長時間炒めという高いハードルを越えた先には、掃除とはまた違う”ていねいな暮らし”感があった。
ものがなくなる掃除に対し、ものが新たにできる料理という違いなのかしらん、と思ってみたり。
そんなことはさておき、くたくたニンジンが、うまい。みんなもニンジン炒めまくろうぜ!
なお、下に記すは食べた直後に残されたメモである。
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もっと手軽に作りたいくらい気に入ったので、よく切れる良いスライサーを買いたいところ。
”ていねいな暮らし”だって、なんでもかんでも時間かければいいってもんじゃないからね。
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