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オンリー論理

一人で生きていくことができる私でも、誰かと一緒に生きてみたいのです。

偽ゼクシィ

人づきあいが苦手ということはないが、得意というわけでもない。飲み会は好きだが接待は嫌いだし、誰かと会うことになっても当日の朝にげんなりする。
誰かと会うことよりも、会う約束をするところが完全にピークで、一番ワクワクする。スケジュール帳に嬉々として予定を書き込むわりに、そのスケジュールを実行するとなると途端に億劫になる。そんな奴に多くの友人がいるわけなどない。

ところが世界は厄介で、私に友人がいないからと言って太陽は昇らないことはないし、明日がやってこないこともない。毎朝今日も一人かあ、と自認して、そのまま一人で生きる一日が始まるのだ。

友人がいてもいなくても、粛々と日々は過ぎていく。
友人がいてもいなくても、リプトンのミルクティーは旨いのだ。

久しく誰とも手をつないでいないことを思い出し、自分の右手と左手をつないでみた。なんか笑えてきた。
この笑いは、喜怒哀楽の一体どれなんだろう。
それを教えてくれる友人すら、私にはいない。

別に寂しくないもん。そう呟いてストローで吸い上げたリプトンは、いつもよりなんだか甘く感じた。

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