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『大きく複雑な問題は小分けにする』

「空を飛ぶ」という課題を解決したライト兄弟。ライト兄弟はこの壮大な課題を三つに分けた。

●翼の作成
●動力を生み出して伝えること
●飛行中のバランスと制御

最初の二つについては、1901年の時点で他の発明家も解決していた。飛行機とエンジンと操縦士の重さを支えられる翼の作り方は分かっていたし、飛行に必要な馬力を持ちながら軽いエンジンの設計もできていた。

ライト兄弟が他の発明家と違ったのは、空中に「飛び出す」だけでなく、「留まる」ためにはどうすればいいかに集中したところだ。周りの人々は相変わらず翼やエンジンをいじっていたが、ライト兄弟は離陸したあと不安定になる飛行機には時間も金も浪費しなかった。本当に重要なのは、バランスと制御だったのだ。

理論上では、バランスと制御の問題はごく単純だ。重心を圧力の中心と一致させればすむ。だが、実際にはかなり難しい。風と飛行機の動きによって、圧力の中心が熱に変わるからだ。これに対してライト兄弟は、実にシンプルな解決策を見出した。「練習こそが飛行成功の秘訣である」。だから何時間も練習して、飛行機を飛ばす技術を身に付けた。飛行機そのものを作る技術だけでは足りなかったということだ。

ライト兄弟の勝利から得られる教訓。
●大きな問題を小さな問題に分ける
●未解決の小さな問題に集中する
●解決済みの問題をいじることに時間とエネルギーを浪費しない


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