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『売り込みのプレゼン④』~プレゼンでやってはいけないこと~

●特許を取得していることを前面に出さない
特許は重要ですが、5年間の時間と2万ドルの費用を掛けても一時的なものです。特許を持っているから投資してもらえると考えるのは間違いです。自分の特許を守るために訴訟を起こす時間とお金がありますか?きっとないでしょう。特許を持っていることは付加価値にはなりますが、絶対的な強みではあいません。成功できるかどうかが投資の決め手です。特許の有無は関係ありません。要は中身です。特許を自慢し過ぎるのはよくありません。

●「自分だけ」とは言わない
ある分野でどんなに優れていても、「私にしかできない」とは言わないことです。飛び抜けて素晴らしい技術や頭脳を持っている人は確かにいますが、そう言う人は世界中でも一握りです。あなたがその中の一人である可能性はかなり低いでしょう。もし本当にそうだとしても、統計的に見て、あなたにしかできない訳ではないと思います。ノーベル賞の受賞歴でもあれば説得力があるかもしれません。でも、例えばフランスの研究者より30日早く発見してノーベル賞と取れたとしても、発見が少し早かっただけで、唯一の発見者ではありません。だから「自分だけ」などとは言わないことです。

●「ライバルはいない」と言わない
「ライバルはいない」などと言ってはいけません。これを聞いた人の反応は2つ。まずは「市場がないのだ」と思われます。次に、インターネットも使えないほど世間知らずだと思われるでしょう。検索すれば10社は競合他社があるはずです。優れた事業なら10社、更に優れていれば20社が手を付けているでしょう。ライバルがいないと言う発言は、無知か必要のない事業だと思われるだけです。

●控え目な見積もりはNG
「控え目な見積もり」を出すことはやめましょう。やりがちなことですが、これは最悪のケースです。正直「控え目な見積もり」であっても受注する確率は低いからです。8割ぐらい正確な見積もりをしましょう。でも、こう言ってはいけません。「ドッグフード1缶当たり1ドルの利益で、1日150万ドルの利益×365日」。控え目ではないですが、達成できるはずがありません。

●決断を迫らない
決断を迫るようなことを言うことはやめましょう。「他の投資家や企業が興味を持っている」、「傘下に入りたがっている会社がある」など。早く決めなければチャンスを逃すと言うような脅し文句を言わないこと。嘘の脅しをしていると、投資家が相手の場合は次のような事が起こります。

投資家Aに「早く決断した方がいい、投資家Bとは契約寸前だ」と言ったとします。恐らく投資家Aは、あなたよりも投資家Bと親しいので電話して確認します。「今日会った起業家が君と契約寸前だと言っていたが本当かい?」投資家Bはこう答えるでしょう。「冗談だろ。まだ返事もしていないのに。昨日会ったばかりで、イエスともノーとも言っていない」。これを聞いた投資家Aに対し、あなたの立場は格段に悪くなります。無知で大嘘つきと思われ、売り込みは失敗に終わるでしょう。

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