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20070412 ロコ・ロンドン(2)

 ロコ・ロンドン貴金属取引による詐欺$${^{*1}}$$というのがある。この取引は少ない証拠金で多額の貴金属の取引ができるので貴金属の市場価格の変動の仕方によっては大きく儲けることができるが、損する時も大きい。いつも儲けられれば詐欺と言われることはないだろうが、大損もし易いので取引を勧誘された末に大損した消費者は「あら、どうしましょう」と国民生活センター$${^{*2}}$$などに相談をしに行く。

 取引を勧誘する商社は勧誘した消費者が大儲けしようが、大損しようが取引さえしてもらえば、取引手数料が入るので関係ない。商社としては勧誘した消費者にとにかく取引をさせる。儲かっていれば、「更に儲かる」といい、損していれば「今度は儲かる」と言って取引を継続させるのだろう。

 よく似た取引に先物取引$${^{*3}}$$がある。先物取引とは何ヶ月後かにある値段である物を必ず「買います」または「売ります」と約束して取引をすることである。「ある値段」というのはこの先物取引の市場における現在の値段である。「ある物」とは先物取引市場で扱われる$${^{*4}}$$「物」で、「物」は商品$${^{*5}}$$の場合もあるし実体のない象徴$${^{*6}}$$であったりする。

 同様に証拠金でその十数倍の値段の取引ができる。従って大儲けも大損もある。ただし、この先物取引は法律で不当な勧誘などは禁止$${^{*7}}$$されている。

 ロコ・ロンドンの「ロコ」は「現場渡し」の意味だから、ロコ・ロンドン価格$${^{*8}}$$による貴金属取引は先物取引ではない。現状では規制する法律がない$${^{*9}}$$らしい。野放し状態である。

 それにしても被害者は「ロコ・ロンドン」という言葉を聞いた時に何か怪しいと思わなかったのだろうか。実際「ロコ・ロンドン」は、マイナスイオン$${^{*10}}$$や波動水$${^{*11}}$$のような詐欺専門用語ではなくれっきとした商行為を表す用語である。そうだとしてもまず語感から「なんじゃそりゃ」と思う感覚を身に付けるべきだろう。特に儲け話には。

*1 20070410 ロコ・ロンドン
*2 国民生活センター
*3 商品先物取引-政策-経済産業省
*4 先物:先物取引・商品先物・金 相場
*5 取引の仕組み
*6 日経平均先物 - [マネー用語集]All About
*7 商品先物取引-政策-経済産業省
*8 Facts about the London Bullion Market<
*9 新手の投資話「ロコ・ロンドン金」に注意!(ご注意ください)_国民生活センター
*10 20040825 マイナスイオン
*11 20060724 組織水と洗濯

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