ロンドンのクリスマス【クリスマスマーケット探訪・番外編】
クリスマスがいよいよやってきた。
ここまで本場ドイツのクリスマスマーケットを取り上げてきたが、私が拠点としてきたロンドンでもクリスマスは当然一大イベントとして街を上げての盛り上がりを見せる。
せっかくなのでクリスマス期のロンドンの様子も振り返ってみることにしようではないか。
お前の拠点はロンドンではなくウォーキンガムだろという指摘は受け付けない。大きく分ければ大差はない。
静寂のクリスマス
ロンドンの、あるいは欧州のクリスマスは些か気が早い。
特に百貨店などは夏が終わるともうクリスマスに向けたラインナップが並び始める。
秋から冬にかけて大きなイベントがさほどないからかもしれない。
ハロウィンはさほど重要なイベントとは受け取られておらず(やらないわけではないが)、またイギリスにおいては8月末の祝日を過ぎると、次はクリスマスまで祝日が存在しないので、そこにかける思いもひとしおなのだろう。
では、12月25日のクリスマス当日はさぞかし盛り上がるだろう、と思いきや、実際のところは真逆である。
これはイギリスに限った話ではないが、本来クリスマスはキリストの生誕を祝い、家族でゆっくりと過ごす日なのである。
なので25日はすべてが止まる。
スーパーも閉まる。
電車もバスも全て止まる。
主たる観光施設も全て閉まる。
なので、クリスマスに色めきだつ街の様子を感じたいなら間違っても12月25日に行こうなどと思ってはいけない。
楽しむどころか、食べるにも困るほどに街は静まり返る。
(逆に静まり返った街を楽しむという考え方もあるが)
私もクリスマス当日はご多分に漏れず家で大人しく七面鳥を焼き、
イギリスの伝統的なクリスマスケーキである、クリスマスプディングを食べた。
ウインター・ワンダーランド
日本ではクリスマスを過ぎると一気にお正月モードになる一方で、しばらくはクリスマスのムードが残る。
クリスマスからなし崩し的に年末に突入して、そのままニューイヤーを迎えるので、クリスマスと同じようなどこか浮かれたムードのまま次の年へと続いていくのだ。
ロンドンでもクリスマスマーケット相当のイベントは行われるが、その中でも特に規模の大きいものがウインター・ワンダーランドである。
ロンドンの中心部にして142haの広さを誇るハイドパークでは、クリスマス期から新年にかけてクリスマスマーケットと移動遊園地が現れる。
移動式とはとても思えないような巨大観覧車や絶叫アトラクションが並び、ロンドン冬の風物詩の一つである。
もちろんクリスマスマーケットらしい屋台や、サンタと会える家などもあり、
はたまたルミナリエのようなライトアップもあり、楽しい要素全部入りの様相だ。
夜になると本格的にライトアップもされて、ロンドンにおいてクリスマスらしい雰囲気を楽しみたいならば外せない選択肢になるだろう。
キュー・ガーデン
街中では、11月頃から本格的にクリスマスの装いを見せ始める。
ロンドンのメインストリートであるオックスフォードストリートなどもライトアップされ、街はいよいよ活気づく。
ロンドンにおいて、クリスマスのライトアップといえば外せないのはキュー・ガーデンだ。
キュー・ガーデン(Royal Botanic Gardens Kew)は、ロンドン南西部にある植物園である。その歴史は1759年に遡り、イギリス植民地政策の広がりとともに、世界中の植物類が集められ、今では27000種以上の植物、830万点の植物・菌類の標本を有するなど世界で最も有名な植物園となっている。
また、2003年にはキュー王立植物園として世界遺産にも登録されている。
そんな世界屈指の植物園でもクリスマスにはライトアップが行われているのだ。
すっかり日も沈み、植物を眺めるには明るさが足りない時間となった頃、キューガーデンを訪れる。
園内ではクリスマスらしいライトアップが行われている。
広大な植物園はどこもかしこもライトアップが行われ、昼とは違った楽しませ方で来場者を出迎えている。
ゲートをくぐってさらに奥へ。
特に圧巻なのが、温室のライトアップだ。
パームハウスとよばれる温室はキューガーデン見学のハイライトの1つとなる場所である。
そんなパームハウスの夜間ライトアップが行われている。
手前の池とともに色とりどりにライトアップされる姿は圧巻だ。
植物の見頃としては、やはり春から夏にかけてとなりベストシーズンではない時期の植物園ではあるが、決して安くない入場料を払ってでも体験する価値はある。
いよいよ今週末クリスマス本番を迎え、ヨーロッパの各地も楽しげなイブと静かな当日を迎えることだろう。
私は今年も海外来訪叶わず国内で1年を過ごしたが、せめて思いだけでも各地のクリスマスへと飛ばしながら、キーボードに乗せた手を止めることにする。
最後までご覧いただきありがとうございました。
この記事が参加している募集
いただいたサポートは、新たな旅行記のネタづくりに活用させていただきます。