リーダーシップの新基準~物事の背景を読み取る力~
「次世代リーダーを選ぶ上でどういう資質に注目すべきか迷っています」
ここ数年、結構な頻度でいただく質問の一つです。
結果に拘れる力、対話力、素直さなどなど色々ありますが、
最近特に重要だと感じる力があります。
それは…
物事の背景を考え続ける力(多面的に見続ける力)
です。
この力こそが「共感力」、「素直さ」、「柔軟さ」、
「手段に拘らず目的に拘れる力」、「人を登用する力」など
様々な能力の源泉だと感じるからです。
(ちなみに、物事の背景を考え「続ける」というのが重要で、
考えて「すべてわかった」と思い込むのは逆に有害だと思っています。)
例えば…
被災地の支援に関してDMAT等で
現地入りする医療従事者の方々のご活躍を目にします。
年末年始の一息つきたい時に、
休日返上で現地に赴いてくださる方には本当に頭が下がりますよね。
こうした方々にスポットライトがあたり
感謝の思いを伝えるのは当たり前なのですが、
それと同じくらいの熱量でその裏側にいらっしゃる方々の
頑張りにも目を向けられる人が
優れたリーダーになれる方だと思います。
DMATなどは普段は普通に病院に勤務されている
医療従事者の方々が緊急で派遣されるわけですから、
その方々が診る(看る)予定だった患者さんたちは
別の方々が診る(看る)ことになるわけです。
場合によっては普段の倍仕事をする必要があることもあるわけで、
スポットライトがあたりにくいところではありますが、
こうした方々も間違いなく称賛に値する活躍をなさっています。
こうした方々以外にもきっと私たちの想像が及ばないところで
こうしたヒーローたちの活躍があるのだと思います。
何事も、それが何で成り立っているのかを考える。
自分が成果を出したときも「全部自分の力だ」と過信せず、
自分が何を与えられてきたか、どういう支えがあったからかを考える。
誰かが成果を出したときも「あいつは楽に良い思いをしている」や
「才能があるから」と考えず、
どのような努力・工夫をしてきたかを考える。
そして、思い込みで終わるのではなく、
自分の知りえない何かが有ると考えて
想像し続けたり、検証のためのデータを探したり…
特別なことではなく、こうしたひと手間の積み重ねが
物事の背景を考え続ける力(多面的に見続ける力)
を養っていくのだと思います。
次世代リーダーの選定に迷っていたり、
そうした方々への研修を企画されている方の参考になれば幸いです。
人事コンサルタント
金森秀晃
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