代島ヤス

【定期更新/フォローお願いします♪】17歳でうつ病、ひきこもりを経験。高校を中退したの…

代島ヤス

【定期更新/フォローお願いします♪】17歳でうつ病、ひきこもりを経験。高校を中退したのち、高卒認定試験で大学に進学。卒業後、ある業界に飛び込むも挫折し、書籍編集員として就職。その後フリーライターに。バツイチ。ADHD(CAARS検査済) / HSP

最近の記事

孤独を知ってるから、しがらみを楽しめる

2〜3年前、僕たちには、とてつもなく孤独な時期があった。 人と話したくても話せない。 会いたくても会えない。 外の空気を吸って、友人とリフレッシュしたくてもできない。 そんなストレスがあった日々を、もう忘れつつある。 「この資料のまとめ、急遽明日のミーティングで使うことになったんだ。部署で協力して、今日中に終わらせてもらえるかな」 上司からそう言われ、分厚い資料を手渡されたのは午後4 時。  退勤の6時までに残された時間はごくわずか。 おまけに今日は水曜日。 当社のノ

    • ショートショート【虚像へ向けた真実の愛】〜わたしが愛した彼はニセモノ?〜

      全部どうでもよくなっていた。 小学校、中学校とまじめに勉強し、高校はそれなりの進学校に入り、ここまでは順調だった。 くずれたのは高校2年の夏。 交通事故に遭った。 それから3カ月の入院生活。 友達が毎日ノートを届けてくれたし、オンラインで学習する方法もあった。 でもなんか、どうでもよくなってしまったんだ。 周りの期待に応えるために努力を続けてきた17年間。 学校に行かないと、普段考えない色々なことを考える。 楽しかったことってなんだっけ。 これがやりたいことなんだっけ。

      • 【諸悪の根源は見えないアイツ】〜パクりパクられ抗争〜

        雨の日に、ある娯楽施設を訪れた。 短時間しか滞在しない予定だったので、傘はキーロックを使わずに、傘立ての端に置いた。 帰るとき、自分の傘を探すが、なくなっていることに気付く。 「くそ、やられたかあ」 盗まれたことに苛立ちながら、僕が傘を置いていた一角の隣に雑多に置いてあったビニール傘を掴み、その場を出た。 僕の傘はわりと新品だったのに、今手にしている他人の傘がボロいことにも苛々した。 家に帰ってビニール傘をしまうときにふと思った。 このビニール傘の持ち主も、自分の傘が盗ま

        • 【忘れるコトは人生の救い】〜彼女の写真〜

          すべて消したはずだったのに。 20代前半の頃まで付き合っていた彼女の写真を見てしまった。もう10年も前の写真。 共依存で共倒れになり、記憶から失くすために、別れてすぐに、スマホの画像フォルダから彼女の写真をすべて削除したのは覚えている。 10年後の現在まで、まさか、LINEのKEEP機能に消し忘れが残っていたなんて。 写真の中の彼女は、僕の隣で幸せそうに微笑んでいて、日常的に僕にしていた暴力や、自傷行為の片鱗も感じさせなかった。 何より恐ろしいのは、その写真が昨日撮っ

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          ショートショート「中途半端な好きよりも、大嫌いのが愛ってもんだぜ」

          美里と出会ったのは4年前だった。きっかけはマッチングアプリだ。 僕は芸人を目指しているがまったく売れず、かといって漫才に振り切ることもできず女の子にはモテたくて、彼女のいない日々に飽き飽きしていた。 「ケンシさんってすごいおもしろいですね」 初めて会ったとき、美里が笑顔でそう言ってくれたことを今でも覚えている。確かに、プロフィール欄にも「おもしろい人が好き」って書いてあったっけ。 特別僕がエピソードトークで爆笑をとったわけでもなく、彼女の話に合わせながら会話していただけな

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          失くした手足、求め彷徨う胴体 -正しい復讐 1-

          神奈川県の外れに位置するY市。高橋がここを訪れるのは初めてではない。皮膚を焼くような日差しのせいで、心地の悪い汗が噴き出している。普段着慣れないスーツを身にまとい、不快感はより一層高まっていた。 目的地である団地までは駅から15分ほどだ。手カバンの中に必要な物が入っているかをしきりに確認しながら歩を進める。これから先、なにが起きるか高橋にも予想がついていなかった。ただひとつ決まっていることは、今から十数年越しの復讐を決行するということだけだ。 高度経済成長期に、効率のみを

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