マガジン

  • J LAB ch0 #ワークショップ

    • 135本

    コミュニティメンバーによるワークショップ関連の記事を投稿する場所。

最近の記事

『#真相をお話しします』追加note記事

所感この本はミステリー・サスペンスの短編集である。一つの作品当たり二十数ページで読むことができる。そのため、人物や情景描写は極端に薄くストーリーの骨格だけを感じるものとなっているがそれはそれでありだなと感じた。短いページ数で起承転結を上手く簡潔させるのはそれなりの技術が必要であると思われるが、これは良く出来ている部類だと思う。 ちなみに、短編集として心に残っているものには星新一のショートショートなんかがある。これは非常に面白かった。短いながらもこんなに素敵なストーリーを組み上

    • 『脳を鍛えるには運動しかない!最新科学でわかった脳細胞の増やし方 』【追加note記事】

      本書は同じチームの蜆一郎さんに紹介して頂いた。そちらの記事も参照して頂きたい。 本書は体系だった理論のうえで論文の如く緻密に運動の効果を説くわけではないが、「運動」がどれだけ素晴らしいかはなんとなく知らしめてくれる。その点ではタメになるというか面白いものであった。ここでは実際に、筋トレを始めてみた私が運動の効果について少し語ってみたいと思う。 1 筋トレの効果僕の身の回りの人達がラグビーやら柔道やらで身体が大きく、「身体を鍛えたら自分はどんな姿になるのか」という好奇心が強

      • 苦しかったときの話をしようか ビジネスマンの父が我が子のために書きためた「働くことの本質」(森岡毅)

        Ⅰ 本書の内容この本の主題をまとめるなら、「好きなことで自分の強みを研け。そうすれば楽しさも評価も報酬も全部後から付いてくる。」である。前半3章分は自分の強みを探すこととそれを研くことを啓蒙している。話の主題としてはここで終わっているが、後半3章分ではもう少し具体的な就職での突破口・苦労話やそこからの立ち直り方について書いている。具体的な章立ては以下のようなものである。参考程度に。 第1章 やりたいことがわからなくて悩む君へ 第2章 学校では教えてくれない世界の秘密 第3

        • ジェイラボワークショップ第67回『リベラルアーツ輪読WS版』【哲学部】[20231030-1112]#JLWS

          今回のWSは『大人になるためのリベラルアーツ: 思考演習12題』というあるテーマに対する東大生の議論についてまとめられた本を模しています。 ★印は司会の投稿です。 Day1■コバ 本日から哲学部WSスタートです。皆さん2週間よろしくお願い致します。 ★YY12 【はじめの挨拶】 こんにちは。前半1週間をYYが担当いたします。 哲学部では「大人になるめのリベラルアーツ」を輪読しています。(所長が「読書のおと」で紹介してたやつです。) 本書は、あるテーマのもと学生がディベ

        『#真相をお話しします』追加note記事

        • 『脳を鍛えるには運動しかない!最新科学でわかった脳細胞の増やし方 』【追加note記事】

        • 苦しかったときの話をしようか ビジネスマンの父が我が子のために書きためた「働くことの本質」(森岡毅)

        • ジェイラボワークショップ第67回『リベラルアーツ輪読WS版』【哲学部】[20231030-1112]#JLWS

        マガジン

        • J LAB ch0 #ワークショップ
          135本

        記事

          人はなぜ「美しい」がわかるのか【サブ記事】

          *本記事はイスツクエ氏が選んだ本・記事をもとに記されています。* 橋本治『人はなぜ「美しい」がわかるのか』|イスツクエ (note.com) 美しいとは、人々が個別的に「美しい」と感じるその共通項であると思っている。 「美しいとは何か」系の話は、色々考えていけるがあんまり抽象的な話に持ってこようとすると、寧ろ本質を掴み損ねる気がする。 そんなものは人によって当然バラつきがあるからだ。 本書にあるように「合理的」なものに「美しい」と感じる場合もあるだろうし、逆に非合理的なも

          人はなぜ「美しい」がわかるのか【サブ記事】

          【ビットコイン】『CBDC 中央銀行デジタル通貨の衝撃』【追加記事】

          本書は同じジェイラボに所属ゆーろっぷさんに紹介して頂いた本です。ゆーろっぷさんの記事は下に張っておきます。普段触れない分野の本を紹介して頂き感謝致します。 【読書】野口悠紀雄『CBDC 中央銀行デジタル通貨の衝撃』【基礎教養部】|ゆーろっぷ (note.com) チームであるイスツクエさんも同じ著書で記事を書いていますので読んでみて下さい。 1.デジタル通貨/ブロックチェーン・ ビットコインの理念 ビットコインの基本理念とは、「プライバシーが保護された分散型の通貨」であ

          【ビットコイン】『CBDC 中央銀行デジタル通貨の衝撃』【追加記事】

          ジェイラボワークショップ第62回『働くということについて』【哲学部】[20230821-0903]#JLWS

          今回のWSは「なぜ働くのか」について悩むコバ青年(社会人コバさんが大学3年生の頃の自分に扮する)がジェイラバーとの対話を通じて、その悩みを解消していくストーリーです。 各ジェイラバーの持論とそれに対するコバ青年の反論を重点的に見て貰えれば面白いと思います。(なお、対話形式がはっきりするようにコバ青年のコメントには★印を付けています) Day1■コバ おはようございます。今日から哲学部WSです。文章は夜から投稿していきます。よろしくお願いします! ■コバ それでは哲学部

          ジェイラボワークショップ第62回『働くということについて』【哲学部】[20230821-0903]#JLWS

          【『能力』の生きづらさをほぐす】就活と「能力」【勅使川原真衣】

          Ⅰ この本を選んだ理由この本を選んだ理由は、最近「能力主義」について考えているからだ。 どうやらこの社会では「能力主義」というものが一つの大きな問題になっており、それを解消・緩和することがより良い未来の実現に繋がるということであるらしい。「らしい」としたのは、その問題を自分で的確に捉えている自信がなく、その向かうべき先もきちんと見えているわけではないためだ。 ただ、最近になって若干その輪郭が見えてきたようにも思う。そのきっかけとなったのは「就活」である。 Ⅱ 就活と「能力」

          【『能力』の生きづらさをほぐす】就活と「能力」【勅使川原真衣】

          【現在と古典】『だから古典は面白い』(野口悠紀雄)

          1.簡単な所感 本書はいわゆる読書論とエッセイのハーフ的なものである。読書論における考察では、タイトルからも分かる通り、「古典」を進めている。著者曰く、古典は自然淘汰を乗り越えている点で必然的に価値が高いということらしい。それは直感的にもそう思う。ただ、著者の言う「価値」とは何なのか。そこを簡単にでももう少し触れたかった。そして、(著者は軽々とやっているが、)古典から「価値」を得るのはそう簡単なことではないので、その前段階についても軽く触れてくれたら親切だったように思う。

          【現在と古典】『だから古典は面白い』(野口悠紀雄)

          【推薦図書を読んで】『AIの時代と法』 (小塚荘一郎)

          まえがきchiffon cakeさんが薦めて下さった『AIの時代と法』という本を読みました。 (note記事は下からチェックできます) 『AIの時代と法』(小塚荘一郎)|chiffon cake (note.com) 1.雑多な所感 まず、AIの問題とはなんだろうか。 私の中でAIとは簡単に言えば「人の知的活動を極限までシミュレートしたシステム」のことである。その生産過程では、大量のデータを使い、機械学習といった手法を用いながら、与えられた入力に適切な出力が出るように調整

          【推薦図書を読んで】『AIの時代と法』 (小塚荘一郎)

          ジェイラボワークショップ第57回『能力主義について考える』【哲学部】[20230529-0611]#JLWS

          「能力主義」を題材としてWSを行いました。このnote記事はそのログです。 今回の司会はコバ部長、イヤープラグさざなみさん、YY12、Tsuboさん、Daikiさんの5人です。 物語の部分に★印をつけておきましたので物語だけ読みたい方は参考にして下さい。 Day1■コバ 皆さんおはようございます。 今日から2週間は哲学部WSです。文章は今晩から投稿していきます。 よろしくお願い致します! ■コバ 哲学部は今年の3月からマイケル・サンデル「実力も運のうち 能力主義は正

          ジェイラボワークショップ第57回『能力主義について考える』【哲学部】[20230529-0611]#JLWS

          『「サル化」する人間社会』(山極寿一)【言葉と家族とゴリラ】

          以下のサイトで書評を公開しています。 https://www.j-lectures.org/ideas/sarukasuruningensyakai/ 言葉とコミュニケーション 書評において、言葉は音楽的コミュニケーションが発展したかたちであると紹介した。発展についてより詳しくいえば、食料確保のために行動範囲が広がった、あるいは付き合う範囲が広くなったがために情報伝達の効率化として誕生したのではないかとしている。ここで特に「付き合う範囲」について注目したい。ゴリラの集団は

          『「サル化」する人間社会』(山極寿一)【言葉と家族とゴリラ】

          ジェイラボワークショップ第52回『今年度の部活動への意気込み』【哲学部】[20230424-0430] #JLWS

          今回の哲学部WSは年度の始めということもあり、各部員が哲学部に対する意気込みを語っています。 以下ログです。 Day 1■コバ 皆さんおはようございます。 本日から今年度の初回哲学部WSスタートです。 文章は今晩から投稿していきます。 よろしくどーぞ! 哲学部の主な活動は、昨年度から継続して行なっているマイケル・サンデル「実力も運のうち 能力主義は正義か?」の輪読と約1ヶ月に2回のペースで行っているビデオミーティングです。 個人的な話になりますが私は最近クラシック音

          ジェイラボワークショップ第52回『今年度の部活動への意気込み』【哲学部】[20230424-0430] #JLWS

          『はじめてのスピノザ 自由へのエチカ』(國分 功一郎)

          書評では「人類の歴史をもう一度最初からやり直したとき、今と同じような世界に収束するだろうか。」という一文で書き始めた。 「人間の能力や機能は変わらないのだから、微々たる違いはあっても着地点としてはほとんど同じだろう」というのは尤もらしい答えのように思われる。少なくとも私はそう思う。 しかし、本書を通じて、その「微々たる違い」が実はかなり大きな変化を生み出すという逆説を感じた。歴史を振り返って現在の問題に対するヒントを得ようとするのは、そんな「微々たる違い」の分岐点に立ち返

          『はじめてのスピノザ 自由へのエチカ』(國分 功一郎)

          『22世紀の民主主義』(成田悠輔)

          (「民主主義」という言葉が使われる時、大抵は「どこどこの」という条件が暗についている。つまり、「民主主義」一般を考えるということはなかなかできない。本書やこの記事においても、「民主主義」とはいうもののやはり自国(日本)独特の慣習や制度について意識している部分がある。その点は留意して欲しい。) 「若者よ、選挙に行け」というのは耳にタコができるほど聞いてきた。 僕も選挙があるときは生真面目に行っている。 だが、「高齢者や既得権益の圧倒的な壁の前では何も意味がない」という気持ちは

          『22世紀の民主主義』(成田悠輔)

          『苦役列車』(西村賢太)

          作者の西村賢太氏はこの作品で第144回芥川龍之介賞を受賞しており、その際の一言が「そろそろ風俗に行こうと思ってた.」ということで知られている。書評でも紹介したが彼は幸福とは言い難い人生を送っており、この作品もほとんどが実際の経験をもとに書かれている。 彼はその境遇から常に「重たい劣等感」を抱えることになるのだが、それと同時に鳴りやまない「ナルシズム」も持っているので話が大変人間味を感じるものになっている。例えば、口調や内容とは対照的に「僕」という一人称を使っていたり、表現や

          『苦役列車』(西村賢太)