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ジェイラボワークショップ第62回『働くということについて』【哲学部】[20230821-0903]#JLWS

今回のWSは「なぜ働くのか」について悩むコバ青年(社会人コバさんが大学3年生の頃の自分に扮する)がジェイラバーとの対話を通じて、その悩みを解消していくストーリーです。
各ジェイラバーの持論とそれに対するコバ青年の反論を重点的に見て貰えれば面白いと思います。(なお、対話形式がはっきりするようにコバ青年のコメントには★印を付けています)


Day1

■コバ

おはようございます。今日から哲学部WSです。文章は夜から投稿していきます。よろしくお願いします!

■コバ

それでは哲学部WS始めていきたいと思います。
まずは皆さんに下記のnote記事を読んでいただきたいと思います。
https://note.com/nishimureal/n/n06b5f6ebd8ef
これはジェイラボの第1回WSのログです。今回はその回のWSで取り組んでいた形式に近い形で進行していきたいと思います。
テーマは「働く」ということについてです。働くということについて悩んでいるコバ青年(大学3年生)として私が文章を投下していきますので皆さんはそれに対して返信、ツッコミ、共感、どのような形でも構いませんので問答していただければと思います。
今回このような形式を採用したのはこれからのWSの可能性を模索したいという思いと、当時の所長のようなロールプレイの進行が私にできるのかという私自身の挑戦の意味もあります。
ロールプレイの文章は明日から投稿していきます

■にしむらもとい

些末な突込みですが、これは第04回のものですね。当時はWS前に僕が問題提起するというスタイルでした。この回の事前問題提起記事はこちらです。参考まで。
https://note.com/nishimureal/n/nb89680397fac

■コバ

訂正ありがとうございます。第4回でしたか!失礼致しました。人間の記憶とは頼りにならないものですね。

★コバ青年

なんで皆働くんだろうか。1週間のうち大半の人は5日の朝から晩まで働いて、いやもっと長い時間働いている人もいるみたい。もちろん仕事が楽しいならそれだけの長い時間費やすのも分かるけど、そんな人は周りを見てもほとんどいなさそうだ。もちろん仕事に熱意を持って働いている人も中にはいるんだろうけど今自分がやっている就活の中ではそんな未来は想像できないし、皆同じような格好して同じように自己分析してES書いて面接練習して、もうすでにこれが全然楽しくないしこんなことの先にやりがいのある仕事に出会えるイメージなんて浮かんでこない。親に相談したら「仕事なんて辛くて当たり前。働いてお給料貰うもの」って返ってきた。お金稼ぐだけなら別に働く以外の方法なんて他にもたくさんあると思う。なんで皆働くんだろう。

■Hiroto

「お金稼ぐだけの働く以外の方法」、元手なしと考えたときにどんなものがありますかね、、。 色々考えてみても「結局働く方が楽やんけ!」となっていつもうんざりするのですが

■イヤープラグさざなみ

生きていくのにお金は必要です。そして、働かずにお金を稼ぐ方法を、多くの人はおそらく知りません。私も知らないです。Hirotoさんが言っているように、たとえそれを知っていたとしても、フツーに働く方がラクだと気づいて、みんな働くことを選んでいるのだと思います。ところで、コバくんが現在持っている「みんながなぜ働くのか」に対する答え、そしてそれの何に満足していないのかを教えてほしいです。

■Takuma Kogawa

これって働くということについて悩んでいるのか、私にはわかりませんでした。本人が熱意や楽しさを感じるような働きを否定的に評価しているようには読めません。つまらないしお金も稼げないようなことをするのはなぜなのか、という疑問なのでしょうか。

Day3

★コバ青年

「お金稼ぐだけなら」という部分が言い間違いだった、ごめん。正確には「生活するだけなら」だ。単純に僕は今、親から金銭的支援を受けて大学に通ってるので卒業後に実家に帰ってパラサイトシングルするとかのそういった方法ね。

★コバ青年

「みんながなぜ働くのか」それがよく分からない。あと皆が「なぜ働くのか」ということについて答えも出てないのに働いてるのも理解できない。それさえ分かれば前に進めるような気がするんだけど、それが分からなくて困ってる。

★コバ青年

僕が今躓いているのは「なぜ働くのか」が分からないということ。人はなぜ働くんだろう。そこが分からない。

★コバ青年

そもそもこんな疑問を持つ僕が変わってるのかな。これから社会に出ていく上でこれから何十年も取り組むことになるかもしれない営みに対して「なぜ」を抱く僕はおかしいんだろうか。皆「そういうもんだよ」って自分を納得させて毎日生きてるんだろうか。考えれば考えるほど周りの人と乖離していってるような感じがする。

Day4

■チクシュルーブ隕石

仕事をしてお金を稼ぐという目的はもちろん1番大きいと思いますが、働くことで、社会的に認められた何かしらのコミュニティに属すという目的もあるように感じます。 働かないことによって社会的に生きることはグッと難しくなると思いますし、「なんだか居心地わるい」みたいな感じがすると思います。

■Naokimen

コバ青年の気持ちはわかるし、働くのは「なぜ」と思うのは全然おかしくないと思う。むしろそれに疑問を1度も抱かずに働いている人の方がおかしい。ほとんどの人は「なぜ働くのか」に対する明確な答えを得ないままそういうもんだと自分を洗脳しつつ就活をして働いているのだと思う。そして次第に「なぜ」を感じる気持ちすらなくなっていく。そんなもんだと自分を洗脳しつつ皆が同じ方向を向いて皆同じように、誰もやりたくなし楽しくもない就活をする...その気持ち悪さを僕が就活をちょっとした時に感じてしまった。

★コバ青年

なるほど、確かに「社会的に認められた何かしらのコミュニティに属す」というのは大事な事のように僕も思う。でもそれならボランティアでもいいし、どこかの宗教に属するとかでもいいと思う。 働かないことで社会的に生きることは難しくなるような気もするけど、なぜ働くのかが分からないまま働く方が自分的には生きづらくて居心地悪い感じがするんだ。

★コバ青年

Naoki君も就活をちょっとだけしていたんだね。そうなんだよ、誰も「どこで働くか」ばかりで「なぜ働くのか」を疑問に持っていそうな人は僕の周りには一人もいなさそうだった。少なくとも表にはそういう態度は出てなかった。むしろそんな事考えてると諸々の場面で不利益を被りそうになるくらいの空気が漂ってる空間で、そこから社会に出たら「働くなんてそんなもんだろう」って自分に言い聞かせる未来しか想像できなかった。

■YY12

そもそも人は人生という有限な時間の中で特にやることなんて決まってません。 そして、多くの人間にとって基本となるのは「自分が幸福になれるような欲求を満たしたい」ことだと思っています。快楽主義みたいな哲学的な話ではなく、自分自身や周囲の人を見て素朴にそう感じています。 そうなると、無限に選択肢が広がっているように思える人生の選択肢も狭まってきて結果ほとんどの人は「働く」ことを選択する。「働く」ということは確かにしんどいというマイナスの面があるが、凡人がお金(これは上の根源的欲求を満たすうえで重要アイテム)を稼ぐうえでは最も期待値が大きく、コミュニティに属する安心感や幸福など色々なメリットも享受できます。 よって、なぜ働くのかという問いに戻ると、多くの人にとって「働く」ということは「人の根源的な欲求を満たすうえで最も合理的な選択肢」であるから。これが現状の私なりの答えです。
*「働く」とは「組織に属して何かしらの価値を生み出すこと」と暗に定義しています。

Day5

■コバ

連絡:哲学部座談会は9/1(金)22:00から行います。皆さん是非ご参加ください。

★コバ青年

YY君「働く」ということに関しての定義付けありがとう。YY君が書いてくれたように、僕も素朴に人は幸福を求めてるもんだと思う。でも「幸福」ってそもそも何なんだろう。そこについてちゃんと考えてる人もあんまりいないような気がする。それと人間の根源的な欲求=幸福を求めることっていうのはちょっと論理の飛躍があるように感じる。仮にそれを受け入れたとしても「合理的」って人間は突き詰められるんだろうか。そもそも僕は親に「産んでください」と頼んで生まれてきたわけではないし(こんな事言ったら親に怒られそうだけど)、自分の生命をこうして維持してること自体が合理的かと言われたらそうでもないように感じてる。だからそもそも生きるって事のスタート地点が合理的じゃないから、まずそこについて考えてみないといけない気もする。

■Shizimi Ichiro

社会を良くするために働くとすれば、自分が働かない方が社会のためになると考える人はどうでしょうか。働くことはプラスばかり生むのでしょうか。自分より優秀な人が働く方がいいと考えるのは間違いでしょうか。職場であいつが使えないあいつが無能だみたいな愚痴はよくありますが、そういう人が職場にいるのと社会に出ないのとではどちらがいいのでしょうか。 みたいなことをよく考えます。実際には働きながら成長するしかないのですがね。

Day6

■Shizimi Ichiro

社会的・常識的な正論について触れても仕方がないので、僕個人の思うことについて書いてみます。僕自身はぶっちゃけ働きたいと思ったことはありませんし、社会などにずっとネガティブな印象を持っています。でもよく考えると、今までポジティブな気持ちで向かったことってほとんど印象に残っていません。僕が本を読もうと思うのは「身の回りに教えてくれる人がいない」とか「社会的・常識的な正論に納得がいかない」とかいうネガティブな動機がほとんどです。面白そうだなと思って手を出した本を最後まで読み通せた試しがありません。勉強するのも理解したいからでありアホなのが嫌だからです。納得いくまで執着を持てることが好きなことであり向いていることであるのだと思います。負のものに向き合うというのは確かにしんどいですが、だからこそエネルギーが湧く側面もあると思います。アンチとか誹謗中傷も似たものかもしれません。 長々と書きましたが「納得いかないものを是正したい」という欲求から働くという手段を採る、という考え方があると思います。やりたいかどうかという基準で選んでもやりたくない仕事が絶対発生するのだから、エネルギーが湧き続けそうなことを仕事にしよう、ということです。 それと、今は幸運にも家族に支えてもらえていますが、その家族もいつか別れることになるということを最近よく意識するようになりました。無条件で自分の存在を肯定してくれる存在がいるうちに、自分で居場所や拠り所を作ろうという気持ちも湧いています。この点では隕石君やYY君の意見と近いですかね。

■Shizimi Ichiro

納得いかないものは放っておけ、という考え方が今の主流であり、メンタル的にもそれが正解なのだと思いますが、そうすると僕は一気に放っておきたいことだらけになってしまいます。野球・漫才・鉄道・古典・本などなどの僕が好きなものはあまり社会的に人気がないので、その方針では社会との関係性が必然的に薄くなってしまいます(T ^ T)

■Tsubo

なぜ働きたいかと言われれば,「ある社会的集団に属したい」,「民間の方が触れられる人間に多様さがありそう」,また「せっかく身につけた専門性を活かしたい」などがあります.
まあ,おそらく民間に行ってもやる業務としては特に苦痛だと感じてはいない,今やってることとほぼ変わらない(文献読んで,コード書いて,結果を検証して,誰かと議論して...)と思われるので,その前提に立つと「なぜ働くのか」という問いがあまり意味をなさなくなるかもしれません.

■Yujin

僕個人としてはやっぱり帰属意識を求めて働く(ことになる)のかなと思います。もちろん宗教団体とかボランティアなどでも良いじゃんという意見もありますが、自分の意思がなくとも(信仰とか奉仕とかの意識がなくても)とりあえず歯車になっておけば社会全体を動かしている一員になれてるという動機があると思います。「僕は社会に属しているんだ!」と楽に思えるために企業に就職することになりそうです。

Day7

投稿なし

Day8

★コバ青年

どこまで視野を広げるかによって話は変わってくると思う。社会のためっていう言葉があるけど、社会が良くなることは人類のためになるかもしれないけど人類の繁栄は地球のためには良くないことかもしれない。それはかなりマクロな視点での話だけど逆も然りで社会が良くなることが、ある一個人にとっては逆に不利益になるかもしれない。 それに会社で使えない、無能だって言われる人も言い方は悪いと思うけどそのコミュニティの中ではヘイトの捌け口になって逆にそのコミュニティや社会を円滑に回してるのかもしれない。そういうこと考えていくと働くことについてどんどん分からなくなってくる。

★コバ青年

蜆君の個人的なエネルギーの根源の話、参考になりそう。 でも「納得いかないものを是正したい」という欲求で仕事に取り組んで、もしそれが是正できてしまったら蜆君のエネルギー源は無くなっちゃうんじゃないかな?構造的には将来的に詰んじゃうような気がする。

★コバ青年

Tsubo君の挙げてくれた内容もどれも突き詰めて考えると「なぜ働くのか」についての答えにはならないんだよね。でも確かに目の前の仕事にがむしゃらに取り組んでいる人は多分「働く」ということについてなんてごちゃごちゃ考えないとも思う。働き始めたらこんな疑問も消えて無くなってくれるのかなぁ

★コバ青年

テレビをつければ毎日のようにやってる企業の不祥事、過労死、パワハラのニュースを見ると、僕は企業で働くことが「社会に属していると楽に思える行い」にはとても思えないや。

■Shizimi Ichiro

たぶん、自分が納得いっていないことが是正される未来というのは来ないでしょうし、ある意味では来てはいけないのだと思います。自分が属する集団を自分にとって納得がいく場所にすることはできるのかもしれませんが、気を抜くとすぐに惰性に飲み込まれて裸の王様状態になりかねません。一歩外に出てみれば自分とは違う考えの集団があるわけですが、そこも自分の領土にしてしまうと自分以外の「納得いかない人」を多く生んでしまい、今までの「無理強いする社会&それに納得いかない個人」の構造を立場を入れかえて再生産するだけです。  世の中を変えようとするのではなく、たとえ自分が少数派であったとしても堂々と意見を持てること、立場や居場所が侵されず認められることが大事だと思いますし、それがメンタルヘルス的にも重要です。飲み込まれることも飲み込むこともないようにするためには、自分の考えをしっかり持ちつつそれを強制しないバランスが必要なのだと思います。  もしある業界にいて飽きや惰性を感じたとき、今までは「仕事は飽きてからが勝負」だったのだと思いますが、今は転職が珍しくなくなってきていますので、居場所を変えることもできます。未来の自分が何か別のことに納得いかなくなっていたらそっちに移るのかもしれませんね笑

■西住

働かないという状態を長期間経験した人は少ないでしょうが、実体験を語ると、最終的には飽きるんですよね。それが1ヶ月なのか5年なのかは人によるんでしょうが。で、飽きたらとりあえず何かすると。その何かで一番手っ取り早いのが仕事。ボランティアとかサークルだとか、田舎にはそんなものはないし、周りも仕事してりゃうるさくないので、まあ仕事が手っ取り早いですよねという。働くのは働かないことに飽きるから、というのが私の答えです。今は逆に休みもいらないという感じで振り切れていますが。

■イヤープラグさざなみ

自分がしているすべての行動に動機が先立っているわけではないと思います。だから、「なぜ働くのか」という問いに対して答えが出ていない状態で働いている人がいても、私は全然おかしいとは思いません。

Day9

■Tsubo

やってて苦痛では無いこと、毎日続けられることが「会社に所属して出来る」のであれば、「働く」という言葉に付着している「苦役」に近い意味は剥がれるのでは無いでしょうか
あと、普段立ち飲みとか銭湯に行く中で、長年店に立ち続けてる大将や親父さん、おかみさんや番代さんが「かっこいい」と思うので、ああいう風に仕事出来たらと漠然とした憧れはあります。
40年とか50年とかず~~~~っと店に立ち続けるってほんとすごい

■コバ

連絡:哲学部座談会、imadon君が聴きに来てくれる(ミュートで)とのことです

★コバ青年

なるほど。蜆君の言う「それに向かう姿勢」そのものが大事というのは僕の中でも腑に落ちた。確かに外部環境もその中の自分もその時々で変わるし、その中で自分の信じた道を生きる姿勢、そのものに意味があるというのはヒントになりそう。ありがとう。

★コバ青年

僕は実社会でまだ働いたことがないから「働かない」という状態しかこの人生で経験していないけど、特に飽きは感じないかな。もしかしたら大学を卒業してから就職せずにパラサイトシングルしてたらそれは飽きるかもしれないけど、働くことにもそのうち飽きそう。

★コバ青年

ごめん、『自分がしているすべての行動に動機が先立っているわけではない』から『「なぜ働くのか」という問いに対して答えが出ていない状態で働いている人がいることが全然おかしくない』への論理展開が分からないや。 「動機」と「なぜ」をごっちゃにしてないかな。

★コバ青年

僕は「なぜ働くのか」の答えが苦役ならそれはそれで構わないと思う。いずれにしてもこれに対しての答えが出せないと今の僕は働いている人に対しての「すごい」という感情は持てないや。でもTsubo君の働いている人に対して「すごい」とか「かっこいい」と思いたい気持ちもある。でも、今の疑問に自分なりの答えを出せないとその感情も持てないという状況なんだ。

Day10

投稿なし

Day11

投稿なし

Day12

■けろたん

(ポジショントークの宣言) ニートも飽きてきた&お金がふえるといいなー、という理由で仕事を探しはじめました。就活生向けの書籍は立ち読みした限りではどれも自己啓発っぽくて受け付けませんでした。人事・採用者向けの資料・書籍はいくつか読みました。こちらは、特定の性質を持った人間をどのように集めるかという具体的な課題を解こうとしていて面白かったです。 (本文) コバ青年の悩みは以下の3つだと理解しました。

  1. 「なぜ自分が働くのか」

  2. 「なぜ人は働くのか」

  3. 「なぜ人は、働く理由がなくても働くことに納得できるのか」

他人が働くことに理由を求めるか否か、またその理由がなにかが、自分の意思決定にどのように影響するのかよくわかりませんでした。3, 2と1とは全く独立した話だと思います。「なぜ自分が働くのか」という問が悩みのタネになるのは、「働くべき」という規範意識があり、かつ自分が働くことに納得できていないからだと思うのですが、労働意欲が少なめの自分としては、人は働くべきものだという規範意識がどこからやってくるものなのか気になります。

(求職者間の競争という観点)
「仕事なんて辛くて当たり前。働いてお給料貰うもの」系の意見は、職業というものが金を払ってでも人に任せたいと思われていることの代行として成立している、という程度の意味に捉えています。
働く理由の探求がしんどいのは、労働のあり方として想定されているものが都会的なビジネスマンに限られているというのが大きいような気がします。せいぜい直近数十年で一般化した労働スタイルに合わない人がいるのは当たり前だと思います。コバ青年や就活生に、「田舎で農業をやる」のような選択肢があるのか気になります。
いわゆる就活への拒否反応は一定程度理解できます。漫然としている人々の群れが視界に入ると距離を取りたくなる人が現れるのは、集団が全滅しないための防御機能のようなものだと理解しています。集合知から導き出された最適な行動だと捉えて後追いするか、ぼんやりしている人が扇動されているにすぎないと捉えて裏をかくか、自分が納得する方を選べばよいのではないでしょうか。一般論としては似たようなスキルセットの人間が増えれば労働市場が飽和して条件が厳しくなるのは当然なので、漫然と就活しているとしんどい職場になりがちというのは、むべなるかなという感じです。

(意思決定と理由付けの観点)
「朝に道を聞かば夕べに死すとも可なり」を「すくなくとも道が聞けるまでは生き続ける」と解釈しています。日々、なぜ生きているか理由はわかっていませんが、わからないからといって今すぐ自殺はしません。
「なぜ働くのか分からなければ働けない」という疑問は、「道を聞いていないので死ぬ。」と言っているのと同じように聞こえます。
なぜ大学受験をしなければならないのか悩んでいる受験生。
なぜホームランを打たなければならないのか悩んでいる野球選手。
なぜ患者を救わなければならないのか悩んでいる医者。
取り組んでいるものごとがうまくいかないとき、不快に感じるときに、(あるいは簡単すぎるときもそうかもしれません) 「なぜ〇〇すべきなのか?、いや必要ない」という論法を用いて、やめるための合理化が行われるのは自然なことだと思います。不向きなことに無駄な労力を割かずに済むので悪いことではないと思います。
自分の持っているものを労働力として提供することで欲しい物が獲得できる確証があり、そのために就活をやると決めたなら、ゲームと割り切ってできるだけ待遇が良いところを見つければよいのではないかと思います。お金だったり、人との交流だったり、仕事としてでなければできない活動だったりするのでしょうが、働くことに付随するご利益が自分にとって割に合わないなら働かなくてもよいのではとも思います。
あえて「凡人の美学」のようなことを言えば、自分のこれまでの生は誰かの仕事によって支えられていたことを知り、自分の仕事が誰かの生の支えになると信じて粛々と働く人生を受け入れときに「大人になる」のだと思います。「なぜ?」に対する解答はありません。歴史に残るような偉業でもないかぎり、あえて自分の行いに目的や理由を求めようとすれば自分がやっても他人がやっても変わらないという結論になるのではないかと思います。

(まとめ)
コバ青年の実存的な悩みにはまったく答えていないものになりました。個人的な苦しみのようなものを、システムの不具合が現れているだけのように捉えるのは僕の思考の癖かもしれません。

★コバ青年

けろたん君は1,2,3で分けて解釈してくれてるけど、僕の疑問は1,2だね。
1.2.3が全く独立した話ということだけど、2の「人」に当然自分も入っているわけで2と1は大いに関係ある。

(求職者間の競争という観点)以下の部分は僕の悩みの内容からはズレてきてるように読み取れたけど、けろたん君自身の考えを知れて良かった。

★コバ青年

皆たくさんコメントしてくれてありがとう。僕の性格上ツンケンしたレスポンスになっちゃってるけど、内心ではめちゃくちゃ感謝してます。 僕自身の疑問に答えが欲しい気持ちはもちろんあるんだけど、こうして皆とコミュニケーションできているのも何かの縁だと思うのでまだ発言できてない人も発言してくれている人ももっと考えを聞いてみたいです。そのコミュニケーション自体に何かヒントがあるような気がしてきました。

■Takuma Kogawa

なぜ働くか、のように人生のレール上にあるイベントについて疑問を持つとすると、なぜ大学に行くのか、という疑問を持っても不思議ではありません。学校に通って勉強することは小学校からしみついた習慣だからここには疑問を持たなかったのでしょうか。 以下は何も考えずに大学を卒業して働き始めた個人的な意見です。学んだことに関連する職種(会社ではない)を選び、運良くその職種に入れました。働き始めてからわかることが多く、現在は学生のときに思っていた仕事とは完全に離れたことをやっています。考えてもどうにもならないことは諦めて、目の前にある波に乗るかどうかその場で決めるのが私の生き方かもしれません。

★コバ青年

Takumaさんの言う通りで「なぜ大学に行くのか」というのも今まで深くは考えていなかった。「学校」という空間から「会社」へと大きく環境が変わる転換点だからこういった疑問が持ちあがったのかもしれない。今まで大学の件も含めて「なぜ」ということを真剣に考えてこなかったから今こうして躓いているんだと思う。

■けろたん

「なぜ働くのか」は疑問として大きすぎるので以下のように整理していました。

  1. 先立つ質問として「日本で、主に4年制大学卒業者が、数十万人の単位で就活というイベントに参加するのはなぜか?」(=人はなぜ働くのか?)があり、これに対して、「それが社会にとってなにかしら有益だから」という立場をとりました。(就活というシチュエーション設定に囚われすぎていました。)

  2. であれば、わざわざ仕事をしなくても生活できる社会の中で、「この私が、取替可能な仕事なる行為を行わなければならないのはなぜか?」という疑問として1を捉えていました。

まず、コバ青年の疑問は、時代的、地理的に特殊な状況から発せられたものだと思います。(求職者間の競争という観点) で書いたのは、「人」や「働くこと」や、その意味を再定義する出発点として、眼の前の状況の普遍性/特殊性がどれほどか、ということを意識せずして、人一般がなぜそうするのか?という形で問を立てると、「人それぞれ」という相対主義か、「ある種の社会のメカニズムとしてそれが合理的だから」という答えに陥ってしまうと思ったからです。 どちらの解答もコバ青年が求めるものではないと思います。
これは個人的な好みの問題かもしれませんが、多様な回答が予見できる問題を設定した際に、個別の具体例の整理を経由せずに、抽象概念の操作で本質なるものに到達しうるという信念は、自分から言葉のマジックにかかりにいっているようで警戒してしまいます。 とても極端ですが、人の数だけ職業があると考えても「人はなぜ働くのか?」に対する答えはせいぜい100億もありません。原理的には具体例の列挙で解決可能な問いだと認識するのも一つの思考の足場になるのではないかと思います。そうまでしなくとも、具体例を集めて、整理して、論点の当たりをつけて、それらを適切な抽象概念でラベリングする、という段階を踏んだほうが悩みの袋小路にはまりにくくなると思います。 質問2のなかに1が完全に含まれる状況は、自己の唯一性のようなものを全く気にしていない場合だけだと思います。あえて「人」という曖昧なものを行動主体とした疑問を設定するからには、安易な相対主義に陥ることを回避して、人一般に対する問いと自分固有の問いがどのように関係するかを程度問題として扱えるようにするために輪郭を固める個別の問題設定を集積したほうが着実なのではないかと思います。まず、コバ青年の疑問は、時代的、地理的に特殊な状況から発せられたものだと思います。(求職者間の競争という観点) で書いたのは、「人」や「働くこと」や、その意味を再定義する出発点として、眼の前の状況の普遍性/特殊性がどれほどか、ということを意識せずして、人一般がなぜそうするのか?という形で問を立てると、「人それぞれ」という相対主義か、「ある種の社会のメカニズムとしてそれが合理的だから」という答えに陥ってしまうと思ったからです。 どちらの解答もコバ青年が求めるものではないと思います。 これは個人的な好みの問題かもしれませんが、多様な回答が予見できる問題を設定した際に、個別の具体例の整理を経由せずに、抽象概念の操作で本質なるものに到達しうるという信念は、自分から言葉のマジックにかかりにいっているようで警戒してしまいます。 とても極端ですが、人の数だけ職業があると考えても「人はなぜ働くのか?」に対する答えはせいぜい100億もありません。原理的には具体例の列挙で解決可能な問いだと認識するのも一つの思考の足場になるのではないかと思います。そうまでしなくとも、具体例を集めて、整理して、論点の当たりをつけて、それらを適切な抽象概念でラベリングする、という段階を踏んだほうが悩みの袋小路にはまりにくくなると思います。 質問2のなかに1が完全に含まれる状況は、自己の唯一性のようなものを全く気にしていない場合だけだと思います。あえて「人」という曖昧なものを行動主体とした疑問を設定するからには、安易な相対主義に陥ることを回避して、人一般に対する問いと自分固有の問いがどのように関係するかを程度問題として扱えるようにするために輪郭を固める個別の問題設定を集積したほうが着実なのではないかと思います。

Day13

■イヤープラグさざなみ

私も、「なぜ自分が働くのか」と「なぜ人は働くのか」という2つの問いに対してコバくんがどのような関係を見ているのかが気になります。「なぜ人は働くのか」という問に登場する「人」は当然、働いている人ということになると思うけど、コバくんは働いていないのだから、そこには含まれないのではないかな。あ、でもそうすると、同じ理由で、「なぜ自分が働くのか」とも問えなくなる。

Day14

■Naokimen

「人がなぜ働くか?」に対する答えは、シンプルに、現在の社会において働く人の方がマジョリティだからだと思います。働かなくても生きていく方法はいくつかあると思いますが、それでも皆が働くという選択をするのは、人はマジョリティかマイノリティのどちらかに属するかを選択できるときはマジョリティの方に属したがるからだということです。だから、働けない正当な理由がなく、働く(マジョリティ)か働かない(マイノリティ)かの選択ができる人にとってはマジョリティ側の働くという選択肢をとる人がほとんどなのだと思います。もし、働くことがマイノリティの社会構造になっていたとすれば、皆働いていなかったはずです。

★コバ青年

仮にその100億の具体例の列挙をしたとして、それが僕の「なぜ人は働くのか」という問いへの解決の有効なアプローチだとは僕は思えないなぁ。具体例の列挙がそのまま具体例の列挙で終わる顛末しか予想できない。 見込みも無しに数の大小から可否を判断して具体の列挙に走る姿勢の方が僕は安易だと思う。

★コバ青年

「なぜ人は働くのか」という問いに答えが出せれば自分も「人」の1人なのでそこから「なぜ自分が(これから)働くのか」も導けるという関係性だね。

★コバ青年

ざっくり言うと「皆働いているから、皆働く」ということなのかな。 でもマジョリティであるということが行動の理由であるとすると「皆戦争してるから、皆戦争に参加する」ということになっちゃう。でも歴史を見てみると実際そうだったのかもしれないようにも見える。でも僕は戦争はしたくないなぁ。

■コバ

それでは今回のWSはここまでにしましょう。皆さんお疲れ様でした。 今回のWSでお伝えしたかったことは大きく分けて3つです。 まず伝えたかったことの1つ目はコミュニケーションについてです。コバ青年の悩みに対して皆さんにはコメントをしていただきましたが、その中で私が皆さんにレスポンスする上で意識していたことは2つあります。 1点目は当時の私が考えていたことできる限り再現すること。これはこのロールプレイでのコバ青年の発言の根本の指針にもなっています。 そして2点目は、コバ青年の根っこの思想とは少しズレますが皆さんからの鋭利なコメントには鋭利なリアクションを、ソフトなコメントにはソフトなリアクションをすることを意識しました。これはジェイラボでのコミュニケーションというよりは普段の日常生活でのコミュニケーションで当てはまる傾向だとは思いますが、基本人と人とのコミュニケーションでは鋭利な言葉には鋭利な言葉が返ってきやすいですし、ソフトな言葉にはソフトな言葉が返ってきやすいです。ジェイラバーは意見と感情を区別するということを常に意識しているかと思いますが、せっかくのロールプレイですのでコバ青年にはあえて反発と受け入れが相手の態度によって露骨に変わるコミュニケーションを取ってもらいました。そこから皆さんの日常でのコミュニケーションの何かの気付きになれば幸いです。

伝えたかったことの2つ目は、コバ青年の「なぜ働くのか」についてのアンサーです。これについては最初に第4回WSのログを貼ったあの記事が伏線でした。「どうせ死ぬのになぜ生きるのか」というテーマでのWSのログでしたね。 皆さんのコメントを読ませていただくと「なぜ働くのか」について具体に寄せていくことで答えに迫ろうとしていらっしゃったと思います。 これについて私は逆のアプローチ、つまり抽象度を高めることで自分なりの答えに達しました。つまり「なぜ働くのか」あるいは他の行動も含めて「なぜ」を考えていくと最終的には「なぜ生きるのか」という問いに行き着きます。 そして私の回答としては「なぜ生きるのか」の問いに対しての答えは「理由などない」です。少なくとも理由があったとしても我々人間にはそんなもの認識できない、つまり分かりません。スタート地点がそうであるならばそこから派生していく人間の活動全てにおいて突き詰めればそこに理由などありません。であるならば、あとは自分がどうしたいかだけです。そして当時の私が出した答えは「社会との関わり方の一つの形として自分は働く」ということでした。 そして最後の伝えたかったことの3つ目は、WS終了の時間も来たので部長総括に譲ることにします。

最後に、皆さんのように真摯に向き合ってくれる方がいればコバ青年の人生の迷子になる期間ももっと短くなったはずだと思います。人との出会いというのは人生にとても大きな影響を与えるものですね。 以上、皆さん2週間お付き合いいただきありがとうございました。

以上でログを終わります。

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