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苦しかったときの話をしようか ビジネスマンの父が我が子のために書きためた「働くことの本質」(森岡毅)


Ⅰ 本書の内容

この本の主題をまとめるなら、「好きなことで自分の強みを研け。そうすれば楽しさも評価も報酬も全部後から付いてくる。」である。前半3章分は自分の強みを探すこととそれを研くことを啓蒙している。話の主題としてはここで終わっているが、後半3章分ではもう少し具体的な就職での突破口・苦労話やそこからの立ち直り方について書いている。具体的な章立ては以下のようなものである。参考程度に。

第1章 やりたいことがわからなくて悩む君へ
第2章 学校では教えてくれない世界の秘密
第3章 自分の強みをどう知るか
第4章 自分をマーケティングせよ!
第5章 苦しかったときの話をしようか
第6章 自分の“弱さ”とどう向き合うのか?
おわりに あなたはもっと高く飛べる!

総じていえばこの本は僕にとってタメになることが多かった。ビジネス書や自己啓発本はこれまで興味本位である程度触れてきたが、その中だったら一番良くできている。流石、愛娘に向けた言葉なだけはある。
せっかくなので2つ程タメになったポイントをピックアップしてみる。

①「肝心なのは資本家の世界を射程圏に見据えるパースペクティブを君が持っているかどうかだ。」(P65)
「働くこと」に関する本なので資本家というワードが出てきているが、別に経営者になることを勧めているわけではない。本質的に言いたいことは、ちゃんと世界の「構造」を捉えろということである。資本家達は時に自分達より優秀な人間を手駒にして、最後に圧倒的に儲けている。くどいようだが、「だから、資本家になって大金を稼ぐことを勧めている」わけでは全くない。(そもそも誰でも資本家になれるわけでもない。)
しかし、そのような世界観をちゃんと意識しているか?ということを問うている。言われれば、極々当たり前のことだが多分ほとんどの人が日々の中でついぞ忘れている。「構造」を意識し続ける重要性はいくら強調してもしすぎることはない。

②「潰れないためには、最初から肩の力を抜いて、最後尾からスタートする自分を予め受け入れておくべきだ。」(p226)
期待値を正しくセットすることはあらゆる活動で効果を発揮する。例えば、会社に入社するということはその中で「自分が一番できないやつになる」ことを意味する。しかし、最初から出来ないと分かっていればあとは積んでいくだけだから気の持ちようとして完璧である。これも良く言われていることではあるが、為になる。

Ⅱ 私の見解

本書では「大学を卒業して企業で働く」というモデルを考えている。この記事ではそのモデルに属する具体例として「私がどう働きたいと思っているか」を述べてみたいと思う。「私の」意見なので非常に個人的となっている。


1 なぜ働くのか

「どう働くのか」の前には「なぜ働くのか」という問いが置かれている。これは無視できない問いであるが、そもそも「働くとは何か」などという問題から処理する必要が出てくるため考え出すと非常に面倒くさい。それは別に各々の答えがあって良いものだし、答えどころか問いさえ最初から持っていない人も多いだろうから、ここでは深く触れないが、私なりの結論をいえば「働く」方が「楽しそう」だからである。
私は労働を一切していない時期を経験したが、それはそれで逆にしんどいということが分かった。消去法からいって何かはした方が良い。じゃあ「働く」という選択肢も一回選んでみよう。仕事は一般的に苦痛に満ちたものとされているし、生活の大部分を外部に預けることは間違いなく苦痛を生むと思われるが、やってみたら「快」もあるだろう。著しく苦痛の方が大きかったら、その時は辞めてやればいい。その程度の気持ちである。


2 個人的なキャリアプラン

上でもチラッとでたが私は「楽しさ」を人生の指針に据えている。
こういうと耐え忍ぶことを美徳とする方々から刺されそうだが、別に快楽に溺れて無気力になりたいわけではなく、気持ちが高揚する方へ向かいたいだけのことだ。そのためには色々やってみた方が良いんだろうし、「仕事」もその軸で選ぶ。
具体的には、「海外に行ける機会がある」仕事ないし企業を探している。海外は実際に住んでいて楽しいことが多かったから将来もそこで活動したいという想いから来ている。それなりに苦労が多いことは経験済みだが、日常的に外国で生活するのは乙なものなのだ。

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