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たとえどんな手をつかってもわたしは母であるために。


「大丈夫、お母さんは十分頑張っています。薬に頼ってもいいんです。
落ち着いて生活できるようになりましょう」

私は発達障害専門の外来にかかっています。
月一の通院です。
(お薬の処方が睡眠薬などを出す場合、
30日分しか出せないため)
発達障害専門というのは珍しいらしく、
いつも人気で予約も常に埋まっているようです。
たまたま近所に見つけ、精神科より転院しました。

先生は、私が不安で繰り返し話してしまうことも受け止めてくださいます。
何度もうんうん、とうなづいて。

「恥ずかしいんですけど、小学生の娘たちに振り回されて感情コントロールが効かなくなるんです。ADHDの衝動性が高まってしまうというか…」

「心を落ち着けるとんぷく薬を出しておきましょうね。あとADHDには専門の薬もあるので少しずつ身体をならしていきましょう。副作用もありますから」

そこで私がぐっと一度言葉を飲み込み、逡巡を巡らしました。

「母親なのに、薬がないと子どもと向き合えないなんて情けないですね…」

うつむいて書類の片隅をいじりながら言う私。

このところ、子どもが心の成長期なのか反抗期の入り口なのか、少しのことにも声を荒げたり、暴言を吐いたりすることも。

私もついイライラしてしまい、気持ちを落ち着かせるためにとんぷく薬に頼ってしまいました。
親の心の乱れを、子も敏感に感じ取っていたのでしょうね。


いえ、薬を飲まなければ、
家の扉すら「ただいま」と
あけることができなくなっていたのです。

コントロールできない、しんどい一日が早く終わりますように。
朝が来るのが怖いほど、私は家にいるのに緊張していました。


たった一言に救われる


そこでお医者様が言ってくださったのが、冒頭の一言。
「薬に頼っても、まずは落ち着いて子どもと向き合う」
そのことの大切さに気付きました。

少しずつ親子ともども、
手探りで感情との付き合い方を
学びながら一緒に生きていくしかありません。


思春期は長い。
いつまで続くことやら。

無理せず、お医者さまにも薬にも頼りながら、
たまにはこっそりおやつもつまみながら、
子育てしていきたいと思います。

明日もよき日になりますように。


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