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樹田 和(いつきた なごむ)
2022年4月26日 17:06
いつの間にやら、隣から寝息が聞こえてきた。「疲れてるだろうし、寝てていいよ」そう言ったのは、さっきコンビニを過ぎたくらいだから、ほんの500m足らず、1分もしない内に、眠りに落ちたことになる。幸い、私は運転は慣れているし、普段は一人で運転していることを思えば、苦にもならない。むしろ気持ちよく眠れているのなら幸いだ。ハンドルを右に切る。気をつけてスピードを落としたつもりだが、助手
2022年4月24日 12:42
卵がひとつ。ここにある。いつからか、大事に大事に温めている。殻の色は時々変わる。白や、黒や、なんとも言えないまだら模様にも。中からコツコツ音がする。気がする。よく見ると、周りにも同じように卵を温めている人がいる。もっと大きなものだったり、小さくてもたくさんだったり。そして時々、その卵から、生まれる。大きく綺麗な羽を広げて。強そうな鎧に身を固めて。温め続けたそ