コントロールとコマンド

野球の投手の能力をあらわす”コントロール”や”コマンド”という言い回しがあります。

「あの投手はコントロールが良いがコマンドができていない」

・コントロール=ストライクゾーン(の中のどこかに)に投げる能力

・コマンド=ピンポイントで狙ったところ(キャッチャーミットが動かない。追い込んだ後の外角低め、とか)に投げる能力

と言われています。

これを成果(打者を打ち取る)という視点で考えたとき、どちらの能力がより求められるか。

そう、『コマンド』ですね。

では、コントロールとコマンドの組み合わせでいうとどうなるか。

1.コントロール○+コマンド○

2.コントロール✕+コマンド○

3.コントロール○+コマンド✕

4.コントロール✕+コマンド✕

打者が最も攻略しにくいのは、2番目の✕○のパターン。コントロールはあまり良くないけど、要所で良いところに投げて、崩れそうで崩れない、捕らえられそうで捕らえられないタイプですね。待ってても四球はなさそうだが、組み立てが読めない(読んでも意味がない)ので、追い込まれるまでに甘い球に絞って振っていくしか無い。

1のパターンはキャッチャーのリード次第。ただ配球読まれるとボコボコにされることも。3は狙ってボールコースに投げられないので最も打たれるはず。追い込んでから打たれるのもこのタイプ。4は相手との相性によっては意外と抑えちゃったりする荒れ球タイプ。

これ、起業家に置き換えたらこんな感じでしょうか?

コントロール=有望なマーケットにアドレスする力

コマンド=適切なタイミングと場(勝負どころ)にリソースを投下し事業を伸ばす力

1.有望マーケットで、すべて計画通りに事業が伸ばせている

2.最初に狙ったマーケットにニーズはなかったが、ピボットがうまくいき、事業が伸ばせている

3.有望マーケットに参入したが、競合の出現や環境変化への対応が後手に回るなどで、事業が伸ばせていない

4.最初に狙ったマーケットにニーズはなく、ピボットを続けており、まだ事業を伸ばせていない

起業家にとってもやはり「コマンド」能力のほうが大事だと思う局面があります。

勝負どころという意味では、直近で大型資金調達をされていた某スタートアップも、競合のバッドニュースが出るタイミングに自社のグッドニュースをぶつけ、さらにそこから畳み掛けるように実績につなげる打ち手を繰り出していていまのところ結果につながっていそうで、さすがこの起業家は勝負どころがわかってるなぁと感激したのを思い出します(私の邪推かもしれませんがw)。

コントロールも軽視するわけではないですが、それよりもトライし続ける意思のほうが大事だろうなと。

ビジネスパーソンの誰しもに勝負どころがあります。一度マウンドに立つと決めたのであれば、何が成果なのか、そこにフォーカスし、捻じ伏せたら快感を得られるほどの強打者に対峙し続けていきたいですね。



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