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【今でしょ!note#76】 DXハイスクールの課題と探究授業企画プロセス2

いかがお過ごしでしょうか。林でございます。

2023年10月27日の日経新聞で、文科省が全国の高校2〜3割に該当する1000校超を対象にして、デジタル教育の拠点校となる「DXハイスクール」を指定する方針を固めたという記事が紹介されました。


出処:2023年10月27日 日本経済新聞朝刊 "政府が新たに指定「DXハイスクール」とは?"

DXハイスクールを、デジタル人材育成と分離横断型の探究学習に取り組む拠点として位置付けるとしています。
上図の通り、2002年度から一部の高校を「スーパーサイエンスハイスクール(SSH指定校)」に指定した取り組みと類似しており、今回はSSH指定校以外の高校に対して1,000〜1,500校をDXハイスクールに指定予定です。

2030年には、国内のデジタル人材が約79万人不足すると推定されていることから、デジタル社会を担う人材への教育を大学入学よりも前から強化する狙いがあるとのことですが、やはりICT教育の現場レベルでの実装が進みにくい高校教育をターゲットとした追加施策のように思えます。

デジタルは企業経営そのものと言われますし、他国と比較しても日本の教育分野でのデジタル活用は決して進んでいるとは言えないですから、目指す方向性は大賛成です。

以下文科省の2023年11月22日の公表資料にもあるとおり、具体的な内容は、「デジタルを活用した文理横断的な探究的な学びの実施」です。

https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/digital_gyozaikaikaku/kaigi2/kaigi2_siryou3.pdf

以前「高校普通科の危機」のタイトルで、22年度から開始された「探究学習」の話でも触れましたが、それを現場の先生のみで運営するところに大きな課題があると考えています。

そして、公教育は本来同じレベルの授業を日本全国どこにいても受けられるのが素晴らしいところでしたが、「情報」、「探究」を教えられる先生がいる学校とそうでない学校で、学習内容に差が生まれ始めています。
特に、地域教育ではその差が顕著になっています

先生に必要なスキルセットが教科学習とは異なり、いわゆる「探究」×「情報」の授業を企画・運営する指導が求められます。
特に地域教育分野では、「情報」を教えられる先生の数自体が不足していますし、「デジタルを活用した文理横断的な探究的な学び」なので、単純にプログラミングを教えられれば良い、というものではありません。

「高校」といっても、普通科中心の高校と、実技中心の商業・農業・工業高校・・・と色々ありますから、画一的な教材を国が全て準備して、全国に配布して運営するというのも現実的ではないでしょう。

そこで、先日自分なりにまとめてみた「探究学習の企画書」について、知り合いの高校・大学の探究授業関係者の方にぶつけてみました。
少しブラッシュアップされたので、その後の進展について触れていきます。

「デジタルを活用した探究的な学び」の出発点

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