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【読書記録】#25.5 サピエンス全史 上 ユヴァル・ノア・ハラリ著 〜誰もがいつもお金を欲しがるのはなぜか?〜

はじめに

サピエンス全史上巻の主に後半部分について書いていきたい。前回は農業革命に起きた悲劇について書いた。今回はサピエンスの言語の特異な能力である「虚構」を作り出す能力について気づきを書いていく。

3つの気づき(学び)

1.虚構を創り出す能力こそがサピエンスの強さ

なぜ虚構を作り出すのか。それは「群れ」のような単位よりたくさんの人と協力するためにある。

特定の秩序をを信じるのは、客観的に正しいからではない。効果的に協力できるためだ。
後述する「貨幣」についても虚構のものであるが、多くの人が信頼することにより、役割を果たしている。

逆に言ってしまうと、虚構を信じる者がいなくなればあっという間に滅んでしまう。「株式会社」も「サッカー」も「お金」も「国」も。
存在しないものを「存在するもの」のように創り出し、それを信じる能力とも言える。

昨日も広島東洋カープの試合を見ていたが、「広島東洋カープ」というものは実際には存在しない。だが、オーナー、監督、選手、さらにファンが「広島東洋カープ」という存在を信じることによって、マツダスタジアムのあの空気感を創り出している。
「広島東洋カープ」という存在を信じることでファン同士が協力して大声援を送り、選手たちがチームのために協力して試合に挑む。マツダスタジアムに集まる2万人以上のカープファンが「広島東洋カープ」という虚構なしには協力できない。

2.誰もがいつも貨幣を欲しがるのはなぜか

誰もがいつも貨幣を欲しがるのは、他の誰かが彼ら貨幣をいつも欲しがるためだ。みんなが貨幣を信じることで、他のものの価値を体系的に表すことができる。

多くの人が「うちの商品を円では交換しない」と言い始めれば、円の価値はどんどんなくなっていき、消滅する。

堀江貴文氏が「お金は信用」と言うのはこのことだろう。貨幣の根本的な仕組みは信用なのだ。

3.認知的不協和

初めて知る言葉だった。現代は自由と平等との折り合いをうまくつけられていない。このような矛盾を「認知的不協和」というらしい。しかし、これは人間の必須の長所で、文化を維持するために機能している。

自分の心に矛盾が生じてしまうことはかなり多い。しかし、それは当たり前のことであるようだ。そもそも自由と平等に折り合いがつけられていないのだ。矛盾を抱えながら生きることを後ろ向きに捉える必要がないと知った。

おわりに

「虚構」を創り出すという能力なんて考えたこともなかった。しかし「虚構」がなければ人々は知らない人と協力なんてできない。「広島東洋カープ」という虚構があるからこそ、知らない人と同じ応援歌を歌うことができる。「お金」という虚構 を信じるからこそ、知らない人と迅速にモノを交換できる。「虚構」は協力するための便利な仕組みだと理解した。

「虚構」について、面白い!と思ってくださった方はぜひ「スキ」とフォローをよろしくお願いいたします。

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