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【読書記録】#25 サピエンス全史 上 ユヴァル・ノア・ハラリ著 〜未来への不安は農業革命から始まった〜

はじめに

今回は名著の一つである『サピエンス全史』について紹介する。この本は2年間積読してしまっていたが、ようやく読むことができた。サピエンスの歴史を知ることで、我々の苦しめられる「常識」の仕組みやサピエンスが発展したのはなぜかを知ることができた。

3つの気づき(学び)

1.狩猟採集民は「豊か」だった

狩猟採集民を個人のレベルで見ると、知識と技能の点で歴史上最も優れていた。また、「多様な食物」「比較的短い労働時間」「感染症の少なさ」も得ていた。しかし、古代人を理想化するのは誤りで、ときに情け容赦のない場があったことも考慮すべきであると著者は言う。

後述の農業革命がいかに悲劇だったか、引き立たせるためにも書いたが、場所に縛られない生活を送りたい私から見ても狩猟採集民は魅力的であるのは間違いない。

2.繁栄と悲劇の農業革命

特に衝撃的な内容だった農業革命。農業革命によって、先程述べた狩猟採集民の得ていたメリットをすべて失った。

大量に得られた食糧は人口爆発とエリート層を誕生させた。このことにより、勤勉な農耕民はなんとしても手に入れようとした経済的安心を手に入れられなかった。この「悲劇」は現代において強く残っている。安定を求めた会社員がこの「罠」にハマっているのがいい例だ。

農耕民は当然場所に縛り付けられ、小麦、稲、ジャガイモらはホモ・サピエンスを家畜化したのだ。

3.未来に対する不安は農業革命が生んだ

狩猟採集民は長期的な計画など立てようがなく、どうしようもないことで悩んでも仕方がなかった。しかし、農耕民は常に未来を念頭に置き、未来のために働くスタイルだ。「未来に対する不安」を人類が常に抱えるようになったのはまさにここからだった。私たちが悩まされ、不幸に陥ってしまう「未来に対する不安」がまさか農業革命によって始まったとは知りようがなかった。

住む場所が固まってしまったのも農業革命が始まりだ。「未来に対する不安」も現代では色濃く残っているが、日本に住んでいる以上、食べ物に困って生きられないことなどあり得ない。

農耕民たちと違って状況は大きく変化しているが、農耕民たちと同じ不安を抱えてしまうのはなぜだろうか。本当に「未来に対する不安」を私たちは持ち続ける必要はあるのだろうか。

おわりに

『サピエンス全史』上巻の前半部分についてまとめました。「農業革命の悲劇」に焦点を当てましたが、現代のあらゆる悩みは農業革命から始まっているのではないかと私は思います。「農業革命」がいかに恐ろしい出来事だったのか、共感してくださった方は「スキ」やフォローをよろしくお願いします!

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