父が亡くなってから3年。

タイトルでは父と書きましたが、パパとずっと呼んでいて、少し慣れないので本文ではパパって書く。

パパが亡くなってから3年が過ぎた。
正直、かなりのママっ子だったし、毎晩フラフラになるまで呑んで帰ってくる姿の記憶しかなかったから、パパのことはずっと好きではなかった。こんな人間だけにはなりたくないとすら思っていた。

でも中学生、高校生となるうちにだんだん自分の性格はパパに似ているし嗜好もパパにそっくりなことに気づいて、話が盛り上がることも増えた。

そんな中、背中が痛い、と父が言うようになった。いつもなら病院なんて毛嫌いして行かないパパだったが、病院へ検査に行った。そして終礼が終わり、いつも通り教室でおしゃべりをしていた。携帯を開くとママから連絡が入っていた。
「パパ余命1年」
教室で泣き崩れたのを鮮明に覚えている。みんなが心配してくれて、走って学校を出て、パパがいる病院に向かった。
それから抗がん剤治療が始まった。パパが強かったのか分からないが、テレビドラマで見るような抜け毛や激しい嘔吐というのは全くなかった。ただ薬が効いていないという感じがだった。結果として1年半パパは頑張った。すっごく安らかだった。
今思うことはもっともっと寄り添ってあげれば良かったこと。もっと社会のことについて話を聞きたかった。大学生になった今、働くこと、社会のこと、将来のこと、人間関係、色々考えるようになった。ママは自分が生まれてからずっと専業主婦で社会から離れて20年以上が経っている。ママには申し訳ないけど、今はママよりも外の世界を知ってるパパの意見を聞きたい。自営業だったから、日本全国に人脈もあった。でももう一生会えない。夢の中に出てくることはあるけど話しかけてもただ笑ってるだけで返事がない。

自分の将来を誰よりも期待してくれていたパパ。テストの点数とかいつも褒めてくれたパパ。でも今の私は、何がしたいかもよく分からなくて、なにもかも中途半端。ピンチになった時にいつも手を差し伸べてくれたパパが恋しいし、パパが亡くなってからの出来事をたくさん話したい。

パパのことを思い出すと今この瞬間も涙が止まらない。寒くなってきて人肌が恋しくなったからだろうか。

夢でいいから、笑ってるだけじゃなくて、パパと話がしたい。


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