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「採用の思考法」を読んで学んだこと

はじめに

ご覧いただきありがとうございます!
株式会社M&Aクラウドで人事をしている仙波です。
本記事は私の読書感想文的な、学びをシェアする記事であり、網羅的な本の要約記事ではありませんので、その点あらかじめご了承下さい。
今後も定期的に本の感想や日々の学びをシェアしていく予定ですので、もしよろしければ「スキ」と「フォロー」をしていただければ嬉しいです!

第1章 採用をなめてはいけない

いきなりですが、質問です。
「ズバリ、あなたの会社の採用が上手くいっていない理由は何ですか?」

こちらは本書にある質問なのですが、あなたは何と答えますか?
多くの記事や書籍と同様、本書も「採用=営業・マーケティング」というスタンスで書かれていますが、まさに「売れる営業パーソン」と「売れない営業パーソン」の違いに、採用の甲乙は共通する点が多いです。

そして、一番大きな要素は「思考習慣」。
売れない(採用できない)原因を自分の外に求めるか、自分の内に求めるか、この思考習慣のクセが大きな成果の差を生み出すということを胸に刻まなければならない。

また、「採用は重要である」ということは多くの人が当たり前に認識していることではありますが、なぜ重要なのか、なぜ失敗を避けるべきなのか?をきちんと言葉にできる人は少ないのではないでしょうか?
しかし、その答えはシンプルで、「お互いに傷だけが残る」からです。

まず、会社目線では、採用失敗のダメージは予想以上に大きいです。
限られた資源の中で、かけるべきコストは分配しなければなりません。時間、費用、人的労力は、プラスのリターンを生み出すためのコストであるべきです。採用を失敗した場合には、時間も費用も人的労力も、コストとして本来かけるべき方向に費やすことができません。つまり、本来得られるはずであったリターンも奪われるということになるのです。
よって、採用は「点」だけではなく、必ず今から未来へと続く「線」そして「面」で考えなければならない

本書P51の図

また、採用される側にとっても採用失敗のダメージは大きいです。
もちろん、ミスマッチが起こったからといって、そこでの経験などが全て無駄になるわけではありませんが、もしその方が、自分を活かせる別の会社でもっと能力を発揮できていたとしたら、と考えると、採用をテキトーに行ってはいけません。採用は、その人の人生を左右する責任が伴う行いです。
だからこそ、採用に対して真摯な姿勢と取り組みを行う必要があります。

第2章 いい採用ができない会社の5つの理由

理由①「片手間でやっている」から

一つ目の理由はシンプルですが、費やしている「時間」「労力」に違いがあります。リソースが豊富な大手企業は専任の採用担当者がおり、毎日、朝から晩まで、年がら年中、採用のことを考えています。そんな中で、片手間で採用しようとしたところで、勝てるはずがありません。

また、下記の質問にはどう回答しますか?
・採用の仕組み、プロセスを見直し続けていますか?
・採用のスキルはアップしていますか?

もし変わっていなければ、採用がうまくいっている会社との差は開いていく一方です。時間さえかければ良いわけではありません。
今の売り手市場の中では、片手間でやって良い人材を獲得できる程、簡単ではありません。だからこそ、きちんと「計画」を立てなければなりません。

理由②「他責にする」から

労働人口が減り売り手市場となっていることや、自社の規模/認知度など、採用できない理由を外に求めることは簡単です。しかし、他責にした瞬間、思考と成長は止まります。望む結果が出ていないということは、自分たちがやるべきことを十分にやれていないだけです。そんな時こそ、一度立ち止まって振り返る良い機会だと思います。

理由③「相手を知らない」から

営業という仕事は、突き詰めていくと「お客様の問題解決をする仕事」です。冒頭に「採用=営業」と書きましたが、採用においてもこの考え方は重要です。ではどうすればそれができるのか?
問題解決には下記のプロセスが必要です。

  • あるべき姿を知る

  • 現状を知る

  • ギャップを捉える

  • 期限を知る

  • 上記から導き出された選択肢から最良の解決策を提示する

本書P99の図

この一連のプロセスの中で、重要なキーワードは「知る」ということ。相手が何を求めているのか?困っていることは何か?その課題(ニーズ)に対して、解決策を提示し、価値があると認められれば、正当な対価をいただく。これが営業活動であり、企業活動です。そして、採用も企業活動の一部です。

相手の人生の目的を知り、自社に入社することで得られる価値とは何なのかを伝えることこそ、採用活動なのです。

理由④「マーケットを知らない」から

事業を考える時、営業活動を行う時に、マーケットにアンテナを張ることは当たり前のようにされているのに、採用活動においてマーケットにアンテナを張っている人は意外と少ないです。しかし、当たり前ですが、採用環境も年々変化し続けているので、限られたパイの奪い合いである採用活動において、マーケットを知らなければ採用が上手くいくはずがありません。

一次情報(=事実)をもとに、二次情報(=仮説)を持って、マーケットに戦いを挑んでいくのが採用活動です。マーケットで勝つためには、マーケットと自社の立ち位置を常に正しく知ることが不可欠です。

理由⑤「行き当たりばったり」だから

売れるだけでなく、結果を出し続け、目標を達成し続ける営業パーソンには共通する点があります。それは、「目標を達成させることくらい、当たり前だ」という思考を持っていることです。この思考を「絶対達成マインド」と著者は読んでいます。
この思考を持っている人は、「目標を達成しないと気持ちが悪い」という思考が染み付いているので、目標未達成という状態を回避するべく、考え、計画し、行動します。決して行き当たりばったりに行動しません。
目標に対して逆算して行動することを「当たり前」にできているかどうか、が採用の成否に大きく影響します。

第3章 いい採用を実現させるために案外やっていないこと

この章では、たくさん示唆に富んだ内容が書かれていましたが、特に印象に残った点を記載します。

1.バスに誰を乗せていきたいかを言語化する

偉大な企業への飛躍をもたらした経営者は、まずははじめにバスの目的地を決め、つぎに目的地までの旅をともにする人びとをバスに乗せる方法をとったわけではない。まずはじめに、適切な人をバスに乗せ、不適切な人をバスから下ろし、その後にどこに向かうべきかを決めている。

名著『ビジョナリー・カンパニー2 飛躍の法則』より

上記にもある通り、誰をバスに乗せていきたいかを言語化することが一番大切です。採用基準を明確に設定し、絶対にブレてはいけません。採用基準に満たない人材は、絶対に採用してはいけません。
まずは、一緒に働きたい人の特性や条件を言語化して見ることが、採用活動のスタートラインです。

2.先天的・後天的能力を見抜く

脳の取扱説明書とも言われる実践心理学NLP(神経言語プログラミング)では、人間の意識レベルを5つの階層に分類しています。

①アイデンティティ(自己認識):「私は〜である」
②信念・価値観:「私は〜という考え方を大事にしている」
③能力:「私は〜することができる」
④行動:「私はいつも〜している」
⑤環境:「私は〜に所属している」

実践心理学NLP

その中でも、特に変化させるのが容易くないのは
①アイデンティティ(自己認識)と、②信念・価値観です。
人そのものや、その人の価値観を変えるのは、簡単ではありません。
人間というのは、過去の体験の「インパクト×回数」でできていますので、アイデンティティや信念・価値観を書き換えるためには、相当なインパクト×回数が必要です。

このことは、採用基準を設定する上で、とても重要なポイントです。
ここでお伝えしたい重要なポイントは、「能力は、後の研修で引き上げられる」ということです。
入社時点で必ず持っていなければならない能力なのか。それとも、入社後の一定期間教育を施すことによって、引き上げられる能力なのか。採用基準を設定する際には、この切り口で整理することが重要です。

第4章 いい採用を実現させる具体的なステップ

第4章は細かなHow toや、各ステップ毎の注意などが書かれています。
今回は「思考法」について整理することを目的に記事を書いたため、割愛させていただきますが、特に私のように人事の経験が浅い方や、改めて1から学び直したい方にとっては学びになると思いますので、ぜひ書店で手に取ってみてください。

おわりに

本書は、営業コンサルティングを中心に採用コンサルティングも行われている著者が書かれた書籍だったので、元々営業職をしていた私にとっては大変分かりやすい内容でした。
本書を通して、「マーケットと顧客にしっかり向き合え」という営業にも採用にも通ずる原理原則を学びました。本書で学んだことを少しずつ実践し、人事として一歩ずつレベルアップしていきます!

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