トリプルメディアを用いたプロモーション戦略

マーケティング及びブランディングにおいて、製品の価値、価格、流通経路、差別化要素など、「商品価値を作り上げる」工程は当然避けて通ることができない。

しかし、いくらその製品に価値があり、希少性があり、模倣困難性が高くても、
その製品の価値を、「消費者(顧客)が認知してくれなければ、その価値は存在していないも同然」なのである。

その、「価値を伝える」という、もはやマーケティングにおいて「義務」とも呼べる工程が、「製品プロモーション」であり、「販売促進」である。

その「プロモーション戦略」の中で、
「メディアを用いた方法」があるため、今回はその3つのメディア(トリプルメディア)の存在と、それぞれのメディアが、どのような消費者(顧客)をターゲットにしたものなのかまで、紹介していきたい。

①ペイドメディア

まずはペイドメディアである。

ペイドメディアとは、「料金を払って、自社製品の情報を一般消費者向けに流してもらうタイプ」のメディアである。
具体的には、TVのCMや、webサイトのバナー広告などが挙げられる。

ペイドメディアのターゲット顧客は、自社製品へのロイヤルティ(愛着度)が低い顧客層である。
ロイヤルティが低い顧客は、自ら進んで自社製品の存在を知ろうとしない。そのため、ペイドメディアを用いた「一方通行」のプロモーションを行い、顧客の「自社製品への興味付け」を狙っている。

②オウンドメディア

2つ目はオウンドメディアである。

オウンドメディアとは、「自社が所有しているメディア」のことであり、自社のwebサイト、ブログ、アプリ、オンラインのパッケージ、
店頭のPOPなどが挙げられる。

オウンドメディアがターゲットとしている顧客は、自社製品へのロイヤルティが高い顧客、「支援者」だ。
オウンドメディアを用いて、この支援者たちとの関係性を構築、維持、深化していくことが目的であり、そのためには、自社の従業員と顧客の双方向でのコミュニケーション(インタラクデイブマーケティングともいう)が重要になってくる。

③アーンドメディア

最後はアーンドメディアである。

このメディアは、①ペイドメディア、②オウンドメディアとは違い、企業が関わっていない(関わることのできない)メディアである。

どういうことかというと、アーンドメディアは
「消費者同士のコミュニケーション」であり、
先ほど紹介した、自社製品の内容に満足した支援者が、ロイヤルティの低い消費者に、「口コミ」という形で自社製品の良さを宣伝してくれる。以前の記事で、「満足した顧客による口コミは、どんなにコストをかけた広告よりも効果が高い」というのを紹介したが、それがまさにこのアーンドメディアである。アーンドメディアとは、「信頼を獲得するメディア」であり、
①ペイドメディア、②オウンドメディアによって、しっかりと顧客との関係を築けた結果が、③アーンドメディアにつながる。

以上が、プロモーション戦略におけるトリプルメディアである。

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