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№504 フィットネス業界の業績回復のポイント

こんにちは。白石です。
今日はフィットネス業界についてです。

◆立地・施設・価格から人材へ

フィットネス業界はこれまで装置産業的な要素が大きいと認識されており、立地・施設・価格というのが成功における最優先事項でした。人口がそれなりにいて、競合が少ない地域を選定し、ジム・スタジオ・プールなどの施設を配置して、月単価7,000円~8,000円の価格で募集をしていれば自然と会員は集まってきていたのです。

しかし、時代が変わり超少子高齢化社会を迎えている現在は、立地・施設・価格に加えて、人材というのが重要になってきます。つまりはそこにいる「人」です。この人材こそが業績改善のポイントです。

頭では分かっていても、実際に取り組むとなると難しいのが現実です。それは各社がこぞって入会特典合戦を繰り広げていることが証明しています。各社のホームページを確認すると、立地・施設・価格のジレンマから抜け出せていません。似たようなビジュアル、施設、サービス、特典がずらりと並んでいます。似すぎていて社名を変えても分かりません。こうなると価格で勝負するしかなくなり、冒頭で記した入会特典合戦となります。

私は入会獲得を軽視している訳ではありません。新規入会獲得は経営において非常に重要な取り組みです。ですが、今までと同じように立地・施設・価格を全面に打ち出すのではなく、人と人を介したサービスを打ち出すのです。
我々のクラブにはこういったスタッフがいて、こんなサービスをしています!と。皆さんのクラブにこれができますか?できるのあればすぐにやりましょう。できないのであれば、広告費執行や会費割引をするよりもっと人に投資するべきです。報酬、教育、評価などの制度や内容を改善していくことで自ずと効果が現れてくるはずです。

◆何名獲得する!ではなく、どんな人たちに会員になってもらいたいか

多くの新規入会者を獲得しても半分以上の人が1年も続かず辞めていく・・・もしくは幽霊会員として会費だけ払い続ける。そんな状態の時にコロナがいきなりやってきて幽霊会員は一気に退会に流れました。こういった経験をしたのにも関わらず、多くのクラブがコロナ前と一緒のことをしています。入会100名、退会90名みたいなことです。それなら入会20名、退会10名の方が良いと思います。

クラブが大規模、小規模なのかは関係ありません。顧客の一人ひとりと真剣に向き合い、会員になっていただく。会員になってもらえたら、クラブを好きになってもらい、続けてもらえるようにサポートする。いたってシンプルな取り組みですが、真剣に向き合うためには、どんな人に会員になってもらいたいか?を明確にする必要があります。皆さんのクラブにはありますか?入会予算はあってもどんな人まではないのではないでしょうか?

数字だけでは人は動きません。そこに意味がなければ具体的な行動に繋がりません。人材がポイントなのであれば、その人たちがパフォーマンスを発揮できる環境を整えることが大切です。一度、考えてみてください。

◆土台がない取り組みはスタッフが疲弊するだけ

これまで業績改善に向けて人材をポイントにいくつか書いてきました。まずはこういった土台を構築することが最優先です。土台がない中で、会員増・売上増の施策はスタッフが疲弊するだけです。上司からは数字を詰められ、現場からは苦情を受けるみたいなことの繰り返しとなり、余計にやる気を失います。まずは、人に関わる全てのことを洗い出して整理整備していくことからはじめてみましょう。

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