退職を決めて自分らしく生きる
退職することになりました。
あっという間のことだった。もう有休消化中で、8月末でさようなら。会社員が向いてないなーって、何度かnoteでは書いていたんだけど、完全にフラグだったという訳だ。
実際、会社員が向いていないと感じていたのには、今までの会社員生活の経験とともに、現在の会社との相性の悪さが大いにあったのだ。
会社にいる間、ずっとずっと辛かった。最後の1ヶ月は、精神的に参ってしまい、仕事をするのに支障が出てきてしまった。毎日毎日、喉の閉塞感と息苦しさを感じ、職場にいるのが辛くなった。普段ならストレスで爆食してしまうのに、食欲がなくなり3週間のうちに3キロ痩せた。普段ならしないようなミスや物忘れをするようになり、小さなことがきっかけでパニックみたいなって冷静に判断できないことが増えていた。人の顔を直視できなくなり、私の表情から笑顔が消えた。
あ、これはまずい。
自分の中で、警告アラームが聞こえたような気がした。このままだと、きっと私は本当に“病気“になってしまう。きっと、そのギリギリ手前にきてしまっている。ここで自分を止めないと、もう手遅れになる気がする。そんな危機感を感じた。
心臓がバクバクと音を鳴らす。おぼつかない手つきでスマホを持って、心療内科を探して何件か電話をかけたが、初診予約なしですぐに行けるところはなかった。もうどこでもいいからと、翌日に休みを振り替えて、予約なしでも行ける精神科に行くことにした。心療内科でも精神科でもなんでもいい。とにかく、早く、早く、楽になりたかった。
翌日、精神科へ。誰もいない、白くて広い待合室でぼーっと待っていると、番号札で呼ばれて、緊張しながら診察室に入った。そこにいたのは、少し年配の女性の先生だった。
「今日はどうしましたか?」
おずおずと、昨年あったことから今に至るまでをかいつまんで話していると、私が最後まで話し切る前に、先生は遮るように言った。
「もう辞めたら?」
びっくりして目を丸くしてしまった。
先生は続ける。
「あなた、うつ病手前の状態よ。診断書を書くから、それと手紙を書いて郵送して、もう明日から休んだらいいじゃない。」
ええぇぇぇ・・・ そんなの・・・ありなの???
いや、確かにもうやばいと思って精神科に駆け込んだのは私。確かにそうだけど、そんな方法を使って辞めるのってありなのか?ちゃんと、上司なる人に会って、診断書と退職願を出して、話し合う必要があるんじゃないのか??
パニックしながらも、先生にそのように伝えた。
「もうその会社と縁切るつもりなんでしょう?それならいいんじゃない?そもそも、今の状態で会社行けるの?」
その言葉に、もう無理ですぅぅぅぅ・・と泣き出してしまった。
「じゃあ、診断書を書くわね。抑うつ状態で1ヶ月間の休養が必要って書いておくから。薬は、毎晩1錠の効き目がゆっくりのものと、頑張るぞっていうタイミングに1錠飲むものを出すわね。これは4〜6時間で効き目が切れるからね。依存にならないような内容で処方しておくね。まぁ、職場を離れたらよくなったって患者さんは多くいるから。離れる期間があれば大丈夫だと思うわよ。」
これからどうしたらいいか、何をすべきなのか分からず、呆然としている私に、先生は言った。
「診断書には強制力はないの。でも、自殺しちゃう人もいるから、ちゃんと会社に提出した方がいいと思うわ。他に聞きたいことはある?」
どうするか考えますと伝え、診察室をあとにした。
診断書を薬を手に、これからどうするかなと、途方に暮れた。
正直、勇気が出ないと思っていた。診断書を出して退職しようとすること自体、自分を許せない気持ちもあった。逃げていると思ったから。でも今の状況で、そんなことはもう言っていられなかった。
大切なのは、自分の心と体。
健康でなければ、できないことがたくさんある。病気になってしまったら、得たくても得られない未来もきっとたくさんある。そう思うと、今少し勇気を出して状況を変えるだけだ。逃げて何が悪い。もうここまできたら、逃げるが勝ちだ。そう決心して、次の日は死にそうになりながらもなんとか出勤。心拍数が爆上がりの中、上司に電話した。
そこからは、トントン拍子で話が進んだ。上司は、私の様子がおかしいことに気づいていたらしい。「明日から1ヶ月休んでいい。」とのことで、休むことになった。上司にはあわせて退職希望も伝えていたのだが、それは休養中に考えようと保留にされた。
上司は言った。「今のあなただったら、どこに行っても同じだと思うから。」
よく聞くやつだ。本当にそうなら、今こうなってはいないんじゃないか。そんな風にも思ったが、ぐっと飲み込み、静かに心をシャットダウンした。
休養2日目に、労務の人から電話があり、「○○さん(上司)から、退職を受理してあげてって連絡があって・・・」と。結局そうなるんだな、と思いつつ、事務手続きについて話を進めた。
そんなこんなで、8月末での退職が決まった。
メンタルダウンで休養になっているので、出社して行う引き継ぎはなし。正直、「何よりも一番めんどうで誰もやりたがらない人間関係」という仕事を1人で引き受けていただけで、どうしても私じゃなければわからないことはそうもない。最後の日に私物は持って帰ってきているし、私としては問題なかった。会社も、きっと私1人がいなくなったところで、大きな問題ではないはず。なんだかんだで、進んでいくのが会社というものだ。
私はというと、やっと解放されたという気分。本当はもっと早く判断することもできたかもしれないけど、きっと、今がタイミングだったんだろう。
これからどうするのか、どんな仕事がしたいのか、正直まだわからない。恥ずかしい話、過去2回の転職において、自己分析など全くせずに流されてきた。それもそれだと思ったけど、結果こうなっているんだからプラスには働かなかったんだろう。
次の仕事を探す前に、まずは自己分析をしてみようと思う。疎かにしてきたことは、なんでも後から追いついてくるし、それもその一つ。そして、きちんと自分と向き合って「自分の人生を大切に選ぶ」という作業を進めていく。ただ、それだけだ。
8月末までは、まだ少しある。何も問題なく進むといいなと思う。
まぁ、何があったとしても、もう私は私の人生を歩き始めた。誰にも決められないし、誰のものとも比べられない。
私は、がんばる。私が私らしく生きていくために。
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