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わたし色のバレッタ

 ミュージック・ビデオを観た時、目を疑った。

 いつかは来ることだが、まさか彼女が羽ばたくなんて。それも、ミュージック・ビデオで発表するなんて。彼女が若くして飛び込んだ世界は、私たちに想像もできないほど深い水の中だっただろう。だが、いつだって彼女は強かった。少なくとも、ファンに見せる姿は、誰よりも凛々しかった。

 私がそんな彼女を見つけたのは、『太陽ノック』の頃。何故だか、この頃の記憶が強く残っている。今になって記録を読み返してみると、なんと彼女はこのシングルで選抜入りしていない。なのに、何故こんなにも記憶に残っているのか。理由はわからない。

 それより、あの目を見てほしい。まっすぐ見つめる目が、本当に美しかった。なにより、メイクと髪型に注目してほしい。どんな髪型も、メイクも、彼女はよく似合っていた。番組の企画で向井葉月さんをコーディネートしていたけれど、もともと素敵だった彼女がもっともっと素敵になっていた。

 乃木坂46には数多くの優れた表現者が在籍している。生田絵梨花さんはその代表例だろう。2011年に1期生が加入してからもうすぐ10年になるが、日本を代表するアイドルのひとつとして燦然と名を残している。

 だが、今回卒業する彼女が加入した時期(2期生たちの加入)は、まだまだ“日本を代表する”という枕詞が付く前だった。ファンになる前だったので詳細は控えるが、加入後いきなりセンターに抜擢された際、かなりの議論を呼んだらしい……ということは見聞きした。そんな荒波を乗り越えてきたからこそ、彼女たちは本当に強くなった。

 先週の『乃木坂工事中』を観た時、何気ない光景であるにも関わらず、泣き出しそうになってしまったのは必然だと思う。その関係性に比喩表現ではなく、思わず涙が止まらなくなってしまった。

 伊藤純奈さん、北野日奈子さん、新内眞衣さん、鈴木絢音さん、寺田蘭世さん、山崎怜奈さん、渡辺みり愛さん。そして……

 堀未央奈さん。8年間、本当にありがとうございました。

 (この書き方だと、みんなが卒業すると思ってるみたいになってしまいましたね……)

 『こんな時だけ……』と言われるかもしれないけれど、あえて言葉にします。2期生のみなさんが大好きです!

 1期生も、2期生も、3期生も、4期生も、みんな大好き。どんな未来が待っていようとも、みなさんに出逢えて、みなさんをファンとして推せて倖せです。

 (今回のエッセイは本来3月28日に公開しようと準備をしていましたが、いろんな思いが溢れ出してしまって、なんとか3月中に出そうということで今日アップいたしました。)

 2021.3.31
 坂岡 優

最後までお読みいただき、ありがとうございました。 いただいたサポートは取材や創作活動に役立てていきますので、よろしくお願いいたします……!!