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【倫理の指導案】フランクフルト学派×勉強に正解は必要か。(ディベート)
本授業のターゲット生徒
なかなか自分の意見が言えない生徒
勉強ってなんのためにしているのか
みんな揃って教室で同じ方を向いて
同じ内容を学ぶ意味があるのか
今学んでいるソレは、何になるのか。
|授業の概要|
分野:フランクフルト学派(フロム・アドル・ホルクハイマー・ハーバーマス)
テーマ:勉強に正解は必要か。(ディベート)
目標:身近な物事について考え、自分の考えを他者に伝える
|筆者の紹介|
この記事を書いている人:
ゆとりんり(現役倫理教員)
新卒で倍率100倍の民間企業に就職後、教員に転職
教員採用試験の採用枠1枠に1発合格
教採の勉強は働きながらの完全独学
ブログで「ちょっと変わった授業アイデア」まとめてます。
|このページの見かた|
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\導入(民主主義について)/
今回のフランクフルト学派については、世界史を学ぶとより感情を動かされる学びになります。ですが、生徒にはそこまで求めると頭がパンクしてしまうかもしれません。
今回はフランクフルト学派について学びます。登場人物の思想は政治と切っても切り離せないので、背景も紹介しながら行きます。
日本は民主主義ですが、イギリスのかつての首相がこんなことを言っています。が皆さんはこれに対してどう考えますか?
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日本に住む我々はどこか民主主義がいいものであると植え付けられています。否定する訳ではないですが、民主主義とは最悪の事態を引き起こさないベターな制度に過ぎない気がします。ここで注目したいのは、教育はその思い込みを生んでいいのかという点です。
皆さんは民主主義はいいもの。独裁は悪いもの。なんて答えましたか?どこからそれを学んだのですか?というか、学んだ結果がソレでも良いのですか?
先のチャーチルの言葉には続きがあります。
「民主主義は最悪の政治形態だ、と言われてきた。これまで時折試されてきた他の一切の政治形態をのぞいては。」
どういう意味だと思いますか?
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\展開(ドイツの時代背景)/
独裁がいいものとは言いません。しかし、かつては人々が望んだ結果独裁が生まれたケースもあります。フランクフルト学派とはそのような時代に出てきた人たちです。
民主主義は最悪、では独裁は?皆さんは独裁を望んだことがありますか?多分ないと思います。でもかつてのドイツをちょっとみてもらいたいのです。
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ドイツではヒトラーがナチ党を率いて一党独裁の体制に入っていきます。選挙で選ばれた結果、こうなったのです。では民衆は「疑わしい…」ってならなかったのでしょうか?なぜこうなったと考えますか?(グループで共有)
\展開(フロム・アドルノ・ホルクハイマー)/
3つの考え方を紹介します。メインは自分たちで考えるディベートにあるので、今回は情報を与える回となります。
なぜ独裁が生まれるのか、精神的な面から考えたのがフロムです。
科学化で神から解き放たれ自由となった人類。ですが、自由は自由で何をしていいかわからなくて不安です。そんな時人々は権威を求めるのです。
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一方で、かつて勉強したプラトンは次のように考えます。
自由を求める欲求の高まりで人々は革命を起こします。すると各地で無政府状態が誕生し、統治を嫌がる民衆の指導者の中から独裁者が生まれるのだ。
フロムが言ったように、神の時代から科学の時代へ移ったことで精神的変化があったとも言えますが、アドルノ・ホルクハイマーは仕組みに着目します。
神の時代から理性の時代へ進歩するというのが一般的な考え方ですが、アドルノとホルクハイマーは別の捉え方をします。理性化が進むことで、目的遂行のため正解をただ受け入れる道具的理性が生まれるようになったと考えたのです。
\展開(ハーバーマス)/
アドルノ・ホルクハイマーのように考えるならば、教育は逆効果です。理性をうまく使い、正解を与えるからついてこい!と独裁が生まれます。
教育がいかに大事かということなのです。
皆さんなんとなくで勉強していませんか?答えを受け入れるだけでは道具的理性になると言われていますよ。答えを与える教育は良くないのでしょうか?
一方でハーバーマスは、対話で正解を導き出す理性が大切と言っています。確かに理性によってファシズムが生まれたが、なんやかんや理性は大事ということです。
でも対話の代名詞「民主主義」は人によっては最悪だそうで…。何が正解なのでしょうか?
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\展開(ディベート)/
ディベートに入っていきます。政治の話から始まり、教育に内容は移り変わりました。ディベートのテーマは教育ですが、政治まで繋がっているんだという意識を植え付けることができれば理想です。
正解を与える教育はファシズムへ。対話で正解を導き出す民主主義は最悪。だとすると、現代において理想の教育とは何なのか。今回はそこに着目しました。
ディベートなので2つのチームに分かれて主張を展開してもらう形になります。今回用意したのは「正解を与えるか」「正解を考えるか」の2つ。今回の授業では、主張を展開する素材探しの時間。次回がディベートという流れが理想でしょう。
今分かれてもらっているグループごとに担当する主張を決めます。求められるのは、正解を与える授業か、考える授業かです。
今日の授業、残りの時間で、次の時間に論を展開できるように準備してもらいます。次回ディベート本番です。
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ディベートの流れについては、以下のサイトを参考ください。
|スライドのダウンロードはこちらから|
以下の有料記事では、記事中にもある「Googleスライド」を丸々全部ダウンロードすることができます。(記事中で紹介しているスライドは一部です。)
ダウンロードできるスライド
・形式:Googleスライド
・ページ数:全12ページ
・設定:2〜3時間分
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