寿司の話

ごはんを食べることは人並には好き。
好きだけど、私は食にあまり関心がない。

「せっかく食べれるならおいしいものがいい」
「この料理がおいしいお店に行こう」
と周りの人は言うけど、
正直いってそんなものはどうでもいい。
胃に入ってしまえば全て同じじゃないか。と。


今思えば、幼少期からの家の食事環境が起因しているのかもしれない。


家(うち)は、家族揃って食事をしていても“一家団欒”のいの字もないような家庭だった。

誰かが誰かに暴言を浴びせれば、
途端にお通夜状態。それは今でも健在。
ひどい時には箸や茶碗が飛んできた。
常に空気を読んで機嫌を伺わないと
平和な食卓は訪れない。

だからずっと「食事というものは楽しくないことだ」と思っていた。食事は無言で食べるもの、一家の主の機嫌を損ねてはいけないもの、そういう意識で育ったので、おいしい食事をおいしいと正常に感じられる能力が著しく欠けていたように思う。(お通夜状態での食事は今でも軽くトラウマの為、心臓がバクバクしてしまう)

「好きなものは?」と聞かれても、すぐに答えられない。食べたときにこれは好きだと思っても後々覚えられないから。

私ってば、よっぽど関心がなかったんだろうなあ。

そんな時、私の食に体する意識を180度変えた作品、
「将太の寿司」と出会った。


きっかけは、Twitter。
ちょうどあるサイトで無料公開をしており、TLに頻繁に流れてくるのを見かけたことから。

グルメ漫画はあまり読んだことがなかったのだが、
ネットの評判通り。
将太の寿司はすごく面白かった。

心底笑ったし心底泣いた。

将太の逆境に立たされても諦めずに挑戦する姿を見て、
私も頑張って生きようと思えた。

これを読んで本当に心を救われた気がした。

今まで苦手だった寿司も大好物になったし、好きな食べ物、嫌いな食べ物の認識もきちんとできるようになった。(逆にできなかったのがおかしい)

食べるだけでなく作る側にも興味が湧いたし、料理番組も視聴するようになった。

おいしいものをおいしいと思えるようになった。

何より、おいしいという感情に疑問を感じなくなった。

私が変われたのは、本当に将太の寿司のお陰なので(謙遜とかではなく)、作品を世に出してくれた寺沢大介先生に感謝しかない。土下座したい。なんなら靴も舐める勢いで。
ありがとう。ありがとう。 将太の寿司オタク最高~~!!

最終的に将太の寿司宣伝noteみたいになってしまったが、本当に名作なので読むことをおすすめしたい。

スキマ、マンガZEROなどでも全話配信しているので、是非、この機会に。
1996年に柏原崇主演でドラマ化もしているのでこちらも。(主題歌は小沢健二の「ぼくらが旅に出る理由」)
あと、今年の10月に東京にて将太の寿司オープンというクイズ大会が開かれるそうなのでそちらに行ってみてもいいかもしれない。カオスな会場になりそうだけど。






生活費。