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紙切れの呪縛

なんとなく気分が晴れないな…と思っていたら、お金のことだった。
先日、あるサブスクを無料期間中だけ試してみようと思って登録したのだったが、結局一度も使わなかったうえに、解約するのを忘れていて月額料金が請求されてしまったのだ。慌てて問い合わせフォームから請求の取り消しをお願いしてみたが、ダメだった。後の祭りだ。
今までの人生で何度も経験したことではあったけど、さすがにこれだけは何度経験してもきつい。

裕福な家庭で育ったわけではなく、むしろ子どもの頃は胸を張って貧乏だと言えるような生活をしていたので、当然無駄遣いなんかすると親に怒られるわけで、「お金が減る」ということに対して人一倍恐怖心が強くなってしまった。
「お金が減る恐怖」というのは、投資などで一時的に出ていくお金に対しても同じように感じるようで、どう考えても今の時代は、つみたてNISAや新NISA、iDeCoのような投資信託はやっておいた方がいいということは知りつつも、「まだ勉強不足だから」という理由で未だに踏み出せないでいる。(というか1年ほど前にSBI証券で申請したけど、書類に不備があったのか何なのかしらんが、それから連絡がなく放置状態)

だけど、もうこの「お金減るの怖い病」はどっかのタイミングで直さないと、ずっとお金を使うことに罪悪感を抱き続けてしまうし、そうしたら大きなチャレンジもできなくなってしまう。
低コストでできるチャレンジなら今までたくさんやってきたけど、もっと自信をもってドーンとお金をかけられるような何かがあったら、人生もっと楽しそうなのにな、とは思う。
とはいえ、今のところは、お金が減る不安を超えるほど全力で取り組みたいと思うものが、見つからない。(それはそれで良いことなんだけどね)

お金ってしょせんただの紙切れ(もしくは、ちっぽけな金属の円盤)なわけで、みんなの共同幻想でしかないのに、そこに囚われて気分が上がったり下がったりするのって、やっぱりちょっと情けない。
目の前のお金に囚われず、最低限自分が生活するためのお金は稼ぎながらも、好きなことをしながらのびのびと生きている人を見ると、「ああ、自由だなあ」と思う。
最近、「FIRE」(経済的に自立して早期にリタイアすること)という言葉をよく耳にするようになったけれど、本当にお金から自由になるっていうのは、たくさんのお金や資産を持つことじゃなくて、お金という概念そのものから解放されることなんじゃないかなと思う。
綺麗ごとなんかではなく、そのように考えないとどんどん自分が苦しくなっていくような気がするのだ。

社会人5年目。もちろん、今までは親の扶養から抜けて自立する上で、お金の心配は必要なものだったと思うんだけど、もうそろそろ、そこから脱け出してもいいんじゃないかな。

富と豊かさはイコールではないのに、気を抜くとすぐに、富は豊かさや神さえも超越しようとする危険性を孕んでいるんです。

佐藤 優『仕事に悩む君へ はたらく哲学』より

富じゃなく、豊かさを蓄えよう。
これからの人生で何があるかわからないけど、”何かあったときのために”生きるんじゃなくて、今を生きようと思う。


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