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伝説となったシャルケとのダービーのあとの香川真司を振り返る【「心が震えるか、否か。」発売記念☆毎日更新!8日目】

*トップ画像はダービー翌日、ドルトムントに本社を置く「ルール・ナハリヒテン」紙の一面を、漢字とともに掲載された香川選手が飾りました。

シャルケ04とのレヴィアーダービー


「心が震えるか、否か。」はいわゆる「書き下ろし」で制作されました。

「書き下ろし」というのは、この本のために新たに書かれたことを意味します。世の中には数多の本がありますが、雑誌やwebなどにすでに掲載された文章をまとめる形で作られた本もかなりあります。

「生涯で唯一の本を作るつもり」で制作されたから、この本が「書き下ろし」で構成されているのは当然です。

ただ、1か所だけ過去のSports Graphic Numberの通算763号(←クリックすると当時の目次と表紙が見れます。2010年9月30日発売)に「シャルケ04×ドルトムント 歓喜と絶望のレヴィアー・ダービー」と題されて掲載れた記事が、この本にも転載されています(第3章のP91~P97までのおよそ7ページにわたって転載)。

この部分だけ過去の記事を載せたのは、当時の空気感や熱量を伝えた方がよいという判断からでした(転載を許可してくださったNumber編集部のみなさんの理解があってのことですが)。

それゆえに、雑誌発売当時は紙面の都合で一部しか載せられなかったクロップ監督のコメントを1か所だけ加筆した以外は一切、手を加えておりません(当時の雑誌をまだお持ちの方は読み比べてみると、わかると思います)。

というわけで、今回はそのダービーで2ゴールを決めて、ドイツ中に名前を知らしめた直後の香川選手のコメントをほぼ丸ごと掲載します。

ドイツメディアとTVのフラッシュインタビューを受けたあと、香川選手は笑顔を浮かべながら「TVのインタビューも聞いていたから、これ以上、僕に質問することないんじゃないですか?(笑)」といってから、取材に答えてくれました。


――試合を振り返ってもらえますか?
「立ち上がりからドルトムントの勢いがシャルケを圧倒していました。その中で1つチャンスがあったんですけど決めきれかった。すごく良いサッカーをしていたので、前半のうちに1点決められたらいいなと思っていたら、それが入ったので、楽に戦えたかなと。今日はみんなの気持ちが本当に一つになった試合だと思います」

――大切なダービーで2ゴールというのは最高の気分では?
「欲を言えば、3点、4点と取れるチャンスがあったし、そういうところを取っていければ……。前半のうちに2-0になっていれば楽に戦えていたとも思いますし。ただ、今日は勝つことが大事だったので。自分の得点よりはチームが勝利したことが……。サポーターと一緒に喜ぶ姿を見ていると『本当に大事な試合だったんだ』と改めて感じたので。今日は勝利できて本当に良かったです」

――先制ゴールはドリブルから始まりましたが、どのようなイメージを抱いたのですか?
「それ以前にも一対一の場面からすごくチャンスがあったので。なかなか得点が入らない状態でしたけど、上手く前を向けました。相手がいましたけど、あそこでシュートが入ってくれた。それまでチャンスを外していたので、ホッとしたかなと。ただ、1-0で前半を終えたことはチームにとってはプラスだったと思います」

――たしかに、先制ゴールの前にはチャンスもかなりありましたね。
「シャルケが受け身になっていたというか、俺らの勢いや、仕かけていく姿勢にビビっていた感じがあったので。最初の5分くらいで、『これはいけるな』というのを改めて感じたし。その中でゴールの前にもシュートを決めるチャンスがあったので。あそこで決めていれば、もっと点を取れたかなと思いますけど。ただ、その後にしっかりと決めたことは、少し成長したというか、良かったんじゃないかなと思います」


――アウェーの雰囲気については?
「アウェーで、シャルケサポーターがすごく多かったですけど、すごく気持ちよかったです。でも、やっぱりホームで決めるゴールに勝るものはないというか。ホームで決めることは格別というか、特別なので。次のダービーがあったら、そこで決められれば最高なのかなと思います」

――この舞台でもやれる自信が得られたのでは?
「そうですね。本当に全然……やれると思うし。ドルトムントはすごく若くて、良いチームなので。順応出来ているというのを実感できでいます。勢いもあると思いますけど、これを継続することが大事だと思います。本当に試合が、次から次へと来る感じで。今週を乗り切って、来週はヨーロッパリーグとバイエルン戦がある。それを乗り切ったら、今度はまた代表の試合がある。本当に1週間、1週間、気を抜ける試合がないので、体調や気持ちをコントトロールするのも大事だと思いますね」

――事前にドイツメディアに「ダービーでは2点を決めたい」と宣言していた通りの結果になりましたよね?
「あのときはそう言っただけで、そのことは今日の時点でもう頭になかったし。勝つことを大事にしていたので。それが2得点という、最高の結果になったと思います」

――右MFに入ったマリオ・ゲッツェとのコンビネーションは?
「マリオは良いポジションをとっていて、お互いを見れていると感じているので。パスも来ますし。そういう意味では相手との間、ギャップの部分で上手くポジションをとれていて、シャルケも僕らをつかめきれていなかったので。楽しくプレー出来たし、良い感じでコントロール出来たと思います」

――先制ゴールはそのゲッツェがドリブルでつっかけ、こぼれたボールを拾ってから決めたものでしたが?
「今日は前半からそういうごちゃごちゃしたところでこぼれることが多かったので、狙っていました」

――あのゴールの後は嬉しそうでしたが?
「やっぱり、このダービーで決めるか決めないかで、だいぶ違うので。それは嬉しかったですよ!」


――前半にはその後もチャンスがあったのに決められず、後半になって相手が前に出てきた。嫌な予感はしていませんでしたか?
「後半の立ち上がりからシャルケが出てきて。僕らのラインは下っちゃいましたけど、ボールにはプレッシャーをしっかりかけにいけて、相手選手に対してもプレスがかかっていたので、そこまでは……。まぁ、後半のはじめの相手の攻撃をしのぎいって、カウンターから一発。理想通りの展開でした」

――2点目のシーンは相手ディフェンダーの視野から上手く外れることができたという手応えも?
「あの辺に入っていったらボールが来るんじゃないかなという感覚で。(ニアサイドに)バリオスがいたから、そこで引きつけられた部分もあったと思うし。2列目からうまく入り込んだ感じで、最後は普通に決められました」

――いまはトップ下のポジションにやりがいもあるのでは?
「本当に、すごく楽しい。それしか言えないです」

――2点目のクロスはゲッツェと交代で入ったクーバ(ヤコブ・ブラシュチコフスキ)からのものでした。周りが誰でも良いコンビネーションを作り出せる自信が?
「選手一人ひとりの特長はオレの中で把握しているし。クーバは縦への突破力があるので。それが2点目につながりました。あそこにボールが来ると感じたましたし」

――2点目を決めたあとサポーター席の方に向かって行ったのは気持ちに余裕があったからですか?
「キレイな形でゴールが入ったのでね。ドルトムントのサポーターはかなり喜んでくれていたし、点取ったあと、進行方向に彼らがいたので。『サポーターが一番、気合いが入っているわ』と思うくらい熱かったので、あそこに行けて良かったです」

――交代でベンチに下がる際にはサポーターから「香川コール」を受けていましたが?
「欲を言えば、オレはずっと試合に出続けたいので。交代する要因があったとすれば、ミスが続いたからなのかなと。90分出ることにこだわっているので、悔しさもありました。ただ、相手からはブーイングされたり、(ドルトムントファンからは)歓声が沸いたり、そういう中で(ピッチを)出れるのは気持ちよかったです」

――ダービーで決めたことで新たな信頼も?
「ダービーで勝つというのは本当に大事だったので。これでさらに、サポーターや周りの選手から信頼を得られたんじゃないかなと思っています。あとは、ドイツ語を覚えていったら、もっと楽しい生活になるだろうし、サッカーにもつながると思います。

やっぱり、もっと、もっと、上を目指してやりたいので。結果を残し続けていれば、色々なことが返ってくるものなので。オレは結果を残し続けて、ヨーロッパでアピールするしかないかなと思っています」

――これでチームも3位に浮上ですが?
「一番上を目指したいので。次からは1部に昇格してきたばかりの2チームとの連戦ですけど、絶対に取りこぼさないようにしたいです」

――ただ、ドルトムントの場合は控え選手も結果を残していますよね。
「そうですね。あまり結果を残されたら困るので(笑) (負傷中のモハメド・)ジダンもいますし、うかうかしていられないので。この前のヨーロッパリーグで途中交代を命じられたときは悔しかったですし、『このままではヤバい』という感じでいたので、今日の試合は大切でした。試合前から自分にプレッシャーをかけてやったので、それがいい方向に働いてよかったと思います。やはり、その辺は競争なので。若い選手も多いのですから」

*リーグ2連覇を決めたあと、リーグ最終戦のジグナル・イドゥナ・パーク。サポーターがピッチになだれこんでいった

今後のメディア掲載・出演情報 

!NEW! 

4月7日24時(8日午前0時)からスカパー!の「スポーツライブ+」のブンデスリーガのプレビュー番組「Pre Meister」でミムラが出演しますが、そこでもこの本を紹介させていただく予定です。無料放送&無料配信中の番組スケジュールなどは以下をご覧ください。


日本最多アクセスのスポーツサイト「Sportsnavi」にて本日、第1章の最初の2つのエピソードの全文が公開済。

4月7日に第2章の最初のエピソード全文が公開予定です。今後のスケジュールや詳細は以下から。


4月6日: 神戸に本社を置くラジオ関西「谷五郎の笑って暮らそう」

10時40分すぎからミムラ出演予定。本についてお話します。



「心が震えるか、否か。」を買いたい方のための購入先リンク集


主な販売サイトのリンクを以下に貼らせていただきます。

アマゾン https://amazon.co.jp/dp/4344037227

楽天  https://books.rakuten.co.jp/rb/16680856/

紀伊国屋書店 https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784344037229

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