いろどり野菜とアンチョビのラタトゥイユ
夏野菜がおいしい季節になってきた。そうなると無性にほしくなるのがラタトゥイユ。もう8年も前のことだけど、常夏のタイにいたときには、しょっちゅうつくっていた。
8年前、半年ちかく滞在したバンコクでは、ホテル暮らしだった。ひととおりの設備がそろった部屋だったので、スーパーや路上で食材を買ってきては、ちょっとした調理をすることができた。ラタトゥイユは、いつの間にかわたしの定番メニューになっていた。
これは当時の写真。フェイスブックが引っ張り出してきてくれた。そのおかげで、またつくりたくなってしまったというわけ。
タイには、ナスの原種がいくつかあって、どれも小さいので、そのまま放り込んで調理した。見なれない原種ナスを何種類か買い置きしておいて、その日の気分で中身を変えるのが楽しかった。
テレビだったか、雑誌だったか、どこかで知ったのだと思う。トマトをまるごと入れて電子レンジで調理して、あとからトマトの皮をずるっと剥く方法。その方法をとりいれて、試行錯誤で自分なりのラタトゥイユ・レシピができていたのに、もうすっかり忘れてしまった。
だから、うろ覚えで適当につくった。以下、そのうろ覚え&即興レシピ。
材料(数人分)
ナス:1本
ズッキーニ:1本
かぼちゃ:1/8個
トマト:1個
タマネギ:1/2個
ニンニク:1片
カラーピーマン:1/2個
アンチョビ・フィレ:3片
ミックスビーンズ:1袋
オリーブオイル:大さじ2
バルサミコ酢:小さじ2
塩・胡椒・パセリ:好みで適量
下ごしらえ:ナスとズッキーニは輪切りに。カボチャは5ミリ厚ぐらいでスライス。タマネギはクシ切り。ニンニクは薄くスライス。トマトは横半分に切って、十字に切れ目をいれる。ヘタまたはヘソ(ヘタの反対側ね)は残しておく。
手順1:耐熱容器にナス、その上にズッキーニをならべる。さらにその上に、カボチャ、パプリカ、タマネギ、ニンニクを散らす。
手順2:アンチョビをならべ、その上に半分のトマトを伏せてのせる。
手順3:上から、オリーブオイル、そしてバルサミコ酢を回しがけ。
手順4:耐熱容器に蓋をして(蓋がなければラップがけ)、600Wで4分間、電子レンジにかける。
手順5:電子レンジから出して、軽く混ぜる。ミックスビーンズを入れる。今回つかったミックスビーンズは、いなば食品の「そのままミックスビーンズ」。ガルバンゾ、レッドキドニー、マローファットピースが入った1袋70グラムのもの。これはそのままサラダにも使えるすぐれもの。
手順6:ふたたび蓋をして、電子レンジ。600Wで5分間。
手順7:レンジ調理が終わったら、トマトの皮を剥ぐ。切れ目をいれているので、切れ目の端をつまむと剥きやすい。ヘタ部分は包丁で切り取る。好みでパセリやコショウをトッピングしてできあがり。
◆
塩味はもっぱらアンチョビから。なので、物足りないと感じる場合は、食塩で要調整。わたしはアンチョビだけで満足だった。
実は、容器に入りきらなかったので、ふたつに分けた。片方は、アンチョビが少なくなったので、あとから塩コショウをふってみた。見出し写真のものがひとつ目の容器、下の写真が塩コショウとパセリをふった、もうひとつの容器。
塩味のもとにしたアンチョビは、もちろんペーストでも良いのだけど、フィレだとアンチョビだけの味も楽しむことができる。野菜から大量の水分が出るので、その水分にとけて、ペーストのほうが割と均一に塩味が拡散するかもしれない。どちらを選ぶか、そこは完全に好みの問題。
ちなみに、今回のアンチョビはこれ。スカーリアさんのアンチョビフィレ。素朴なパッケージがとってもカワイイ。旗マニアのわたしは、このパッケージのシチリアの旗を見て即決した(え、そこ?)のだけど、おいしくてアタリだった。
層状に具材をならべたのにも、いちおう理由がある。水分も油分も、重力によって上から下へと移動する。だから、いちばん油を吸ってほしいナスが一番下で、その上にズッキーニ。さらに上がアンチョビ。そのアンチョビをトマトが押さえこむような感じになる。
夏野菜は、見た目にも色とりどりで嬉しくなる。調理前に並べてスケッチしておいた。
今回、ニンニクが控えめだった。妻には、「今はマスク生活なんだから、気にせずもっとニンニクを使えば?」と提案されたので、次回はニンニクを増やそうと思う。ラタトゥイユは、いろんな具材が使えるのが楽しい。しかも電子レンジだとすごく簡単。この夏、いくつかのバリエーションを試してみようかな。
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