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【実況する美術鑑賞#33】青木繁「わだつみいろこの宮」【毎日60分で1記事】

名画を鑑賞して実況しながら、毎日1時間でnote1記事作っています。

<ルール4.0>
・なんとなく知っているけど、よく知らない作家作品を一つ選ぶ。
・作品を3分鑑賞しながら実況し、文字起こしする。
・15分を目安に作品について調べる。
・必要あれば再度作品をよく見る時間をとる。
・5分で調査の結果なども含めて再度鑑賞実況し、文字起こしする。
・30分を目標に文字起こし内容を編集する。
・上記の作業を1時間で完成させNOTEの記事にする。
・ほぼ毎日続ける。
・名称を【実況する美術鑑賞】作家名「作品名」【毎日60分で1記事】とする。
(2021.9.23改定)

では、まず作品を3分鑑賞して、発見したことを書き出します。
今回の作品はこちら

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・3分の鑑賞で気づいたこと


また青木繁さんの絵です。3人の人が写っていまして・・下の方には女性ですね、左に赤い服を着た人と、右には白い服を着た・・ドレスのような不思議な服を着てますね。

Paradise_under_the_Sea_by_Aoki_Shigeruのコピー

赤い服をまとった人は、足元から泡が出てますね。2人は壺みたいなのものを持ってですね、壺には勾玉が付いていたり変な模様がついていたりして、ちょっと縄文土器っぽいんですけど・・でも縄文土器にしてはつるっとした感じもあるかなぁなんていう風に思います・・

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足元にはサンゴとか海藻とかが生えてて、一番下は井戸の入り口なのか、プールの入り口みたいのがあって・・で、その地面からまた大きな木みたいなのが生えていてその上に裸の男性がいるという、神話っぽい感じですね。

勾玉とかつけてるので、日本神話的な・・ヤマトタケルとかそんなイメージかな・・確か「わだつみ」ってタイトルで、海に関係してると思うので・・だから女の人も乙姫様的な感じも少しあるし・・

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この男の人が座ってるあたりが・・普通にフェンスみたいな感じもするんですよね。だからすごい神話的な感じもあるんですが・・特に白い服を着た女の人の奥に見える模様がなんかフェンスみたいな・・作り物っぽい、セットみたいな感じもしちゃうんですよね・・

Paradise_under_the_Sea_by_Aoki_Shigeruのコピー22

男の人の顔の周りには、明るいものが光ってるような感じがして、西洋の宗教画っぽい感じも・・頭の周りに円盤みたいなのがねあるとかね、そんな感じもしたりとかですね・・

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木みたいなものを裸の男性は背負ってるんですが、それが羽のようにも見えたりとか、集まった鳥のようにも見えたりとかですね・・あとはまとわりついてる枝とかが蛇に見えたりとかして・・

だから日本の神話とか、ギリシア神話とか、キリスト教的な・・旧約聖書的な世界とか、いろんなものが混じってるような感じも見受けられたりするなーって気がします。

・作品・作家について
青木繁
「わだつみいろこの宮」1907年


参照:


・さらに5分の鑑賞で考えたこと

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この絵は古事記の「わだつみいろこの宮」と言う場面の絵だそうで、確か前見た「海の幸」もモチーフになってたと思うんですけども、海幸彦と山幸彦の兄弟の話で・・

お兄ちゃんから借りた釣り針をなくした山幸彦が、それを探して海の底に行って、そしたらそこに宮殿があって井戸があったと。その井戸に水を汲みに出てきた侍女が木の上にいる山幸彦に気づいて、「わだつみ」って「海の神・海神」と書いてわだつみなんですけど・・その娘の豊玉姫を侍女が呼んで、そこで山幸彦と豊玉姫が出会って・・この赤い服の人ですね豊玉姫。後に二人は結ばれるというところだそうです。

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「いろこの宮」、「いろこ」=鱗っていう意味で、この海神の宮殿が鱗で作られてるようなものだったっていうことで・・だから僕がフェンスだと思ったって部分は、鱗模様の宮殿の柄だったんですかね・・後ろが透けてるように見えたんですけどね、そうじゃなかったみたいですね・・だからフェンスに見えたんでしょうけど、これ鱗的な壁の文様だったってところですね。

Paradise_under_the_Sea_by_Aoki_Shigeruのコピー22

青木さんは色々ギリシアとか西洋の神話をいろいろ読んで参考にするというような作風があったみたいで、この前見た「海の幸」も割と神話的な世界が描かれてたんじゃないかっていう話がありましたけど、今日見た「わだつみ」はもろに神話の古事記の内容っていうことだったんですね。ただ、海の幸」に比べるとちょっとその乱暴な感じがちょっと薄まってるみたいなことを書いてある書籍もあったんです。

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確かに「わだつみ」はまとまってるなーっていう感じですね・・女性の服の感じとかに多少荒々しさは残ってるって感じもするんですけども・・「海の幸」にあったような勢いみたいのはないのかなみたいな・・

あと「海の幸」の中にすごい特徴的に鑑賞者と目が合う人物がいて、当時奥さんだったか彼女だったかの「たね」さんっていう人がモデルになってるんですけど、この絵の赤い服着た豊玉姫もたねさんの顔に似てるんですよね・・なんか眉毛とかね特徴的で似てる気がするので、もしかしてこれも「たね」さんがモデルかなと・・

A_Gift_of_the_Sea_by_Aoki_Shigeruのコピー

Paradise_under_the_Sea_by_Aoki_Shigeruのコピー23

そう思ったのはね、この山幸彦の顔もね、実在してる人っぽい顔なんですよ・・身近な人がモデルになったんじゃないかなあなんていうふうなことを思ったりしました。

Paradise_under_the_Sea_by_Aoki_Shigeruのコピー3

後、すごい縦長なのもそういえば気になって、もしかしたら高橋由一の「鮭」の時にあったような、日本人にとって絵って言ったら掛け軸の縦長が当たり前だったから、洋画もそういう風に縦長に描いたってそういう事かもしれませんが、


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すごく女性の背の高さが特徴的な気がするんですよ・・木の上に山幸彦がいたっていうことなので、わりと高さとかが重要な気はするんですけど、その割には女性の身長の高さが大きすぎて、そういう効果が微妙な気もするんで・・

でも、足元から見上げて行くときの時間を稼ぐと言うか・・目線が上に行った時の期待値を上げてくような・・そういう効果なのかなと思いました。

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一番下のは・・やっぱり井戸みたいだったそうなんですけども、そこからこの泡ですよね、結構この指先がしっかり描いてあって・・さらに泡に目がいきつつ・・この泡は綺麗ですよね〜すごい綺麗ですね・・泡をたどっていくと・・壺があったり手があったりしてこの豊玉姫の顔があって、その目線の先に山幸彦がいるみたいな・・

足先から泡に行って、豊玉姫の顔に行くところで期待値が上がっていく・・そういう効果がもしかしたらあるんじゃないかなあなんて思いました。 

あなたはどう見えましたか?
また次回!



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