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気ままな鑑賞エクササイズ#14 尾形光琳「燕子花図」

1時間でnoteを1記事作る、エクササイズのような鑑賞をやっていこうと思います。記事を読むだけでも、同じように時間を測って擬似体験してみても面白いかも。

<ルール2.0>
・以下の作品をまず3分鑑賞して、発見したことを書き出します。
・その後15〜20分、書籍やネットで作家・作品について調べます。
・さらに5分鑑賞をして、再発見したことを書き出します。
・25〜30分を目標に記事を編集します。・気ままに不定期で続けます。(2021.8.31改定)

では、まず作品を3分鑑賞して、発見したことを書き出します。
今回の作品はこちら

・3分の鑑賞で気づいたこと

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これも知ってるけど、まじまじと見たことはないという、そんな絵ですね。すごくなんだろう・・作り的にはこうシンプルって言うか、パッと見はなんかスタンプのように同じ柄が押してあるように見えるんだけど・・

でもさすがにスタンプじゃないですよね。それぞれの形は似てるけど・・同じところがもしかしたら何箇所かあるかもしれないけど・・やっぱりそれぞれが違う形に見えます・・形式は一緒だけど、一個一個は違うっていうふうに思います。

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あと意外にこの金箔なのかな、後ろが・・この金の色のところが・・これは金箔を貼った後なんですかね?ちょっとそれが筆の後にも見えるんですけども・・それも結構連続してるんだなぁみたいな・・

水平に短いタッチで筆を塗って行ったような、なんかちょっと李禹煥(リーウーファン)的なところをこの金箔のところに感じちゃったりしますね。

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花の根っこが描いてないから、水面とかね、金色の部分がなんか水面で、そこからこう出ている草のところを描いたのか、それとも何かちゃんと土に埋まっていて、それをこう編集して花の部分と葉の部分だけ抜き出して描いたのか・・どういう感じなんですかね・・

でもまあ本当の風景じゃないっていうか、もうこれはなんか今で言ったらデスクトップで作ったみたいな、そんな感じもしますよ。画面の中で、パターンを構成していて作っているようにも見えます。でもカットアンドペーストではなさそうだなっていう感じはしますね。

金箔が一層目にあって、この緑が1色とあと花に2色ぐらい濃いところと薄いところがあるって言う感じだからもう、3色プラス金箔ぐらいしか色を使ってないんですかね・・

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・作品・作家について

尾形光琳
「燕子花図」18世紀

・調べたこと

尾形光琳

江戸時代の画家、工芸家。名は惟富(これとみ)、通称は市之丞。

光琳の作品には制作年代を確定できるものは少ないが、多くの作品に「法橋光琳」の落款が見られることから、彼が本格的な絵画を制作したのは法橋位を得た44歳以後、59歳で没するまでの十数年間だと推定されている。光琳の代表作のひとつ『燕子花図』(かきつばた ず)屏風は、彼の作品中、比較的初期ものとされている。この屏風には「法橋光琳」の落款があるが、「法橋」の2字は別人による書き入れとする説が有力で、この説にしたがえば、『燕子花図』は光琳の法橋位受領以前の作品となる。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%BE%E5%BD%A2%E5%85%89%E7%90%B3

燕子花図

燕子花図屏風(かきつばたず)は、尾形光琳による18世紀(江戸時代)の屏風。紙本金地著色(着色)。光琳の代表作である[1]。国宝に指定されており、日本の絵画史上でも特に有名な作品の1つである。根津美術館所蔵。大きさは、縦150.9cm・横338.8cm。

『伊勢物語』第9段の東下り、燕子花の名所・八つ橋では、「から衣きつつなれにし妻しあれば はるばる来ぬる旅をしぞおもふ 」との記述があり、これは本作品の背景とされる。

なお、同じく光琳の作品である「八橋図屏風(メトロポリタン美術館蔵)」は、燕子花図と同様に金地に燕子花が描かれているが、橋がジグザグに描かれている。題材は同じである[3]。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%87%95%E5%AD%90%E8%8A%B1%E5%9B%B3
一部に型紙が反復して利用されるなど、一見、意匠性が際立つが、顔料の特性をいかした花弁のふっくらとした表現もみごとである。
https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/145427
原文
唐衣 着つつなれにし つましあれば はるばる来ぬる 旅をしぞ思ふ

 現代語訳
(何度も着て身になじんだ)唐衣のように、(長年なれ親しんだ)妻が(都に)いるので、(その妻を残したまま)はるばる来てしまった旅(のわびしさ)を、しみじみと思うことです。

 解説
この歌の作者は在原業平です。古今和歌集の詞書によると、この歌は都から東国へ旅をしたときに寄った、三河の八橋という所で詠まれた歌とされています。八橋を流れる沢のほとりにかきつばたが美しく咲いていたのを見て、かきつばたという5文字を和歌の(5・7・5・7・7の)各句の頭文字に置いて旅の気持ちを詠んだ歌です。この歌の各句の頭文字を取ると「かきつはた」となります。
https://manapedia.jp/text/4909
大胆な対称性は左右屏風の構図にもはっきりと現れている。向かって右隻では視点が低く置かれ、まっすぐに伸びた葉身は高々と花を支える。(略)一方、向かって左隻では視点は思い切り高くおかれ、右隅の最下部に置かれた花を付けぬ短い数本を起点として、花群は急にひしめくような曲線を描きながら左上方部の落款、印章に向かって上昇する。かくて左隻は対角線によってはっきりと金地と花群に分けられている。

光琳は宗達の「伊勢図」を何点か写すことも試みており、特にその東下りの段、八橋の挿話を好んだようである。この屏風の他にも、六曲屏風一双、団扇、扇面、掛幅、角皿、蒔絵手箱などに似たような図を描いている。

これらの作品の中で異色の1点である東京国立博物館蔵の一幅「伊勢物語図」八橋図、沢に架かる橋、燕子花の群、そして3人の旅人、また旅人の前には乾飯が物語に忠実に描かれている。

「八橋図」を描くにあたって、光琳は初めこの掛幅にあるように、物語を細部まで説明的に描き、その後だんだんに簡略化、抽象化を進めていったのではなかろうかと想像される。

週刊朝日百科日本の国宝094 

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・さらに5分の鑑賞で考えたこと

やっぱりこれは水面っていう事みたいですね。橋がかかってるような絵も、あのこの後で同じような風景として描かれたものがありましたね。

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「伊勢物語」のかきつばたの歌が元であそれをモチーフにした作品をメディアを問わずいろいろ作ってるそうなんですが、何か確かに強い感情を、もともとは自分の奥さんを偲ぶような意味が込められた歌なんですけど・・

パッと見それは絵を見ただけではなかなか感じられないぐらい、抽象化されていて、例えばその歌を思い浮かべながらこの絵を見ることで、またちょっとなんか違う感情になるっていうか・・そんな風に思いますね。

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しみじみとした寂しい気持ちで絵を見ると、なんかすごくこの潔い画面がまた違ったものに見えてくるような気がして・・なんかそこの飛躍がやっぱりなんかすごいのかなーっていう風に思いました。

後解説の中で目線の移動が行われているって言うことを話されていて、この作品は屏風なので縦が1.5 m の2つ並べると横幅が6.5 m ぐらいあるんですよね。そう思うと、見る時にやっぱりまあ屏風なんで折れてたとしても、結構移動して見なきゃいけないので、その時に目線の移動がこう考えられてるのかと思って・・

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それはやっぱり実際にこの大きさで見ていかないとなかなか分からないものなのかな・・まあだからこの花がふっくら実はしているんだっていう解説がありましたが、それも今の画像じゃわかんないですからね。

あとその屏風として飾った時に、やっぱりその折目からこう次の画面が見えてくるとか、まあ片側に見えない面があったりとかすると思うので、そういうのも実際に見たらまた違う・・もしかしたらそういう見え方の中に、なんだろうな・・その奥さんを思う気持ちとかがもしかしたら入ってんのかなーって思いました。

なんかすごい抽象化されてるんですね、ここに至るまでに、色々その伊勢物語のもう少しこう詳しい状況と言うか、物語に沿った絵も描いてるんですけど、もうそれは全然燕子花は主役じゃないし、物語の主人公の男の人たちの様子が描いてあるっていう感じですけど、

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男性達が外を向いているその先に、こういう今日見た屏風図のようなあの画面が広がっているなっていう感じもあるのかなーっていう風に思いました。

メトロポリタン美術館のあの橋がかかっているバージョンの絵もあるんですが、なんかそうだな・・これよりは何か僕は今日見た方の燕子花図の花プロポーションの方が好きな気がしますね。

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メトロポリタンの方はちょっと葉っぱが長いかな・・なんか人で言ったら首から下が結構長めだなーっていう感じ。それは橋が入る画面だからちょっと調整してそうなっているのかな・・どうなんですかね。

この切り取り方ってのがやっぱ相当大胆だったのかな、燕子花の歌だから、花しかなくてその構成だけでこう見せていくっていうのは・・色々色々考えてたどり着いた境地・・と言う割に、でもその後にこのまた橋を足した絵を描いてたりするので、いろんなメディアでこの話の描き方を試していったのかなあというふうに思いました。

あなたにはどう見えましたか?
また次回!


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