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【実況する美術鑑賞#43】ライト「空気ポンプの実験」【毎日60分で1記事】

名画を鑑賞して実況しながら、毎日1時間でnote1記事作っています。

<ルール4.0>
・なんとなく知っているけど、よく知らない作家作品を一つ選ぶ。
・作品を3分鑑賞しながら実況し、文字起こしする。
・15分を目安に作品について調べる。
・必要あれば再度作品をよく見る時間をとる。
・5分で調査の結果なども含めて再度鑑賞実況し、文字起こしする。
・30分を目標に文字起こし内容を編集する。
・上記の作業を1時間で完成させNOTEの記事にする。
・ほぼ毎日続ける。
・名称を【実況する美術鑑賞】作家名「作品名」【毎日60分で1記事】とする。
(2021.9.23改定)

では、まず作品を3分鑑賞して、発見したことを書き出します。
今回の作品はこちら

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・3分の鑑賞で気づいたこと

今回は全然見たことがない、初めて見る絵ですね。テーブルの上に光るものがあって、たくさんの人が集まっています。真ん中の女の子は怯えたような顔をしてますし、その右にいる女の子も顔を覆って、この子も怖がってますね。

で、それを諭すように「これは大丈夫だよー」みたいに言ってるようなおじさんがいます。テーブルの真ん中に何か得体の知れない機械があって、その透明なガラスの球体部分に鳩みたいなものが入っていて・・どうもこれは死んでるのかな?気絶してるのか・・そんな風にも見えます。そして、科学者のような人がその機械を操作していますね。

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周りにいる大人たちは興味深そうに見ている人もいれば、顔を見合わせてどうなんだろうっていうような感じで目配せしている人もいれば、小鳥カゴみたいなの操作してる少年もいますね。

化学実験っていうよりかは、子供達もいますし、もしかしたら奇術みたいな、マジックみたいな、そういう感じもしますね。前に「プレステージ」っていう映画を見たことがあるんですが、そういう科学と奇術が曖昧な雰囲気にも感じます。

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非常に光が効果的に使われていて、緊張感もあれば、おどろおどろしさみたいなものも、両方ありつつ、部屋の中の照明もそうなんですが、窓の外の月の光も怪しげな感じで、演出がかっています。

すごく描写が上手ですね。テーブルの中央で一番光っているものが、何なのかはわからないんですけれども、液体の入ったガラスの器みたいなのがすごい光を放っていて、その液体を通した光がすごく綺麗だし上手いです。

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集まってる人たちの服装からすると、裕福な人たちでしょうか。あとは暗闇に映る部屋の様子も高尚な場所と言うか、高級な場所のようですね。

ただ・・機械を操ってる科学者的なおじさんの顔っていうのが、なんとも言えない顔してるのが少し気になるかな。やったぞ!って見せつけてる感じでもないし、恐れてる感じでもないし・・とぼけた顔にも見えるんですけれど、あんまりこの場所に似合わないような表情が気になりました。

・作品・作家について
ジョセフ・ライト
「空気ポンプの実験」1768年


・参照


・さらに5分の鑑賞で考えたこと

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この絵はジョセフ・ライトさんという画家が描いた「空気ポンプの実験」という絵だそうです。よって、奇術ではなくて科学実験だったんですね。おどろおどろしい雰囲気もあるんですけれども・・

当時18世紀ヨーロッパで科学の活動が盛んになって、地方の家庭とかに科学者が実験道具を持ち込んで、娯楽的に、教育的に実験を見せるということが流行したそうです。個人でそういうのを呼べるってことで、ここは裕福な家の人達なんでしょうね。

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真ん中に立ってる人が科学者で、ニュートンがモデルなんじゃないかなっていうふうにも資料に書かれてました。真ん中の機械は空気ポンプで、上にある丸いガラス管の空気を抜くと、生物にこんな影響がありますよ・・みたいなことを実演してみせるという、そういう実験だったみたいです。

中の鳥は鳩じゃなくてオウムだそうです。要素が多かったので最初の鑑賞でアップに出来ませんでしたが、絵をアップにすると、オウムだなっていうことがわかります。実際は雀とか地味な小さい鳥とやってたらしいんですけども、これは作者が演出としてもう少し見栄えのする鳥にしたのかもしれないということでした。

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この実験は、空気を抜いてそのまま生き物を殺すこともあれば、再び空気を流し込んで元気にさせるっていう、両方のパターンがあるみたいで、この絵はそれがどっちのパターンなのかがわからないようになっていると言われているそうです。

生かすも殺すもこの科学者次第みたいなところで、最初の鑑賞で気になった、この人の顔の妙な感じは、そういうところに対してなのかなって言うか、どっちでもあり得る表情なのかもしれません。

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あと、この人だけを鑑賞する僕らの方向を見つめていて、こちらに選択を迫っていると言うか、問いかけてるようにも、そういう話を聞くと見えてきます。

このジョセフ・ライトさんは、光の独特な使い方っていうのも特徴的なんですけれども、今日の絵のような科学をモチーフにした絵を描いたことでも有名らしくて、他にも例えば、惑星の軌道を観察するための機械を、みんなで取り囲んで見ている絵とかもあるんですけれど、他の絵は結構メインのモチーフにみんなが集中して、ワクワクしているところがあるんですが、今日見た「空気ポンプの実験」っていうのは、科学っていうものに対しての反応が、人それぞれ違っていて・・

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恐れている人もいれば、大丈夫だよって慰めてる人もいれば、ものすごく興味を持って見つめている・・カップルの下の少年なんかすごくワクワクして見ているし、左側のおじいさんはすごく考え込んでいるみたいな、そういう当時新しいものであった科学に対して、それぞれの反応が色々あるみたいな、そういうことを表したりしてるのかもしれません。鳥が死んでしまうという結末も考えられるために、今後科学がもたらす残酷な未来を予見しているんじゃないかと、解説にも書かれていました。

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そんな中、見つめ合ってる人達はカップルで、もう科学実験なんかどうでもよくて、お互いのことしか見ていないみたいに描かれているんじゃないかって資料に書かれていて、確かに今までこのシリーズで見てきた絵もうそういう人たちがたくさん出てきたなと思いだしました。

見つめ合ってる人達ってのは、だいたい自分達の事しか考えてない愛し合うカップルというような、そんあ描写はいろんな絵に共通するものなのかなって思いました。

あなたにはどう見えましたか?
また次回!


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