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気ままな鑑賞エクササイズ#12 青木繁「海の幸」

1時間でnoteを1記事作る、エクササイズのような鑑賞をやっていこうと思います。記事を読むだけでも、同じように時間を測って擬似体験してみても面白いかも。

<ルール>
・以下の作品をまず3分鑑賞して、発見したことを書き出します。
・その後25分、書籍やネットで作家・作品について調べます。
・さらに3分鑑賞をして、再発見したことを書き出します。
・25分を目標に記事を編集します。
・気ままに不定期で続けます。

では、まず作品を3分鑑賞して、発見したことを書き出します。
今回の作品はこちら

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サメ漁から帰ってきた人達っていう感じですかね?海から上がってきてるようにも見えるけど・・でも波打ち際と平行に歩いて来てるから、なんかちょっとそこはなんだろうな・・イリュージョンがあるような気がします。

左の方がまだ描きかけかなっていう感じがしますね。で、それを描きかけだとすると、なんかでも全体的にもいろいろ描きかけって感じがするんですけど・・これはこれで完成でいいのかな。なんかここからさらに描いていくんでしょうか?

コンテとかで描いてあるっていう感じなんですかね。

人の顔もおしろいを塗ってるような人が二人ぐらいいて・・なんか真ん中からちょっと右にいる人だけが、なんか僕たちの視線に気づいてるような・・そんな感じがしますね。この人だけちょっと女の人みたいな顔ですけど・・まあでも股にイチモツがあるから男なんでしょう。

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年配から中年の人もいて・・若そうな感じの人は後ろの・・人は若いのかなぁ?顔が見えていて一番先頭にいる二人はすごい歳がいってそうですけど、そこからだんだん後ろに行くにつれて歳が下がってってるような気もします・・

でも、1番後ろの人たちは体つきが結構老人ぽいっていうか、すごい痩せて・・それに比べるとその前の人たちは少し肉付きがまだ若そうな感じがしますね。

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どういう状況なんでしょうね。船に乗って降りてきたとしたら、船に乗ってる時も裸で乗ってたんですかね。ふんどしとかもつけないのかな、この人たちは。なんかだから日本じゃない可能性もありますよね。どっか別の国・・顔はアジア人ぽいのでそういう国かなっていう感じはしますけど・・でも真っ裸で海とか入るのかな?夏とかなのかな・・

描きかけにみえるのが、そういう「動き」を表してるのか、もしくは何かこうちょっと儀式めいたような感覚もあるので、そういう目には見えない世界を実は重ねて描いてあるのか・・何かそこら辺はどういう感じなんだろうなっていう・・

これ多分ちっちゃい画像でしか見たことがなかったので、何か大きな画像で見るとそういうとこが気になりますね。

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・作品・作家について
青木繁
「海の幸」1904

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・調べたこと

青木繁

日本の洋画家[1]。号は香葩[2]。

明治期の日本絵画のロマン主義的傾向を代表する画家であり[3]、代表作『海の幸』はその記念碑的作品と評されている[4]。若くして日本美術史上に残る作品を次々と生み出したが、名声を得ることなく放浪の末に胸を患い、28歳で早世した。その生涯については虚実取り混ぜたエピソードが多く、半ば伝説化している[5]。短命だったこともあって残された作品の数は多くはなく、代表作『海の幸』を含め、未完成の作品が多い。

1904年(明治37年)夏、美術学校を卒業[7]したばかりの青木は、坂本や不同舎の生徒で恋人でもあった福田たねらとともに千葉県南部の布良に滞在した。代表作『海の幸』はこの時描かれたもので、画中人物のうちただ1人鑑賞者と視線を合わせている人物のモデルはたねだとされている。この頃が青木の最盛期であった。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9D%92%E6%9C%A8%E7%B9%81より

「海の幸」について


1904年の夏、久留米出身の洋画家・坂本繁二郎、福田たねらとともに千葉県館山市の布良に滞在し、マグロ漁に携わる人々を描いた《海の幸》(1904、重要文化財)を制作。同作は日本で初めて洋画として国の重要文化財に指定された。
https://bijutsutecho.com/artists/104より
図柄は、10人の裸体の男が3尾の鮫を担いで、二列縦隊で砂浜を右から左へと行進する様子です。中ほどの人物を見ると、正面から強い光を浴びているのがわかります。青木は布良の地勢や地誌、風俗を体全体で受け留め、それを荒々しい筆づかいと、若々しさ溢れる題材で再創造しました。こうしたイメージを生み出したきっかけについては、青木自身が何も語っていないことから、パルテノン神殿のフリーズ彫刻、イギリスのラファエル前派、当時の雑誌などに載った医薬品の広告、布良の神社の祭礼など、多くの研究者が様々な可能性を指摘しています。
https://www.artizon.museum/collection/category/detail/187より

・さらに3分の鑑賞で考えたこと

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作者が22歳の時に描いた絵だったんですね。芸大を卒業してすぐってことで、状況的にはこの前見た#8萬鉄五郎さんの「裸体美人」と同じような感じですよね。で、28で結核で亡くなってしまう・・

描かれた場所がアジアの別の国じゃないかなんてこと言いましたけども、千葉県館山市布良(めら)という場所らしいですね。そこに滞在している時に、サメ漁の話を様子を聞いて、それを元に描いた絵で、神話、古事記の「海幸彦・山幸彦」とかを参考にしていると。

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さっきちょっと顔が女性っぽいって言ってた人は、その時の恋人の福田たねさんっていう人がモデルだったって書いてありましたね。だからこの人だけちょっと変な感じなんですね。そう思うと、僕はたねさんのもう一人左の人もちょっと怪しいっていう感じはしますけどね・・この二人だけおしろいが塗ってあるように顔が白くて、もしかしたらこの人も同じように実在の自分の友達とかそういう感じが・・なんか変ですもんね。うん。

青木さんは未完の作品が多いということで、この作品もそういう感じみたいですね。なんか連作になる予定で、もう一枚・・二部構成になるっていう話があったりしたので、ここからでもどういう感じになっていくのかなっていう・・

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すごいなんだろうな・・人が物を運んでいて、のしのし歩いて行く感じとかってのはちょっとリアリティを感じる部分はあるんですけど、なんかそれが全体の光景としては、よく見るとちょっとふわふわしていて・・なんかその「見えない世界が見えてるんじゃないか」みたいなところをさっき思ったのは、神話のイメージが背景にあったり、人から聞いた話をモデルを立てて構成しているからそういう風になっていったのかなーっていう風に思います・・

一人一人のこうなんか人間が感じてる重さとか、地面を感じてる感じとかってのはリアリティがあるんですけど、それの何か構成っていうのは、いろいろちょっとバタついてるっていうか、演出してある感じなんですかね ・・

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あと、この作品は国の重要文化財に選ばれてるんですけど、まぁどう見ても未完成なのにそういうのに選ばれるって事は、そうとう革新的だったんですかね・・なんか作者自体はそんなに裕福な感じでもなかったと言うか、晩年は賞とかにもあまり入選できなかったって書いてあったので、当時はじゃあこれはあまり認められなくて、後になって相当これは何か新しいものの兆しがあったから、全然完成してなさそうだけれども、そういうものに選ばれたと言うか・・

なんかどういう経緯で評価をされたのかっていうのはすごく気になりました。

あなたにはどう見えましたか?
また次回!


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