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死にたい朝を切り取る

目覚めた時、スマホに表示された数字が社会不適合者であることを自覚させる。私の1日は、寝起きの気分で大体わかる。鬱かどうか。謎の絶望感があれば鬱だとわかる。そんな日に予定が入っていれば、即キャンセルする。それが私のマインドだ。

セロトニンを摂取すればいいんじゃねって、勝手に脳が反応するから、カーテンを開けて外の光を顔面にぶつけてみる。大して効果がないのは知ってたけど。寒さが際立つこの季節は、布団から出るのも一苦労だけど、鬱も相まってもはや布団から脱出なんて牢屋から脱出するのと同じくらいの難易度。

最近嫌なことがあって、大切なものをひとつ手放してしまった。このやり方が、本当に正しいことなのか未だに頭を悩ますけれど、あの時の私にとっては正解だったのかもしれない。それは鬱だったのか、都合よく原因をつくろうとする自分に呆れたりする。

そんな私はああだこうだと思考をぐるぐるさせながら、布団の奥の奥まで潜っては出てこない。いってきますなんて声をかけられても、うんとかすんとか適当に返事する。そんな態度でも、こいつは鬱で喋れないと何となく察してくれてる彼氏には感謝しかない。いや実際のところどうか知らんけど。

いつまでこうしていても、膀胱は破裂しそうになるし、勝手にお腹がぐーぐーいい始めるし、傍に置かれたぬいぐるみは早く起きろと言わんばかりの形相。もう限界だなと思ったころ、ようやく重い体を起こしてトイレに向かう。

途中の散らかったダンボールとか、障害物競走でもやらされてるのかと錯覚する。どうしても空腹を紛らわすことはできなくて、食料を物色する。そもそも食料難民な我が家で、食料を探すのはなかなかのハードル。適当に食べ物になるものを作り出して口に運ぶ。気だるさが残る体と、静まらない思考。残る腕の痛みにため息をつく。どうしたって自分のせいなんだけど、過去の私は謝ってくれないし。

何度試みても自分を着飾るのは面倒で、こんなんじゃ外にも出れないよと、また戻るのは布団の中。私ってなんでこんな単純なことが出来ないのだろう。単位とかお金とか、現実的な問題に向き合うと襲ってくる自己否定。他人と比較するなんてアホくさいけど、SNSが普及しちゃった現代じゃ、そんなの逃れられないんだよね。

早く楽になりたいね。いつかの明るい未来を想像してたらまた夢の中へ戻っていた。

明日は晴れるといいな。

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