ナチュラリッチという生き方

自然農法を実践する中で、お金には換算できない豊かさが満ちてくることに気づかされ続けてき…

ナチュラリッチという生き方

自然農法を実践する中で、お金には換算できない豊かさが満ちてくることに気づかされ続けてきました。気持ちのいい空気や十分な睡眠、自由な時間や雨の日の読書。都会で働く人にとってはお金に変えても欲しいものが、僕らの周りにはたくさんあります。

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ナチュラリッチという生き方

ナチュラルリッチという新しい豊かさと生き方について 自然農法を始めて早くも7年が過ぎようとしています。2013年に研修に行って、2014年から独立してコツコツ歩んできました。2016年には株式会社 悠三堂を設立して、2020年には奈良の古民家を借りることができました。最初は専業農家になれるなんて思ってなかったのですが、なんとか農家として自立した生活が送れるようになってきました。 今までの歩みを振り返ると、シンプルに売り上げや所得が上がったということだけではなく、自然農法を

    • 時間と愛情

      3月に入って、農作業が忙しくなってきました。1月から書き残してきた、ナチュラリッチという生き方というテーマのこのブログ。僕がちょうど働き方や生き方についていろいろ考えていた時期だったので、ハウツーよりも精神的な部分について考えていたことが多めになってしまいました。ここで書いてきた文章はつまるところ、僕が両親に伝えたかったことのような気がします。 会社勤めでもなく、エリートサラリーマンでもない僕の生き方。父親としてのあり方は、昔見た「そして父になる」という映画がとても心に残っ

      • 可能性を育てる

        いよいよ僕らの農作業が本格化してきました。今年から、人間本位の働き方から暦を大事にして、自然と調和した働き方にシフトしています。暖かくなってきて、体も動かしやすくなってきました。 福祉施設のメンバーの成長 今年一番の大きな作業は、野菜栽培で使う、ススキの刈り取りでした。僕らの農作業の一翼を担う、福祉事業所グリーンサムのメンバーに作業を手伝ってもらいました。彼らとの作業も今年で3年目。昨日は4人のメンバーが草刈機を使って、作業することができました。草刈機は危ないので、細心の

        • バランスを取る勇気

          昨年、4人目の子供が産まれて、妻はまだ授乳中。長女の朝の送りから始まる1日をずっと続けています。次男は僕と一緒に仕事に行き、長男とは帰宅してから遊んでいます。妹も育児、母も療養。家族に頼れない状態で、4人の小さい子供たちを育てています。会社の役員なので、育休も産休もない日々ですが、暮らしの中に産休と育休を取り入れて、バランスを保つ毎日です。 売上や成果が数字ででて、評価されやすい仕事に対して、育児を含めた家事はなかなか評価されない部分です。世界や国の根幹である、人を育てるた

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        • 悠三堂の田舎ぐらし
          6本
        • 30歳無経験の僕が自然農法家になれたのは
          3本
        • おもうままに
          2本

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          楽しくやること

          自然栽培の農家になって、9年目のシーズンが始まります。30代の終わりと40代の始まりを迎えるこのシーズン。6/21の夏至までがとりあえずのゴールで、農作業で忙しい日々が続きます。僕が自然栽培の農家を長く続けてこれたのは、「楽しくやる」ということを大事にしてきたからだと思っています。 自分が楽しい思えること 全く0から自然農法を始めた僕の30代は本当にいろんな困難と学びの連続でした。自然栽培の農家としての農作業と会社の経営、4人の子供が次々に生まれる中で、大変な思いも何度も

          頭の中もミニマリスト

          父の教え 「ぼーっとした時間を作るために、仕事を瞬足で終わらせる」 生前父と仕事のやり方を話していた時に、教えてもらった唯一の仕事術です。その時は、ぼーっとした時間の尊さをわかっていなかったんですが、就農して起業して、ぼーっとした時間を過ごす大切さがわかってきました。 価値を創造することが仕事の根幹 オリジナルな価値を生むことが仕事の中で最も大切な要素だとわかってきました。例えば、僕らがやっている自然栽培では、無肥料・無農薬という点がオリジナルな価値に値します。自分達が

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          人生の軸を作ること-休むことと働くこと-

          寒かった2月が終わり早くも3月に入りました。冬の間は休みきりだった僕らの農作業もそろそろ少しづつ準備をしていきます。一年中働き詰めだった時代から、休む期間を決めて、体を休めることができるようになって、じっくりと考える時間が持てるようになってきました。 生きる軸を考える時間 大学を卒業してから2年間ブラブラしていました。自分が一体この人生でどうしたいのか、をよく見定めるための必要な時間でした。カメラマンのアルバイトや馬の飼育員、ウェブライターをしながら生計を立てていましたが

          人生の軸を作ること-休むことと働くこと-

          不安や恐れと付き合う技術

          久しぶりに原点に帰った気がするような週末を過ごしました。全国で自然栽培を実践する仲間と過ごした2日間、多くの気づきと学びをいただいた気がします。ありがとうございました。自然栽培の農家になる以前には気づけなかった、季節の移り変わりを感じたり、島の植生の豊かさを楽しむことができました。 自然栽培を始めて約10年の歩みを発表させていただく機会をいただき、もう一度自分たちの歩みを振り返れたことも大きな学びでした。発表後に、お世話になった先輩から、「楽しそうにやってるな」と声をかけて

          不安や恐れと付き合う技術

          2月もそろそろ終わりに近づいてきました。コロナウィルスのパンデミック(雑な表現)前は、2月はアメリカに出張していましたが、この3年間は国内でもっぱら、体と心の休息と事務作業のための時間になっています。 今年で40歳になるということもあり、そろそろ自分の力の限界を感じつつあって、コロナをきっかけに働き方をずっと変え続けてきました。コロナ前までのがむしゃらな生き方から、自然のリズムと心と体のリズムに沿った自然な生き方へ。ひいては返す波が疲れないように、心の波と体の波の幅を感じ

          誰かのどこかの片隅に

          今週たて続けに、小学生の頃の同級生やおんなじ登校班だった先輩とひょんなことから、再び出会うことになりました。高校で大阪市内に行った時から、怪しくなり続けている僕の幼い頃の記憶ですが、幸いなことに向こうの方から、「いそざきくんだよね」って気づいてくれたことが少し嬉しかったです。目立たない人生を目立たないように過ごしてきたなと、40年近い人生を振り返って思いますが、そうやって誰かの記憶の片隅に位置どれたことがささやかな喜びになってきました。 少しばかりのお茶とお米と野菜を作って

          誰かのどこかの片隅に

          のんびり自然に流れるように

          お茶を仕事にしていると、よく「何代目ですか」と聞かれることがあります。その時は、躊躇なく「初代です。家康の立場です。」と答えています。大阪で育って、東京の大学に行って、それからは日本と海外を行ったり来たり、すごく厳しい組織にいたり、カメラマンをしていたり。興味の赴くままの僕の人生は遠回りの連続で、これからもそうなり続けると覚悟しています。 ゴールがあれば最短距離があり、そこに至るレールはひけますが、本当のゴールが明示されない人生においては、「あなたが生きる目的はこれですよ」

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          真面目な日本人やめました。

          先週末の金曜日は、長男と長女の参観で小学校と幼稚園に行ってきました。僕が送り迎えをしているせいか、園児からは「〇〇ちゃんのお父さんだー」とちょっとした人気者です。長身で髪の毛を絶頂期の広末涼子みたいに伸ばして、髭。異形で自由を感じさせる雰囲気を園児たちは感じ取ってくれているみたいです。 もともと責任感が強くて、なんでもやり通したいという実直な性格ですが、30代以降は、ちょっとづつ自分を崩せるように、力を抜いて生きれるように、モデルチェンジを重ねてきました。2020年以降、極

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          自然力を生命力に

          二十四節気は、立春。七十二侯は、魚氷上です。暦の上ではそろそろ春といった感じですが、こちら標高500メートルの大和高原ではまだまだ刺すような寒さが感じられます。 冬のお茶畑 冬のお茶畑に久しぶりに行ってきました。僕らはこの時期特にすることがなくゆったりとした気持ちで春のおとづれを待っています。冬の寒さを凌ぐために、猪が堀った穴があったり、鹿のふんが転がっていたり、お茶畑は山の動物にとって、きっと居心地のいい場所なのでしょう。腐葉土化した刈り落としたお茶の葉の積み重なったレ

          幸運を運べる人

          多くの人が僕らに幸運を運んできてくれた 自然栽培の農家になって、今まで本当にたくさんの人に幸運を運んでいただいて、ここまでくることができました。幸運は、人が運んできてくれるものだということを身に沁みて感じてきたこの約10年は僕にとって大きく物事の考え方を変えてくれた時間でした。 最初に畑を貸してくれた方、自然栽培を教えてくれた方、僕をアメリカに誘ってくれた方、一緒に働いてくれる方。無数の偶然のような出会いがあって、僕らにチャンスと幸運を運んできてくれました。田舎の夜空に

          他人を責めない 自分を責めない

          先日、たまたまあった知り合いに自分の母親のことや自分の置かれている境地について話をする機会がありました。 僕の話を聞いてその人が言ったことは、 「お母さんしんどいやろな」 「責めたらあかんよ。お母さんは自分のことをもっと自分で責めてるはずやで」 「やりたいようにやらせてあげて、生きがいだと思うこと」 良かれと思って、提案してきたこと。変えようと頑張って変えれなかったこと。それがもしかして母を苦しめてきたかもしれないこと。 普段から、「他人を責めない 自分を責めない」と思

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          心を天国にすることから始める

          まったくの0からのスタートで自然栽培の農家になりました。このブログのもう一つのテーマになりつつある、心を天国にするということが本当に大事だと身をもって学んできました。 いつでも温泉につかっているような感覚で 天国の定義は人それぞれで僕もはっきりとした定義はもっていないのですが、温泉に入ってのんびりしている様子とでも言ったところでしょうか。自分の心が穏やかで人のことを気にする余裕がある状態のことをいうことにしましょう。 体と心の負担を減らしながら 農家になって、9年目、

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