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自然力を生命力に

二十四節気は、立春。七十二侯は、魚氷上です。暦の上ではそろそろ春といった感じですが、こちら標高500メートルの大和高原ではまだまだ刺すような寒さが感じられます。

冬のお茶畑


冬のお茶畑に久しぶりに行ってきました。僕らはこの時期特にすることがなくゆったりとした気持ちで春のおとづれを待っています。冬の寒さを凌ぐために、猪が堀った穴があったり、鹿のふんが転がっていたり、お茶畑は山の動物にとって、きっと居心地のいい場所なのでしょう。腐葉土化した刈り落としたお茶の葉の積み重なったレイヤーが小生物にとっての居心地の良い場所であるように。

自然力と生命力

最近の僕の思考のテーマはもっぱら、自然が万物を生成化育していく力としての自然力と生命が持つエネルギーとしての生命力との関係です。太陽が動き、地球が動き、月が動くところに発生する自然力をどうやって素直に、植物が育つための根源的な力である生命力に還元していくかが、自然栽培で成功するための基本的な考え方になると思っています。

石油の力と生命力

石油の力や化学の力に頼らないことと、自然の力の清らかさとそれを受け取って発揮される生命力の豊かさ。自然栽培をやっていること、人為的な肥料や農薬の暴力性と不純さに気付かされます。繊細に五感で自然力に触れて、それを感じ生命力に転換する。片方の生活では、石油と化学の力なしでは、生活が成り立たないほど依存している反面、自然力と生命力を十分に享受したいと願う2020年代です。

子育てと自然栽培

子供を育てていると彼らの生命力に驚かされることの連続です。勉強はできなくてもいい、特技なんて特になくてもいい、生命力が横溢する子供を育てたいというのが僕の理想です。耕しすぎると失う土の力と同じく、教育しすぎると、失われていのが生命力だと感じています。できるだけ人為的な力で矯正しないでいいように、自然の流れに沿って、豊かに生命力を発揮させていく形を自然栽培と子育てで実践していきたいと思っています。

自分が「どうしたい」という思いを叶えるために、「どうするか」ということに注力するのではなく、自然がどうあるのかということを一番に考えて、それに応じて最低限の対応を人為でやっていくということ。無理なく自然に育っていく、農産物と子供たち。ささやかだけど、ずっと使える理想を体得するための僕の修行は続きます。


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