新規営業と既存営業の本質は同じ
「私は新規顧客の開拓は苦手だけど既存営業は得意です」という言葉をよく聞く。逆も然りで「新規は得意だが既存は苦手」という声も聞く。
けど別に一緒じゃない?っていつも思う。理由をいかに記す。
そもそも営業って?
営業とは「お客様の課題を定義し、解決方法を考え、実行する人」だ。
この図をお客様と一緒に埋めていきながら実行に移してもらう、この行為が営業である。商材が何であってもこの構図が変わらない。
新規と既存って何が違うの?
・新規:お客様との信頼関係や実績が築くことができていない状態
・既存:既にお取引があるので信頼関係や実績が築けている状態
上記の違いしかない。新規が得意だの既存が得意だの二項対立の構造で考えて苦手意識を持っている人は多いのだが、根本の本質は何も変わらないのだ。ただ、どちらかができていない、ということは営業力として根本的に何かが欠如していることが考えられる。
新規が苦手で既存が得意な人とは
・長所:きちんとお客様に成果で返せる/期待値を超えられる。
・短所:言語化能力が低い(口下手)/自己PRが下手。
既存が得意な人はお客様に対して適切に成果で返すことができ、お客様との信頼関係が結べている点が素晴らしい。仕事である以上お客様の期待に答えることが求められるが、しっかり責任を果たすことができていることは誇っていいと思う。
一方でそのような結果を残せているにもかかわらず、新規が苦手というのは「お客様に実績というわかりやすい数字が出ないと信頼関係が結べていない」ことにある。
・課題解決プロセスをうまく言語化できていない
→実績がない状態では信頼してもらえていない
→プロセスではなく数字を信頼してもらっているだけ
厳しくいうと既存だけが得意な営業マンは「数字を信頼してもらっているだけで自分は信頼されていない」状態にある。
新規営業で「事例はあるの?」と聞かれるタイプの営業マンはこれに該当する。お客様が課題解決プロセスではなく事例という数字に対して関心が向いている状態だ。
なので新規営業が苦手な営業マンは、
大前提:課題解決のプロセスを磨き込む
・プロセスをきちんと言語化できるようにする(相手に伝える)
・信頼を獲得されるコミュニケーションをする(相手の立場で物事を考える)
ここを意識する。
実績ではない、自分の課題解決力や自己PR(自信)を買っていただくようにスキル研鑽に励むことが重要である。
既存が苦手で新規が得意な営業マンとは
・長所:人当たりが良い/自信がある
・短所:成果でお返しできていない(課題解決ができていない)
こちらの方が前者のケースよりも致命的だったりする。
人当たりもよく、雰囲気もあるのでトライアル含めて新規受注することはできるものの、成果でお返しすることができていないからチャーンしてしまう。
もちろん長所は素晴らしい。先天的なものも含み、自分の武器として認識しても良い。しかし、それだけでうまくいくかというとそんなことはない。取引には当然経済合理性が求められる。この「成果」に対して顧客に返すことができていなければ取引は継続できない。
既存が苦手=成果を出すことができていない、を分解すると
・正しい成果で握れていない(課題解決型になっていない)
・そもそも成果を握っていない(自身だけで売っている)
これらが考えられる。
よく既存が苦手、という問題に対して「定期接触ができていない」や「継続提案がうまくない」のようなことを課題と置いてしまうことがあるが、
本当の課題は上記2点だと思う。
なので既存営業が苦手な営業マンは、
受注時に課題解決型に沿った提案を行う
┗顧客の課題に合わせた提案(適切な金額/期間)
┗実施の5W1Hが適切な状態での提案
ここを課題に対して打ち手としてとる必要がある。
要するに
冒頭に述べたように「新気営業」も「既存営業」も同じである。
重要な観点は、
課題解決型の営業ができている
┗正しいKPIで受注できている(適切な期待値)
┗数字ではなく課題解決のプロセスの妥当性を訴求する
┗自信を持って相手に訴えかける
┗相手の立場に立って懸念を払拭する
これができているかどうかだ。プロダクトアウトの営業だとダメだよ、ということだ。
新規ができないとがむしゃらに数に走り、既存ができないと既存とのコミュニケーション頻度(数)に頼ってしまうことは往々にしてある。
そうではなく根本のスキルに対して見つめ直してみましょう。
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