フィギュアスケートに恋して ~その2~

フィギュアスケートに恋して ~その1~ の続きです。

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あれは2012年。

ソルトレーク五輪で最終滑走のアレクセイ・ヤグディンがフリーの演技を始める直前、ちょうど部屋を横切ってテレビの前を通りかかって。何気なく「ああ、オリンピックか。」と、見始めたのだけれど…


顔を覆うようなポーズから、ゆったりと動き始めて。
柔らかく、まるでパントマイムのような身体の使い方に目を惹かれた。

その柔らかく美しい腕と身体の動き。

演技は進み、4-3-2回転のダイナミックなコンビネーションジャンプが決まる。4回転、トリプルアクセルと次々にジャンプが成功していく。

そしてヒラヒラと舞うようなスピンから、曲に合わせたような印象的なパフォーマンスシーンに移り。リンクの上を軽々と進んでいくステップに、途切れることなく続いていく演技。

見終わった時には「これは、まるで1つの芸術作品のようだ」と思った。「なにこれ!!フィギュアスケートって、こんなスポーツだったっけ?」と衝撃を受けた。

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幸いな事に、我が家ではこの時すでにネットが使えたので。
即座に彼の事を調べ始めた。

試合の後にはエキシビションというものがあり、五輪でまだ演技が見られる事。次のフィギュアスケートの大会は3月末にある世界選手権だという事。彼の年齢やライバルとの関係、過去の演技動画…Youtubeもまだ無い時代だったけれど、必死に情報を掻き集めた。

何とも残念な事に、彼は翌シーズンには股関節の故障で引退してしまったのだけれど…。それでも彼をきっかけとした、フィギュアスケートという競技に対する興味は残った。

五輪や世界選手権といった大きな大会は、わりとチェックするようになったし。トリノ、バンクーバーと冬のオリンピックが一気に身近なものになった。

その頃はステファン・ランビエールを応援していて。バンクーバーで高橋君と僅差で4位となった時は、「良かったね」と悔しい気持ちが拮抗したものだ。

そんな風に、特別熱心ではないけれど。
ライトな男子フィギュアファンを続けて、約10年が経った2011年の秋。

ヤグディンと匹敵するくらいに、心惹かれる選手と出会って。
また、世界が変わった。

その3に続きます


おまけで。
ヤグディンの五輪プロと言ったら、フリーの仮面の男よりもショートのWinterの方がたぶん有名。

あとは革命のエチュードもすごく良いプロ。
この頃はルールが違うので、今のプログラムと比べるとあっさりして物足りなく思われるかもしれないけど。ほかの選手でも好きなもの、沢山ある!

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