そうだ、宮城に行こう!〜仙台から川渡温泉まで〜④
今回は初めての東北旅行、しかも真冬の2月の旅だということもあって。事前にかなり寒さ対策の準備をしてきていた。貼るカイロは毎日3枚貼っても大丈夫なくらいの数を持ってきたし、わざわざワークマンに行って厚手のあったか二重編み靴下も日数分買った。
あ、ちなみにこの靴下。派手色ばかりなんだけど意外と差し色になってかわいいし。家で足元が冷える時にも大活躍で、ほんと買って良かったやつ!
それから裏起毛のレギンスも何本か買ったし、裏ボアのパンツも買い足した。とにかく寒がりなので、対策には余念がない。
●悲しみの防寒ブーツ
当日の服装も。薄手腹巻きに超極暖のヒートテックを重ね、ニットを着た上からはさらに1枚カーデを羽織ってのコート姿、そしてネックウォーマーを装着した上からもストールを巻く…という、体型もひと回り大きく見える程にかなり厚着をした格好で旅立ったのだけれども。
さすがに気合を入れ過ぎたらしい、暑かった。
そして足元も「北に行くなら滑らない靴で行かないと!」と、見た目より実用性を重視した防寒ブーツで向かったのだけれども…どうにも街を歩く人々からは浮いている気がする。
さすがは東北、広島市内中心部であればいったん晴れればあっという間に消え去る雪も、まだ残っている。やはり瀬戸内よりは、だいぶ寒いは寒い。
しかし、それでも。「ここまで重装備な人、おらんくない?」と人と自分の足元を、何度も見比べてしまったくらいには。街ゆく人々は意外と軽装だ。それならば普通のブーツで来た方が、服装にも合うし良かったのでは…なんて思ってしまい。ホテルでは、脱いだブーツを眺めて少ししょんぼり。
カーデは脱げるし、ネックウォーマーもストールも外せばいい。でも靴は、これしかないのだ。脱いだら替えがない…。
●定義山へGO!
さて仙台2日目の朝、張り切って6時台に起きて定義山へ向かう準備を始める。9:00に仙台駅を出発するバスに乗り遅れたら全ての予定が狂ってしまう、とあっては。普段は遅寝遅起き生活の自分も、早朝からシャキシャキ動くというもの。
なぜ川渡温泉に移動する前に、わざわざ方角も違って仙台駅から片道1.5時間弱もかかる定義山に向かうのかといえば。羽生結弦くんが三角揚げと焼きめしを食べていたから行ってみようかな…という、ただそれだけの理由である。観光と聖地巡礼の両立、すばらしい。
そうしてバスに揺られること、1時間と少し。
「広島と仙台は似ている」と耳にすることがあるけれど、ちょっとわかるような気がするな…と窓の外の景色を眺めながら思う。広島市内中心部から可部方面に向かうような、そんな感じの距離感と風景の変化。同じ仙台市内なのにどんどん山が近づいてくるし、中心部とは気温が変わるようで憧れの雪景色も見え始める。
●これは浮かれざるを得ない
この辺りから、じわじわとテンションも上がり始める。生まれ育ったのが広島県内でも特に温かな呉の沿岸部なので、雪が積もるというのがまず珍しく。道にまで積もる、しかもしっかりと踏みしめられる程の厚さまで…となると10年に1度あるかないかくらいのレア度。
川に雪が!?積もってるの?凍ってるの!?と見たことのない状況に、心の中で大興奮。いや心の中だけじゃなかった。LINEで興奮を吐露したり、Twitterで実況したり、Instagramにストーリーを上げたりと、あちこちに漏らしまくってた。人間、初めて目にするものにはやっぱり興奮しちゃうよね。
●完全勝利宣言をします!!
移動中からもはや期待は最高潮だったけれども、到着した定義山はさらにすごかった。しっかりどっさり積もってる!雪が!!
浮かれて、雪に手を埋めてみたり。
「防寒ブーツ履いてきた自分、完全勝利じゃん!いぇーい!!」な気分で、わざわざ雪の深そうな所に踏み込んでみたり。
とにかく嬉しくて嬉しくてしょうがないのが、写真からも伝わると思う。
雪!雪!いっぱい積もってる!足が埋まる!足跡ができる!!
人間、興奮すると語彙力が減る。頭の中が感情に占領されると、理性なんてあっさりすみっこに追いやられてしまうもので。周りに人がいないのを良いことに、しばらくの間は良い年齢の大人であることをすっかり投げ捨てて雪を堪能したのだった。
●食べるべきか、食べざるべきか…
あまりにも雪に夢中になり過ぎたせいで、気づけばあっという間に40分ほどが過ぎていた。そこからお参りをして軽く観光をしていると、もう帰りのバスの時間だ。
バスが来るまであと4分、でもまだ三角揚げを食べていない。諦めてバス停に行くべきか、三角揚げの為だけにもう1時間滞在すべきか…
と、定義とうふ店とバス停の間で立ちすくんで悩んでいた間に、数分なんてあっという間に消し飛んで。あっさりバスに置いていかれたので、選択肢はひとつになり悩みも消えた。食べよう。
だんなさんはお揚げが大好物で、テレビでこれを見た時から「食べてみたいねぇ」と画面の向こうを羨ましそうな顔で見ていたものだ。しかし自分にとってのお揚げとは、好きといえば好きだけど、別に好物ではない…くらいの位置付けなので。記念に食べるか、程度の軽い気持ちで口にしたのだけれど…え!!めっちゃ美味しいね、これ!!
サクッとジュワッと、揚げたてでこの厚みだからこその食感に。だし醤油とにんにく七味の旨味と風味がよく合って。いやこれ、もう1枚食べたいぞ…と思ってしまったくらいに美味しい。
「バス乗り過ごしたの、大正解!!これ食べ逃すのはもったいなさすぎる、1時間を捧げる甲斐があったわ!!」と、うっきうきで食べた。
●焼きめしは大きい
そして三角揚げも食べたなら、焼きめしも…とこちらも購入してみる。
残念ながら閑散期の平日ということでほとんどの店が閉まっており、羽生君が購入していたお店には行けなかったのだけれど。少し甘めの味噌の焼きおにぎり、という馴染みのない味を口にした瞬間に。これは「作りたい女と食べたい女」で野本さんが作ってた味なのでは!?と閃いて、気分が上がる。知識が経験に変わる瞬間、というのはいつでも楽しい。
ただ、自分にはあまりにも…大きかった…。普通のおむすび2つ分はあろうかという、ビッグサイズ。お米は少量でもお腹いっぱいになる方なので、食べ切るのにかなり苦労した。欲望のままにもう1枚お揚げを食べていたら、たぶん入り切らなかっただろう量だった。
●格好良いとかわいいの両立
こうして雪と食、どちらも堪能して定義山観光は終了した…と書くと、まるで観光をしていないような雰囲気になるので。お寺の方で撮った手水舎の冬装備の龍さん写真も載せておく。
お顔は格好良いのに、雪装束がかわいい!という所に惹かれて撮った1枚。
こういう地元では見ることのないであろうものを目にするたび、「ああ、自分はいま旅先にいるのだなぁ」という感じてわくわくした気持ちになれる。知らないことを知る、見たことのないものを見るというのは。直接の体験を伴うと、まるで麻薬のような心地良さがあって。だからこそ、こんなにも旅が好きなのかもしれない。
※これ何話まで続くのかな…と思いつつ、とりあえずは⑤に続きます※
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