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さぁ、おうちで写真を撮ろう

出張撮影というお仕事をしていると。ご自宅での撮影をお申し込みされる際に時々、申し訳なさそうに申告されることがある。

「賃貸で狭くて…」「散らかっていて…」「官舎で殺風景で…」

おうちが写真映えしない、と皆さんおっしゃられるのだ。しかし小さい子供さんがいると、しかも複数だったりすると…それはもう物が増えるのも片付けが追いつかないのも当然だ。犬しかいない我が家でさえ、犬が来てからはあっちにこっちにとお気に入りのおもちゃを持ち運ぶせいで雑然としてしまうのだ。さらに知恵と機動力のある子供であれば、どうなるかは想像に難くない。

だがしかし、写真とは空間の一部を切り取るものなのである。したがって、壁でも床でもほんの1.5m四方ほどのスペースさえ空けられれば問題ない。生活感を消し、それなりに映える写真は撮れるのである。


①壁とガーラントでスタジオ風に

無地の壁さえあれば、話は早い。これがあるだけで、他の場所にどれだけ物が積み重なっていようと問題ではない。生活感は、消え去る。白壁ではない、和風の色つきの壁でも構わない。

子供写真なら、ガーラントを貼ると良いだろう。手作りが苦手…という人も最近は100均でも売っているので安心だ。注意点は、貼る時には子供の位置とガーラントのバランスを考えること。貼ってから、しまった!となると非常に面倒なので…。(実感を込めて)

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マタニティフォトの場合はガーラントっぽく、準備しているベビー服を飾るとおしゃれな雰囲気になる。

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②壁と窓際の光で絵画のように

シンプルに光に頼るのも良いだろう。こちらのポイントは顔などの写したい部分に光が当たるよう、窓際で窓の方を向いて撮ること。それから光が強すぎると白飛びするので、お天気によってはレースのカーテンを引いて光の強さを調整することだ。

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③窓とレースカーテンを背景に、ふんわりと

「壁が空いていれば、苦労しない…!」という場合も、窓ならあるかもしれない。その場合はレースのカーテンを背景にしても良いだろう。

え、カーテンの向こうの風景が透けて見えちゃう…という心配はいらない。

窓際というのは、逆光という環境である。光は背後から当たっているので、肝心の人の顔は暗くなってしまう。だからこの場合はカメラを標準より明るめの設定にして撮る必要がある。そうすると、ただでさえ明るいカーテン部分はさらに明るくなって白っぽく写るので。必然的に背景がスッキリする、という訳だ。

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ちなみにこの明るめというのはカメラの場合、露出をプラスにするという設定で。プラスマイナスの記号や、バーで表示されていることが多い。またiPhoneなどでもカメラに標準装備されている機能だ。逆光になる時にこの明るめ設定で撮ると、写真がふんわりした雰囲気になったり髪の毛の質感が綺麗に出るのでおすすめ。

④壁がダメでも、床がある

「壁がダメでも、床があるじゃない…!」
そう、背景はシンプルでさえあれば壁でなくてもいいのだ。椅子などを使って高い位置から撮れば、床だって立派な背景になる。

白背景なら、アクセントに色のある小物などを足すと雰囲気が良くなるし。

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そうでなければ、画面いっぱいを人物で埋めても良い。

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この場合の注意点は、真上に近い位置から撮るので。自分の影が写り込まないように、光の方向と自分の立ち位置を上手に調整すること。

⑤見せたくないなら、隠してしまえばいい

床は畳だし、良い感じの絨毯もないし、物も沢山あるし…?
極論、そんなものは全て隠してしまえば見えないのだ。

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子供が横になるスペースさえあるなら、同じ部屋でもこんな風にセッティングして撮ってやれば。生活感なんて、あっという間に消える。

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この例を、もう少し分解して説明すると…

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①壁際の、窓から光の届く辺りへ移動
②Bleu Bleuetでお手頃価格で買ったブランケットを敷く
③その上に重ねて、ファーマットを壁にかかるように敷く
④⑤畳が見える部分を、服と同系色のストールで隠す
⑥Unicoで買った造花をアクセントに(茎はマットに突っ込んで隠した)
⑦パールのロングネックレスもアクセントに

あれこれ物を置いて、とにかく畳部分が見えないように隠している。
それに加えて質感の違うものを複数重ね、造花やパールなどの小道具も加えることで立体感を出している。

床は隠したけれど、何だかあっさりして物足りない感じがする…という時には、こうして質感の違う布類や花のような立体物を足してみるといい。

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巻き戻せない日々だから、写真を撮ろう

慌ただしい日々は、過ぎてしまえばあっという間だ。だから子供の写真は、スマホでもいいから沢山撮っておくと良いと思う。だって過ぎ去ってしまったものだけは、もうどうしたって撮ることができない。時間は巻き戻せない。

だから特別な日は少しだけ手を掛けて、何でもない日は気軽にパチリと。
日々の中で、カメラを楽しむ時間を作って欲しい。

きっとそれが、いつの日か。あなたや、あなたに撮られた誰かの大切な思い出になってくれるはずだから。

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広島で、大人から子供まで人物の出張撮影をしています。自然な情景を、その時間を…切り取って残したスナップ写真は、お客様だけでなく自分にとっても宝物。何かありましたら、ぜひどうぞ!

ユルリラム
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