モンテッソーリの小学校を見学して感じた3つのこと
「学ぶってこういうことだよね!」
先日、ボクがモンテッソーリ教育を行っている小学校に見学にいったときに何度も感じた言葉です。
いやぁこれは見学に行って本当によかった!と思えるほどの濃ゆい時間を過ごさせてもらいました。
公立の小学校に12年間勤めてきたボクにとっては驚きの連続でした。なんとなく、書籍などで知っていたモンテッソーリ教育でしたが、実際に肌身でその教育を感じたことでたくさんの学びを得ることができました。
「モンテッソーリ教育って幼児期のものでしょ?」
「教具をやらせるだけのちょっと冷たい教育なんでしょ」
という思い込みや
「モンテッソーリ小学校で実際どのような教育が実践されているの?」
「子どもたちは教具に飽きて遊び出したりしないの?」
という疑問を解消することができました。
そこで、今回はボクが「これは皆さんに伝えたい!」と思えたことを3つに厳選して綴っていきたいと思います!
その伝えたい3つのこととは↓
⑴勉強じゃなくて学習をしている
⑵先生はティーチャーじゃなくてサポーター
⑶自然で良好な人間関係が育まれている
では、公立小学校に勤めていたボクの経験も織り交ぜながら解説していきます。
ではまいりましょう!
⑴勉強じゃなくて学習をしている
トップバッターは、何よりもボクが感動したことである「子どもたちが勉強じゃなくて学習をしている!」ということ。
この感動を暖かいうちにお届けしたいと思い、最初にもってきちゃいました。それだけ感激したので。
ボクの拙い語彙力では伝え切れないのですが、冒頭にも書いたように「学ぶってこういうことだよね」という一言につきます。
「勉強」は「勉め強いる」という意味であり、嫌なことを仕方なくこなす的なニュアンスですが、学習は、「学ぶ、習う」ともっと能動的、主体的な言葉です。
まさに、その主体的な「学習」という言葉がピッタリとくる空間でした。
なぜそのように感じたのか深堀ってみると、理由は以下の通り↓
①全ての子が、その日にやりたいことを自分で決めてきている
②これといった時間割がない
③集中力が半端ない!!
ー まずは、①について ー
ボクは、見学に行く際にモンテッソーリ校に登校中の子どもたちに出会したのですが、何やら分厚い辞書?図鑑?のようなものを手に持っている子がチラホラと。中には鮮魚を手にしている子までいる(笑)
もうその姿を見たときから、なんだか普通の学校の子どもたちと違う!とボクは感じ始めていました。
後で、モンテッソーリ校の先生に聞いたところ、全ての子がその日にやることを決めてきているとのこと。その言葉が登校中の子どもたちの姿と重なり、あぁなるほどね!と妙に納得できちゃいました。
そして、教室に到着し、それぞれの荷物を所定の場所にしまうと、おもむろに戸棚にある教具や書籍を手に取り、思い思いの場所に散りじりになる子どもたち。
あれ、朝の会はしないの?
そう、朝の会はどうやらしないらしい。つまり、もう学習がスタートしていたのです。
クラスは、1〜3年生がいる低学年クラスと、4〜6年生がいる高学年クラスがあったのですが、どちらも誰がどの席といったことはなく、自分のやりやすい場所で黙々と学び出していました。
一人で学んでいる子もいれば、ペアになって学び出す子もいる。
学ぶ場所も誰と学ぶかも自分で選ぶのね。こりゃ主体性爆増しますわな!
鮮魚を持ってきていた子は魚の解剖をしていました(笑)なるほど!
その後、解剖した魚をスケッチしたと思ったら、今度は紙粘土を取り出して、内臓模型を作り出していました。
この子たち、実は低学年クラスの子です!2年生くらいかな?
もう感動の嵐!「学ぶってこういうことだよね!」(3回目です)
他にも、低学年クラスなのに、元素記号をひたすら調べている子や江戸時代の食文化を調べている子(この子は一年生)、ルートの仕組みを学んでいる子まで・・・「え!ここ本当に低学年クラス?」もうボクの頭はパニック状態でした!
うーん、これは藤井聡太君生まれますわ!!
ー 「②これといった時間割がない」について ー
学校といえば時間割!黒板の端あたりにデカデカと書いてあるのが当たり前ですよね。
しかし、モンテッソーリ校には時間割が見当たらない・・・そもそも黒板がない(笑)
うーんと当たりを見渡してみると「あったあった!」角の小さなホワイトボードに書かれていました!
しかし・・・そこに書かれていたのは
○時:登校
○時〜○時:モンテッソーリタイム
○時:○年生提供(10分)
○時:発表(希望制)
○時:お昼
すみません、記憶が定かではないので曖昧ですが、とにかく1時間目国語、2時間目算数といった一般的な時間割とはまるで違っていました。
つまり、ほぼほぼ、それぞれがそれぞれにやりたい学びに没頭している時間ということです。
確かに、一般的な学校では、せっかく集中していてもチャイムと共にその集中は打ち切られ、「はい次は算数です!教科書出して」と気の乗らない教科へとシフトされてしまいます。
まるで、工場のベルトコンベアに載せられた製品のように・・・
これでは、学びは勉強になり、つまらなくなるわけですよね。
その子の興味関心よりも、社会が求める知識を満遍なく注ぎ込むことが善!といった感じですかね一般的な学校は。
ー 「③集中力が半端ない!」について ー
これは、本当そのまんまですが、子どもたちの集中力が半端なかったです!
ボクが近くで見ていても何のその、ボクの存在に気づかずに目の前の学びにどっぷり浸かっている子がほとんどでした。
ボクが小学生の頃といえば、授業中ボーッと外を眺めていたり、早く終わらないかなとあくびをしている毎日でしたが、そんな子を見つける方が難しい。いや、一人もいなかったですボクみたいな子は・・・。
なので、みんな自由なはずなのに、教室内はとにかく静か、もちろん友達と学び合っている子たちもいるので、多少の声はありますが、それが何とも自然な感じで誰かの邪魔になるようなことはないのです。とても不思議な空間でした。
みんな「全集中!」って感じでした。
⑵先生はティーチャーじゃなくてサポーター
いやー(1)がボリューミーになってしまいましたが、まだまだ伝えたいことがあります。
それは、先生の役割です。
一般的な学校の先生といえば、黒板の前に立ち、トーク&チョークで子どもたちをグイグイ引っ張っていく感じですよね。
しかし、モンテッソーリ校にはそんな先生一人もいませんでした。
じゃあ先生は何をしているのか!
答えは「観察」です。
とにかく、ひたすら没頭している子どもたちを観察していました。
必要とあれば介入することもあるそうですが、基本は子どもたちが「先生見て」や「先生手伝って」と願い出てくるまでは「この子たちは今何を考えているのかな?」「どんなプロセスを辿っているのかな?」と思いを巡らせながら観察に徹するそうです。
取り組んでいる内容のバランスをみながら「これにチャレンジしてみたら?」と声かけはするそうですが「あれしなさい」「これしなさい」と大声で命令することもなければ、「何やってるの!」なんて怒鳴りつけることも皆無。
「教えこむ」「管理する」なんて概念はモンテッソーリ校にはありませんでした。
先生も、子どもの成長に寄り添えていて幸せそう^ ^
⑶自然で良好な人間関係が育まれている
モンテッソーリ校の先生の言葉で印象的だったのは「喧嘩はあるけど、いじめはない」という言葉。
もちろん、子どもですから喧嘩はしますよね。その方が健全健全。
ただ、今完全に社会問題化している「いじめ」のようなことは一切ないそうです。
確かに、子どもたちの姿を見ているとその言葉も大納得!とっても自然な感じで関わり合っていました。
年齢もバラバラですし、取り組んでいること(興味関心)もそれぞれ違う。そんな、違いを自然に受け入れている空間でした。
「違うって素敵なこと」そんな言葉がぴったりな学校でした。
そりゃ、一般の学校のように、同質性の高い、集団を狭い空間に閉じ込めて個性を無視して競争させたら「いじめ」は起こりますよね・・・。
大人が、いじめが起こる空間を作っておきながら「いじめ」を無くそう!と声高に叫ぶなんておかしな話です・・・。
午前の後半には、「発表」という時間があったのですが、その時間もなんともいい関係を感じさせてくれる時間でした。
「発表」とは、自分や自分達が調べたこと、考えたことをみんなの前で発表する時間。完全希望制で「これは伝えたい!発表したい!」という子が行うそうです。
希望制ってところがまたいいね!
発表の時間になると、「チリン、チリン」とベルがなり、それぞれが取り組んでいたことをいったん中断して、広い部屋に集まります。
その姿もまた感動ものでした!
さっきまで全集中していた子たちが、そのベルの音を聞いた途端、さっとそれぞれの作業を辞め、素早く集まるのです。子どもたちは「どんな発表があるのかな?」と興味津々な様子。
その日は、いろいろな四角形の特徴をまとめたお友達の発表でした。
まだ一年生なのに、辺や頂点という言葉はもちろんのこと、面や対角線といった言葉まで自然に使いこなしていました!
す、すごい・・・!
その発表の後に、聞いていた子から「なんで1、2、4という数字はたくさん出てくるのに3という数字はないの?」という素朴な疑問が。
「確かに!」という言葉が教室内に溢れ、次の課題が決まったようでした。おそらく、明日、その一年生は「なんで四角形の特徴には3という数字が出てこないのか」について調べることでしょう。
くどいようですが、やっぱり「学ぶってこういうことだよね!」という言葉が出ちゃいます!口を両手で抑えていても!
まとめ
ボクがモンテッソーリ校見学で感じたことを3つに厳選してお伝えしましたがいかがだったでしょうか?
他にもみんな礼儀正しい、子どもらしさがあっていい!など伝えたいことは山ほどあったのですが、長くなりすぎるのでここら辺で。
「百聞は一見にしかず」です。
ご興味のある方は一度見学に行ってみてください。
モンテッソーリ教育に限らず、シュタイナー、イエナプラン、ドルトンプラン、サドベリーなど様々な教育が世の中にはあります。
日本の学校教育という枠に囚われず、広い視野で教育を学んでいくと新い発見があります!
みんなで学んで、よりより教育をつくっていきましょう!
以上、ガクせんでした。
最後までお読みいただきありがとうございました。
良い一日を!
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