里山ってどんな感じ?:京都府北部平坦~中山間地域【ふるさと探訪vol.7】
日本の原風景と言われる里山。
山間地域ですが斜面が緩やかだったりで人が住みやすい。
今日はそんな里山をいくつか見ていきましょう。
場所は?
京都府の北部平坦~中山間地域は下図の①の地域です。
スーパー地形(カシミール3D)より抜粋した画像をもとに筆者作成。
なおカシミール3Dは元データとして国土地理院の「電子国土」を使っているそうです(出典:国土地理院ウェブサイト)
※トップ画像や以下の地形・地図画像すべて引用もとは同じです。
①地域は上図の4市町ですが、今回は伊根町(いねちょう)と宮津市を見ていきたいと思います。
里山を探す
ではさっそく行ってみましょう!
やはり東部の沿岸地域は凹凸が多い地形ですよね。
ちょい拡大。内陸部にも谷地形が広がっていて里山がありそうな予感!
赤点線のあたりをもう少し拡大してみましょう。
凹凸は激しいですが、緩やかな斜面も多いですよね。
ありましたありました!いくつか集落が見えますね。
北東の菅野という集落をアップにしてみました。
たくさん家が並んでいて周囲に水田や畑も多いですね。
ただし気になるのが・・・
こんな感じで、地すべり地形が沢山あります。
以前から他の記事でもお話ししていますが、日本の里山は地すべり地形である場合が多いんです。
もちろん地すべり地形だからと言って、今すぐ逃げた方が良いような危険な地すべりとは限りません。
むしろご先祖様たちは地すべりと上手に付き合ってきました。
さらに集落の奥にも道が通っていて、水田や畑がありますね。
昔はここにも人は住んでたのでしょうが、今は菅野集落から車で通ってるのでしょうね。
ここもやはり、よく見ると地すべり地形がアチコチにあります。
地すべり地形は住みやすい
なんでそこに住んでいるの?と思う人も多いかもしれませんが、実は地すべり地形は住みやすいし耕しやすいんです。
特に今のように治水工事が発達していなかった時代は、山間地の河川沿いは洪水や土石流の被害に遭いやすい。
その点、地すべりは一段高い場所にあるので洪水になりにくい。
さらに以下のような特徴があります。
・地すべり頭部付近は斜面が緩やかだったり平坦だったりする。
・昔から何度も動いて土地が乱されているので軟らかく耕しやすい。
・地下水が多く、湿地も多いので水田に適している。
そう、実はこんな理由で住みやすく耕しやすい。
地すべり地形判読図:J-SHIS Mapより
菅野集落を含めた周辺の地すべり地形分布図です。
こんなにあるんです。
里山をもっと見る
ではもう少し周辺も見てみましょう。
お!ここにも集落が2か所ありますね。
しかし・・・
やはり地すべり地形です。
ここにも集落が!
しかもお寺が2軒もあり、大きな集落です。
やはり地すべり地形。しかも周囲にもいくつかあります。
いかがでしたか?
実は案外と多い地すべり地形。人類にとって恩恵が多いので昔から住んでいる人が多い場所です。
もちろん危険も多いですが、上手に付き合うことで被害を避けたり軽減することができます。
一番手軽で大切な予防策は、事前にそこが地すべりだと知っておくこと。知っていれば大雨の時に早めに逃げるなど対応できます。
自分が今住んでいる場所、親戚や知人が住んでいる場所で「もしや?」と思ったら地形図を確認しておくことをお勧めします。
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