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震央との距離を見よ!!:巨大地すべり×ダム=大惨事?!:仙台市泉区七北田ダム周辺地域part5【御当地ハザードマップvol.1】

宮城県仙台市の七北田ダム沿岸には地震地すべりと疑われる地すべり地形がありました。
もし本当に地震で動いたとすれば、直下型地震はいつどこで起こったのか?既存資料から検証してみました。
(※トップ画像は地震調査研究推進本部より)

長町ー利府線断層帯とは?

実は仙台市街地のど真ん中に「長町ー利府線断層帯」という活断層が確認されており、国や自治体の各機関で調査しています。

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出典:地震調査推進本部より


〇過去の活動

この断層帯の過去の活動について、地震調査推進本部で以下のように記述されています。

本断層帯は、過去4−5万年間に少なくとも3回活動したと推定され、最も新しい活動は約1万6千年前以後にあったと考えられます。


〇将来の活動

将来の活動の可能性については、日本の活断層の中ではやや動きやすい方のグループと言われているようです。恐ろしいです。
以下、引用です。(引用もとは同上)

最新活動時期が十分に特定できていないことから、通常の活断層評価とは異なる手法により地震発生の長期確率を求めていますが、その最大値をとると、本断層帯は、今後30年の間に地震が発生する可能性が、我が国の主な活断層の中ではやや高いグループに属することになります。


そして活断層が動いた場合に想定される規模は以下の通り。

断層帯全体が一つの活動区間として活動した場合、マグニチュード7.0−7.5程度の地震が発生する可能性があります。


これは兵庫県南部地震熊本地震に匹敵する地震になる可能性があるということですよね。(※岩手宮城内陸地震も同等規模)


「震央」との距離は?

直下型の巨大地震が起こったら仙台市はどうなってしまうのか?が心配なのはもちろんですが、七北田ダム地すべりは動く可能性があるのか?

答えを先に言いますと「動く可能性はある」です。

阿部ほか(2011)では過去の地震と地震地すべりの関係を表にまとめています。この中で「震央との距離」という項目がありました。

震央とは、地震の震源(地下)の真上の地表のことです。

震央

「震央」のイメージ図:筆者作成

この表によると、距離が離れているもので100~200km以上のものがありましたが、わずかです。
多いのは10数km~30km以内です。
荒砥沢地すべりは約15kmでした。

仙台市の活断層帯が動いた場合、どこが震央になるかは分かりませんが、断層帯の真ん中あたりから七北田ダムまでの距離は約18kmでした。

非常に恐ろしく残念な事ではありますが、長町ー利府線断層帯がマグニチュード7.0~7.5の直下型地震を引き起こした場合、七北田ダム地すべりが動く可能性があると言えると思います。
(※あくまで既存資料からの「最悪の事態」の想定です。)


もし地すべりが動いたら?

ダム湖沿岸の地すべりが動いて大災害になった事例は、イタリアで起こっています(詳細は別記事でお話しします)。
この時は大きなダム津波が発生し、多くの人々が亡くなってしまいました。
つまり地すべりによって土砂がダム湖内に流入し、その衝撃で津波が発生し、下流に流れたのです。

これと同様の事が起こる可能性があると考えられます。
そして最悪の事態はダムが決壊し、大規模な土石流が発生すること。

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スーパー地形(カシミール3D)より抜粋。
なおカシミール3Dは元データとして国土地理院の「電子国土」を使っているそうです(出典:国土地理院ウェブサイト
※トップ画像や以下の地形・地図画像すべて引用もとは同じです。

七北田ダムの下流は水田地帯で民家も多数あります。約5km下流には国道457号線も通っています。

ちなみに仙台市ではため池が決壊した場合のハザードマップを作製・公開していますが、ダム決壊のハザードマップはありませんでした。


おわりに

以上のお話は、あくまで「最悪の場合を想定」したものです。
ただ万が一はありますから、心配ではあります。
七北田ダムは宮城県が管理していますが、県で調査済みで危険なしと判断されているのか、それとも想定していないのか。
いずれ何かしらの方法で問い合わせしてみたいと考えています。

お読みいただき、ありがとうございました。


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参考文献

阿部真郎・林 一成(2011)近年の大規模地震に伴う地震地すべりの運動形態と地形・地質的発生の場.日本地すべり学会誌,Vol.48, No.1, pp.52-61.

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