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まるで天然の空母?!萩市の島々:山口県北部【地元再発見の小旅行vol.5】

※トップ画像は気象庁資料より
前回は山口県北部の沿岸地域の地形や地質についてザックリとお話ししました。気になる地形はたくさんあったのですが、今回は特に気になった島々についてお話ししたいと思います。

まるで天然の空母??

「空母」とは滑走路をメインとした戦艦で、真っ平な船ですよね。
そう、まさにそんな感じの島々がありました。コチラです!

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スーパー地形(カシミール3D)より抜粋
なおカシミール3Dは元データとして国土地理院の「電子国土」を使っているそうです(出典:国土地理院ウェブサイト
※以下の地形・地図画像すべて引用もとは同じです。

特に北東側の2島はいかにも空母っぽいカタチですね。
これらの島々は今は萩市ですが、以前は「萩六島村」という村だったそうです(ウィキペディアより)。

アップで見てみましょう。

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西の島はそうでもないですが、東側の5島は真っ平ですよね。面白い!

なぜ真っ平?

真っ平な台地状の地形と言えば、ある地質が原因だと言う話、以前に紹介しましたよね。
さて、地質図を見てみましょう。

地質図_萩六島
地質図_萩六島_凡例

20万分の1地質図幅「山口及び見島」:地質調査地質調査総合センターより

6つの島々はQaQbという記号がつけられていますね。
凡例では専門的な言葉が出ていますが、要するに溶岩ということです。
安山岩ドロドロ具合が中間の火成岩。玄武岩サラサラなマグマが冷えてできた火山岩です。
まさに溶岩台地という地形です。溶岩がドロドロと流れ、ドロドロ具合が弱いと上側が平らになり、台地状の地形をつくるのです。
80万年前から数万年前までの間に噴火した火山のようです。

六島のご紹介

それでは、西から順番に島の紹介をします。

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相島(あいしま)です。
この島は真っ平ではなく、色々な地形が見られますね。いずれもっと細かく見ていきたいと思います。
スイカが名産らしいです。それと相島産のサツマイモで「あいしま」という焼酎もつくってるみたいです(ウィキペディアより)

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尾島(おしま)です。小さくて可愛い島ですよね。
今は無人島だそうです。直径1kmにも満たないので、1日あれば島中くまなく見物できそうですよね。行ってみたい!

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櫃島(ひつしま)です。
断崖絶壁に囲まれていて、南の港からしか上陸できないそうです。
残念ながら今は人口は2人で、しかもその人たちは本土にも家があり、自家用船で行ったり来たりしているのだそう。
平家の落人が住み着いたのが始まりだと言う伝説があるそうです(ウィキペディアより)。

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肥島(ひしま)です。今は無人島。
一番高くても標高56mというなだらかな地形で歩きやすそうです。お散歩してみたい(笑)

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羽島(はじま)です。小さくて可愛い(笑)ほんと真っ平ですよね。
この島は今は無人島で、昭和46年に44人が集団移転したのだそうです。
湧水がなく、本土から水を運んでたらしいので、人が住まなくなったのはしょうがないかもしれません。
ちなみに無人島になってから、山口県と萩市が土地を共同購入してキャンプ場として利用されてたのですが、平成7年に閉鎖されたようです。残念。(ウィキペディアより)

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大島(おおしま)です。人口は652人ということで、けっこう人が住んでいますね!一面畑って雰囲気です。
ブロッコリーと葉タバコが栽培されているそうです(ウィキペディアより)。

それにしてもいかにも溶岩台地といった地形です。南東は小さい島との間に波で運ばれた砂などが溜まって地続きになったのかも知れません。
3Dで見てみましょう。

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この方向で断面を切ってみます。

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ほんと真っ平ですよね!是非、遊びに行ってみたいです!!

いかがでしたか?
萩市の北に、まるで空母のような島があると思ったら、溶岩台地の島々でした。

※山口県の溶岩台地の話はまだまだ続きます👇

お読みいただき、ありがとうございました。

参考文献

松浦浩久・尾崎正紀・脇田浩二・牧本 博 ・水野清秀・亀高正男・須藤定久・森尻理恵・駒澤正夫 (2007) 20万分の1地質図幅「山口及び見島」.独立行政法人 産業技術総合研究所地質調査総合センター.

西村祐二郎・今岡照喜・金折裕司・亀谷 敦(2012) 山口県地質図第3版(15万分の1)説明書.山口地学会,P.167.

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