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昔も今も火山!火山!火山!!:山口県北部沿岸地域 萩市~阿武町【都道府県シリーズvol.3:山口県part2】

都道府県シリーズvol.3として山口県の地形と地質についてお話をします。
プロローグでは地形的特徴から大きく13か所に区分けしました。

山口県_区分

スーパー地形(カシミール3D)より抜粋
なおカシミール3Dは元データとして国土地理院の「電子国土」を使っているそうです(出典:国土地理院ウェブサイト
※トップ画像や以下の地形・地図画像すべて引用もとは同じです。

今回は「⑥:北部沿岸地域」を見てみます。

複雑な地形

この地域は萩市や阿武町の沿岸部で標高はだいたい数m~500mで起伏が激しい地域です。

画像2

こんな感じです。
う~む。気になる場所がたくさんある!
それにしても複雑な地形ですよね「大局的な傾向」ってものが見えない。
谷や山がギザギザと入り組んでいて、ところどころに平らな場所が点在。

もう少しアップにしてあちこち見てみましょう。

画像3

画像の北東側に点在している平らな地形が目に付きますね。
それと北西の青色の平地は萩市の中心部です。
ずっと災害関連の技術者として働いていた私としては、ぱっと見で「少し怖いな」と思う土地です。
もちろん今は色々な対策がされてると思いますが、昔は水害が多い土地だったのでは?という印象です。
と言うのも2本の大きな川、阿武川と明木(あきらぎ)川の水が全部、この平野に流れ込むわけですよね。
逆に言えば、川が運んだ土砂がたまって、この平野がつくられたのですが。
自然の恵みと脅威は、やはり背中合わせなんですね。

画像4

ここは萩市の北東部です。やはり起伏が激しく、地形は複雑。そしてところどころに平らな土地があります。

複雑な地形の原因は?

全体的に統一的な傾向は見られなくて、複雑な地形。やはり地質が関係しているのでしょうね。ってことで地質図を見てみましょう。

地質図_阿武地域

20万分の1地質図幅「山口及び見島」:地質調査地質調査総合センターより

やはり、地質も複雑っぽいですね。
全体的には肌色の地質が広く分布して、ところどころにピンクやら紫やらの地質がポツポツと見られ、カラフルですね。

肌色の地質は白亜紀(はくあき)の流紋岩溶結凝灰岩です。
白亜紀は恐竜が生きていた時代で、1億4500万年から6600万年前
流紋岩は粘っこいマグマが冷えて固まった火山岩、溶結凝灰岩は火山灰や火砕流の堆積岩です(詳しくはコチラ)。
つまり、火山でつくられた地質です。しかも、白亜紀の前期から後期まであちこちで火山が噴火していたらしい。

そして北東のオレンジ色は古第三紀(こだいさんき)の火山の地質です。
古第三紀は白亜紀の次の時代で、6600万年前から2303万年前です。
この時期も火山が噴火してるんですね(^^;

そしてもっと新しい時代、一番最近では数万年前にも火山が噴火しています。

つまり、あちこちでドカンドカンと火山が噴火し、大昔から最近まで、あちこちで火山が噴火し続けている
だから複雑な地形になってるようです。

いかがでしたか?
山口県北部の沿岸地域は、昔から最近まで火山だらけのため、複雑な地形になってるんですね。

※山口県の火山の話はまだまだ続きます👇

お読みいただき、ありがとうございました。

参考文献

松浦浩久・尾崎正紀・脇田浩二・牧本 博 ・水野清秀・亀高正男・須藤定久・森尻理恵・駒澤正夫 (2007) 20万分の1地質図幅「山口及び見島」.独立行政法人 産業技術総合研究所地質調査総合センター.

西村祐二郎・今岡照喜・金折裕司・亀谷 敦(2012) 山口県地質図第3版(15万分の1)説明書.山口地学会,P.167.

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