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イギリスのコロナ事情:5月17日に大幅なロックダウン緩和が決定🥳ワクチンパスポートも同時にスタート【全文無料】

イギリスは全体的に状況がさらに改善。2021年5月10日にはイングランド、スコットランド、北アイルランドでコロナによる死者数がゼロを記録しました。週明けは数字が少なく出るからというのもありますが…。最近の死者数は1日10人前後とかなり落ち着いてきたことは確か。

これはロックダウンを続けてきた成果が大きいのですが、英アストラゼネカ製と米ファイザー製の効果も著しいもの。ワクチンを1回接種した人がコロナに罹患した場合、何らかの症状が出る人が55~70%減、入院者数が75~85%減、死亡者が75~80%減という数字が出ています。さらに他者にコロナを移す可能性が半減するというエビデンスも。

まさにイギリスにとってワクチンは救世主。研究によれば、ワクチン効果によりイギリス国内ですでに1万人の命が救われたとのことです。

ワクチンがこれほど効果を発揮しているのは、高い接種率があってこそ。イギリス全土の成人(18歳以上)のうち3分の2が1回目を、3分の1が2回目を接種済み。リスクの高い50歳以上の人と持病のある人のうち実に95%がワクチンを接種。40代も4分の3近くがワクチンを打ちました。現在は38~39歳の人が対象。

そして、それぞれにできることをしてがんばったイギリス人たちに待望のご褒美タイムです!かねてから予定されていたとおり、イングランドでは5月17日(月)にロックダウンの大幅な緩和が行われることが正式決定。内容を簡単にまとめます。

・屋外で最大30名が集まることが可能
・屋内で最大6名または2世帯が会うことが可能(宿泊もOK)
・飲食店の屋内スペースが再開
・ミュージアムや劇場、映画館が再開
・ホテルやホステル、B&Bが再開
・大人向けの屋内エクササイズレッスンが再開
・近しい友人や家族とハグしてもOK(ただし慎重に!)
※屋内施設でのマスクやソーシャルディスタンスに関する規則は現行のまま

多くの日本人にはピンと来ないと思いますが、イギリス人にとって近しい人をハグできないのは本当に寂しいこと。わたしもふだんはイギリス人の友人とはもれなくハグやキスをします😘友達と会ってもそれができないなんてなんだか変な感じで(笑)。それが来週から晴れて解禁になるので、みんなそれぞれに大切な人とハグやキスをしまくるはず(ただし慎重に!)💓

あとはそれぞれ何を楽しみにするかはその人次第でしょうね。友達とパブで飲む、ひさびさの国内旅行に出かける、友達を大勢呼んでBBQをする、ミュージアムに通いまくる(←これはわたし♪)など。

現在、イギリスではレジャー目的の海外旅行は全面的に禁止されているのですが、この点についてもイングランドでは同じく5月17日から新ルールが適用されます。信号機の3色になぞらえて、コロナ感染の点で危険度の高い国を「レッドリスト」、中程度の国を「アンバーリスト」、低い国を「グリーンリスト」に振り分けます。リストはいずれも3週間ごとに見直されます。

・「レッドリスト」の国から入国:10日間のホテル隔離(自己負担)&検査
・「アンバーリスト」の国から入国:10日間の自主隔離&検査
・「グリーンリスト」の国から入国:隔離なしで検査のみ

なお、正式にレジャー目的での旅行が許可されるのは「グリーンリスト」の国のみ。「アンバーリスト」「レッドリスト」の国に関しては、政府は「できれば行かないで」という要請をしています(罰則なし)。

ちなみに日本は「アンバーリスト」に含まれているため、在英日本人が5月17日以降に日本に一時帰国するのは「できるだけ避けるべきだが可能」ということになります。ご家族の病気などで一時帰国を切望していらっしゃった方には朗報かと。

そして気になるレジャー渡航ができる「グリーンリスト」の国は、現在わずか12の国と地域に留まります

ポルトガル、イスラエル、シンガポール、オーストラリア、ニュージーランド、ブルネイ、アイスランド、ジブラルタル、フォークランド諸島、フェロー諸島、サウスジョージア・サンドウィッチ諸島、セントヘレナ・アセンションおよびトリスタンダクーニャ。

え、ええと…。まず、シンガポール、オーストラリア、ニュージーランドはイギリスからのレジャー旅行客を受け入れていません💦あとはだいたいかなり遠方だし、現実的に一般的なイギリス人が旅行先として考えるのはポルトガル一択という感じ。

政府としては「とりあえず開けるふりはしてみたよ?」ということなんでしょうね。わたし個人としては、今イギリス人が海外旅行をしまくればさまざまな変異株が流入しかねないと思うので、この厳しい方針に賛成。国内でパブに行ってB&Bに泊まればいいじゃない🏠

さらに同時(5月17日)にワクチンパスポートも始動します。この日以降はNHS(国民保健サービス)のアプリでワクチン接種歴が表示され、フライト利用時や他国への入国時に求めがあれば利用できるように。スマートフォンなどのモバイル端末を持っていない人は紙のバージョンも入手可能です。

ただ、これはNHSアプリでの表示をワクチン証明書として認めてくれる相手国があってのことなので、現実的に来週から使用できるわけではなく。EUも来月半ばまでにワクチンパスポートを導入予定であるため、お互いに準備ができたらこれを使って徐々に国境を開いていくものと思われます。

もちろんまた今後どうなるかはわからないにせよ、一時期は本当にヤバかったイギリスにここまで明るい未来が見えてきたのは国民的なヒーローたちのおかげです。言うまでもなくその筆頭は医療従事者。あの絶望の日々、戦場とも呼べる現場で戦っていた方々を称えるための記念像が制作されています。

2.5メートルのこの女性像は「12時間のシフトを終えたところ。へとへとに疲れている。手袋を外しながら今日見たものを思い起こしている。そして、明日も明後日も、その翌日も同じ仕事が待ち構えているとわかっている」というイメージでつくられました。

ロックダウン緩和は国民全員へのご褒美ですが、ロンドン市長から、ロンドンの医療従事者や救急隊員、警察官、交通局員などの「キーワーカー」と呼ばれる人たちへは特別なご褒美🎁彼らはトラファルガー広場に設置された大画面で、Euro 2020のイングランド戦を無料観戦できるのです。

今までもキーワーカーにはレストランやカフェからの無料の飲食物提供など、さまざまな形で人々から感謝が伝えられてきましたが…。フットボールファンにはこのご褒美がいちばん嬉しいかも⁉⚽

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