見出し画像

イギリス(ロンドン)における新型コロナウイルス感染にまつわる現状と対策【無料公開】&小ネタいろいろ☆

公益性が高いかと思うので、新型コロナウイルス(COVID-19)に関わる部分は無料公開にします。イギリスにご旅行や出張で渡航予定がある方は「そうか、今はそんな感じか」という点をお知りいただいておくと良いかなと。

前提として、わたしは医療従事者ではないので医療的な対策については書きません。また、イギリス(ロンドン)の状況のすべてを把握しているわけではありません。視点の偏りを防ぐために、複数のメディアを確認することをお勧めいたします。

イギリス国内で感染が確認されたのは今のところ9人。うち8人が病院での治療を受け、検査で2回陰性が出たのですでに退院しています(2/15の報道)。一方で、本日2/17の報道によるとこれまでに4,500人以上の人がイギリス国内で検査を受けています(上記の9名以外はすべて陰性)。イギリス国内でも「怖い」「不安」「もしかしたら…」という気持ちをもった人が多いのでしょう。

これに伴い、イギリス国内でも中国人や東アジア人に対する差別が若干発生しています。「ちょっと避けられる」「案内されたテーブルが日本人の隣だと、他のテーブルに移っていく人がいる」という程度から(まあ、このあたりは仕方がないと個人的に思う)、「侮蔑的な言葉を投げかけられる」とか、最悪のケースでは「中国人女性が暴言を吐かれた挙句に突き飛ばされた」という報道も見ました。

残念なことですが、今後、日本も含めて東アジアで感染例が増加するにつれ、こういったケースはある程度常態化すると考えられます。イギリスに渡航を予定されている方や、すでにイギリス国内においでの方はそういう認識をお持ちになっていて損はないでしょう。

ここからは、上記の状況を踏まえたうえでの対策について書きます。

現地の警察および元警官の友達に確認してみたところ、突き飛ばしたりすることはもちろん、人種を理由とする差別的な冗談や暴言もすべて、イギリスではヘイトクライムとして重く扱われるそうです。たとえ暴言を吐いたのが子どもだったとしても、10歳以上の場合には訴えられる可能性があります。法律上、決して許される行為ではないということです。わたしの読者様にはありえないことだと思いますが、逆にもしもイギリス国内で日本人が中国人(でも何人でも)を差別・中傷するようなことがあれば起訴されるおそれもあるというわけです。

上記のようなヘイトクライムは、警察に電話(999)で通報できるほか、ネット上でも通報することが可能ですので、何かあれば遠慮なく通報してください。時間や場所、相手の様子、言動を正確に覚えておくと通報しやすいです。もしも人通りが多くて安全そうな場所であれば、スマホでその様子を撮影すると証拠として実際に起訴ができます(※危なそうな相手の場合は必ず身の安全の確保を優先させてください)。「英語に自信がない」という方の場合、警察で「日本語の通訳」をリクエストすることができます(無料)。

「ちょっと避けられる」程度のことは、もう気にしない方が良いと思います。彼らのほとんどは東アジア人の見た目や言動から国籍を推測することができませんし、それゆえに純粋に「怖い」のです。それは、日本人の多くがイギリス人とフランス人の区別がつかないのと同じこと。高齢者はもちろん、若くて元気そうに見えても疾患などにより免疫力が低下している人というのは社会に驚くほどたくさん存在します。わたしの周りのイギリス人にも何人もいます。そういう人が少しでも感染リスクを下げたいと思って行動することは、わたしは権利だと考えます。避けられる方はもちろん不快ではありますが、相手の恐怖心を理解する気持ちも大事かなって。

ちなみにロンドン在住のわたし個人の話をすれば「周りの人に避けられているかも」と感じたことは一度もありません。いつも通りです。地下鉄ではみんなどんどん隣に座ってきますし、話しかけてくる人もたくさんいます。理由の1つとして着物のパワーもあるのかも。ロンドンの住民は外国人慣れしているので、着物を着ている人=日本人と認識してくれる人が比較的多いのです。今後、日本でも感染者が爆発的に増えるようなことがあれば(そうならないことを心から願っていますが)また状況は変わるかもしれませんが、今のところは見た目で「日本人アピール」することで被害に遭う確率は少しは下げられるかもしれません。

それでも、それはやっぱりロンドンだからかなぁという気もします。ロンドンでは東アジア人の割合は他人種に比べて多くはないものの、それでも100人とすれ違えば1人くらいは東アジア人がいるもの。そこまで数が多いと、いちいち全員を冷やかすことができません(笑)。そもそもロンドンには自分も外国人という人がものすごく多いので、普段から差別が発生しづらい条件が整っています。地方、とくに東アジア系が少ない地域ではまた雰囲気が違う可能性がありますので、そういう方は他のソースをご確認ください。

個人的な結論&おすすめとしては、ロンドンを訪れる日本人観光客の方が比較的安心できるのは、観光客が多めの場所じゃないかと考えます。フォートナム&メイソンでアフタヌーンティーとか、大英博物館とか、そういう場所に行く限りはかなり安全だと思います。そして、ベタなようでもそういう旅も良いものです。ぜひ、素敵な思い出ばかりで帰国される方が増えますように💓

以上、楽しくのほほんをポリシーとする(笑)『KIMONO x LONDON』には珍しくちょっとネガティブな部分も含む内容になって恐縮ですが、知っていて「ああ、これが読んでいたやつかー」と思うのと、突然びっくりするのはずいぶん違うと思うので、サポートの意味で書かせていただきました。

ここから先は

995字 / 4画像

¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?