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「研究者らしい研究」って?

ゆーです。

前回、ニーズを起点にした研究について書きました。

ビジネスにおいて、やはりニーズに応えていくのが必要かと思います。
ですが、ニーズに捉われすぎずにもっと柔軟に研究を進められないんでしょうか?
そこで、今回は別の起点について。

どういうものか?
必要なんだ!という自分の想いに任せて研究を進める方法です。
大きく分けて、さらに2つに分類しました。
一つが、イノベーションを起こすべく、誰も踏み込んでいない領域を開拓するための研究です(イノベーションについても、解像度を上げて話すべきなんですが、長くなってしまうのでここでは割愛)。

この方法では、結果を出しても、その面白さを誰も理解できない可能性も大きく、そもそも必要とすらされない。
でも、自分はこれが普及すると世の中は絶対に良くなると信じている。

そうなると、ひたすらその技術の認知度を上げていく過程が必要になります。
研究者であっても研究だけでなく、一般に使ってもらえるように情報を拡散しまくらないといけない
これが大変です。
(iPhoneだって開発初期に、いきなりみんなが使ったわけじゃないですからね。広めていくのが必要です。ジョブズすごい。)

ここで問題なのが、研究者は“周知していく過程を自分が担わないといけないと思っていない”ことが多い気がします。
そうなると、使ってもらえないことを人のせいにし始めるんです。
こうなってしまっては、社内で各部署が互いに不満をぶつけ合う。
なんて悲しい…。
きちんと自分で開発した技術には責任を持ちましょう。
(ただ、研究者は市場に出るまで技術の面倒を見たいと思っているのに、会社の性質上、手放して任せないといけないことも多いです。個人的には、コレをどうにかできないのかなぁと思いますね…。)

では、自分起点で始まった研究はこれしか方法がないのか?
もう一つあります。
研究成果を、水平思考でひたすら課題解決に利用しまくる。

どういうことか?
上で紹介した、イノベーションは、その技術で世の中を創り上げていきます。
ですが、この水平思考では、「この技術、何かに使えないかな?」という形で利用します。
これ、一見簡単そうに見えるんですが、個人的にはこれが一番難しいと思います。

え?なんで?
技術を利用できそうな問題って案外すぐ見つかります。
「じゃあええやん。すぐ事業展開していけるやん。」となりそうですが、そんなことはない。

なぜか?
その問題は後付けで見つけてきたものです。
つまり、その問題を解決するために開発した技術ではない。
そうなるとですね、“その問題を解決するために研究された技術”があるんです。
ほとんどケースにおいて、それにどうしても勝てない。

そうなるとですね、見つけた問題の解決策として、“たまたま”自分たちの技術が最適だった、という状況を作らないといけない。
これめちゃくちゃ難しくないですか?
ゴールも無く“なんとなく”で始めた研究により生まれた技術が、“たまたま”唯一無二の解決策だった、なんてどれだけの強運でしょうか。
そうなんです、こんなのほとんどありえないんです。
(ブランド力のある会社とかだと、勝てちゃう時もたまにあるんですけどね…。)

でも、企業で働く研究者は、後者の方法を取ることが多い。
そりゃ売れる製品に結びつかないわけです。
だって、運任せなんだもの
なので、ボクはあまりオススメしませんね…。
(注:ビジネスでは技術の良さだけで、売れる売れないは決まりませんし、マーケターも巻き込んで戦っていく、その心意気があれば運任せにもなりません。市場に浸透させていくことが重要であって技術がどうこうではないので、研究以外のこともきちんと考えるのであれば、チャンスはいくらでもあります。)

以上、自分起点の研究についてお話ししてきました。
どちらも厳しい戦いになることは間違いない。
どこに力を入れられるか?を意識した方が良さそうですね。

ただ、このように、研究成果が出てるのに“売れない”のは原因があります
どうしても売りたいなら、自分の研究の性質は知っておいてもいい気がします。

個人的な見解をつらつらと述べましたが、参考になれば…
ボクも自分の研究の位置付けを改めて確認しようと思います。

研究ってスタートが一番難しくないか…?


気づきなどのきっかけになれば幸いです。やはり応援していただけるのは、ものすごく嬉しいですし励みにもなります。またぜひお立ち寄りいただければ… (いただいたサポートは、今後の活動資金にさせていただきます。何かしらの形で還元させていただければと思ってます。)