透明な夜、君を迎えに 第四話
その夜、カレは何時間経っても帰ってこなかった。
あんまりだ、と思う。
わたしの両腕の傷の治りは、順調だった。
それは外科医の父親の仕事を見覚えた、カレの手当てが適切だった為だ。
だが、日常生活を送るのに、手指が使えないというのは、想像を絶する不便さだった。
幸い、左足を切り付けられた時は、わたしが意識を失い、地面に倒れ込んだ為、ナイフの刃は表面を掠ったに過ぎず、歩行には支障はなかった。
わたしにとって一番のネックとなったのは、トイレだった。
考えても見て欲しい。
花も恥じ