暗景
小説の続きを書こうと思ったのですが、今日はちょっと寝不足でガソリン切れ。
なので箸休め的に、以前に作った詩を載せます。
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彼のひと 白き衣纏いて舞い降りつ
其の指先冷たく 肌透きとおり
こころに 幾許かの愁いを含みたり
斯くして人は 過ぎ去りし愁いの数々を偲び
やがて来る艱難に耐えなんと備うなり
さも儚げな蟋蟀の音よ 露に湿る草陰で何を告ぐか
黎明近くなりたるも
もの想い尽くることなく
哀しみなお膨らみて
暗渠に此の身は沈みたり
紅に燃ゆる陽の沈みゆく
西の空は彼方へと拡がりて
限りある身に さても気の遠からむ隔たりなれど
一縷の未来を垣間見せん
されど此の身は縛られたり
何にかと云えば 其は想いなり
いっそこころを失えば身も軽かろうものを
彼のひとの紡ぎたる糸を辿りて
定められし時を費やすも
折節 結び目に出会いて立ち止まるは
何人の為せる業にしや
今宵暗雲立ち籠め星影を隠したり
遠く向かうこころ 遮られさ迷いしを
しばし打ち捨てて置かんとす
人々の見えぬこころに踏み迷う
我がこころの可笑しさを
撮影:emu
モデル:由良瓏砂、Verial(フェリアル)
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