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はじめに

◯ ツボと食事

私は漢方、鍼灸と並ぶ中国三大伝統療法のひとつである推拿(すいな)というものをしています。推拿とは、陰陽五行の理論に則り、ツボや経絡を押して、氣血を巡らせ、心身をケアする中医外治法の一種です。

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中医学では「内外同治」という言葉があり、外治である推拿と、内治である薬膳をセットで用いることで、相乗効果が高まると考えています。実際お客さんから「何を食べたらいいですか?」という相談や、生徒さんから「家族の健康をケアするための食養生」に関する質問などは多く、毎日の食に関する興味はやはりとても高いように感じています。

外(ツボ)と内(食事)。この二つを使いこなせるようになるだけで、簡単な心身のケアは出来るようになります。それが中医学の目指す「治未病(未病を癒す)」の実践に繋がります。


◯ 安くて、美味くて、手に入りやすい

私が思う、養生を実践する上でのポイントはふたつ。「楽しさ」と「継続」です。これを同時に叶えてくれるのが、旬の野菜です。筍、スイカ、さつまいも、みかん、、、その季節にしか出会うことができない食材に遭遇した時の、喜び。それは身心にとって最良の刺激となります。

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そして旬の野菜というのは、その時季にたくさん採れるということなので、その食材が最も美味しく、安く、手に入りやすいということでもあります。実に合理的で、カラダにも懐にも優しい。旬の野菜、最高です。


〇 とんかつにパセリ

薬膳というと、どうもハードルが高く、丁寧な暮らし的なイメージをお持ちの方もいらっしゃるかと思うのですが、私的には、ビールに枝豆、刺身にわさび、とんかつにパセリも、立派な薬膳料理だと思っています。

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中医学(薬膳)の考えにおいて、食材にいい悪いというものはありません。すべては、薬にも毒にもなりうる。要はバランスの偏りであり、加減(プラスマイナス)です。今の体調、そして今の季節の状態を知ることが、その匙加減を図るポイントとなります。それを知るツールのひとつとしてまとめたのが、この「ゆらね的食養生暦」です。

が、そんなこと最初から考え過ぎると、アタマでっかちになりますので、まずは自身の体質に合った旬の野菜を採ったら「テッテレ~!私の免疫力はレベル8あがった!!」くらいに思っていただければOKです。


◯ あなたにぴったりな旬のお野菜は?

この暦はあくまでも、僕にとっての身近な食材だったり、料理しやすい食材だったりなので、人によっては「菊芋ってどこで売っているの?」「クレソンなんて苦くてイヤやわ」「夏はやっぱりゴーヤでしょ!」「私の体質にはビーツはマスト」といったことも多々あるかと思います。なので、自分の好みや、手に入りやすいもの、暮らしている地域の特産など、この暦をベースに自分なりの「マイ食養生暦」を作ってもらえたらいいかと思います

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自身の日々の養生に活かすもよし、今の旬のお野菜は何?と今夜の晩御飯の参考にするもよし、最近この食べ物がめっちゃ食べたくなるのはなぜ?といった逆引きのような感じで使うもよし。ゆるく、楽しく、使っていただければ幸いです。わからないことやご相談等々ありましたら、お声掛けください。


ゆらね的食養生暦 ~今日は何食べよっかな?~

1、氣が不足している「氣虚タイプ」
2、血が不足している「血虚タイプ」
3、水が不足している「陰虚タイプ」
4、氣が停滞している「氣滞タイプ」
5、血が停滞している「瘀血タイプ」
6、水が停滞している「痰湿タイプ」


※ この暦を作るにあたって自身のルールとして、ひとつの食材に対してはひとつの効能という縛りの中で体質分けをしました。

例えば「黒豆」は養血に属しておりますが、氣や津液の補充にもつかえますし、活血や利湿にも使えます。また氣血津液とは、すべてつながりあっていますので、氣が補われれば、血も養われますし、氣が巡れば、除湿の効果も期待できます。食材の効能は多様です。その旨、あらかじめご了承ください。

#食養生 #薬膳 #推拿

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